少しグロいので注意!
進む先の結末を考えたのですが、、、難しい。
人通りの多い橋の上や川の周りは人で溢れかえっていた。斎藤達の斬首を見に来ているのだろうが、、、凄い数だな!子供とか居るけど見せて良いのかよ!駄目だろう!俺ならトラウマ確実だ!
「殿!用意が出来ました!」
・・・鹿介は元気だね。気合十分なのが俺にまで伝わってくるよ。並べられた三人は青い顔をして震えている。二日前に斬首と伝えた時は散々叫んでいたが今では気力も無いのか何も言わない。先ずは石田の罪?を家臣が読み上げて全て言い終わると前に連れてこられた。
「・・・言い残すことは?」
三人に対しては悪い気もしたが、、、今更助ける事など出来ないしな。声をかけると石田が顔を上げてボソボソと何やら呟き出した。
「・・・許さね、、、絶対に、、、ゆる、、、」
ああ、俺を怨むのか、、、お前一人くらい怨む奴が増えた所でなんとも無い。それよりお前も凄い怨まれているからな!毛利に居た時は散々殺しまくったくせに捕まれば手の平返しやがって、、、俺の下に付いても良い、だったか?そんな奴はいらん!
元尼子家の家臣達が刀を構えた、、、俺が右手を上げ振り下ろすと血が噴出して周りの観衆からは軽い悲鳴が聞こえてきた。それからすすり泣く声と歓声が聞こえた。・・・尼子の関係者だろう。
片付け終わると次に藤島の番だ。これも家臣が読み上げるのをまってから最後の言葉を聞こうとしたら。
「私じゃないの!誰か助けて!!!無実なの!、、、」
喚き散らす藤島を家臣が殴って黙らせる。こいつも散々やってくれたが敵意外にも味方からも嫌われていたな。地震を起こすのに時間稼ぎで捨て駒の様に兵を使えば嫌われもする。味方で気に食わない奴がいたら捨て駒として使っていたらしいから自分でも殺す味方を選んでいたのだろう。
捕らえた雑兵から聞いた話では注意した者の家を魔法で潰したりと散々暴れているが其れでも許されているのが理解できない!斎藤もよく使っていたな?其処だけは褒めて置こうかな。
「助けてください!なんでもしますから!!!」
其れでも叫ぶ藤島の前に麗が歩いて行く、、、危ないから近づけたくないんだけど、この前お願いされたから連れては来たけど話でも有るのか?
「気分はどう?・・・惨めよね。」
「先輩助けて!もう馬鹿にしたりしないから、、、だから、、、」
「やっぱり馬鹿にしてたんだ。・・・あんたには色々されたわよね。」
「謝りますから!!!」
泣き出して喚く藤島を見下ろす麗は無表情だ。だが次第に顔が笑顔えと変わると何かを呟いていく、、、
「あんた、私に食い残しの残飯を床に溢して無理やり食べさせたわよね。私の制服を紙代わりにして、、、ご飯に虫も入れた、、、無理やり髪を切ったりも、、、そんなに憎かった?」
「そ、それは、、、」
「私はね、、、殺したいくらい憎いのよ。何でもするなら死んでもくれるわよね?」
麗が俺を見てくる。・・・また右手を振り下ろす。流石にその時には麗が俺の横に連れてこられたが、、、凄い笑顔だったよ!
最後は斎藤か、、、こいつはどうしようかな?天下の謀反人だから別に罪を読み上げなくても良いんだが、、、あ、やっぱり読み上げるのか、、、
家臣が読み上げ終わると俺が最後の言葉を聞こうと声をかける。
「言い残すことは?」
「なんでこんな酷いことをするんだ!お前は其れでも人間かよ!!!」
「・・・酷い?今更何言ってんだよ。お前も散々殺してきてるだろうが!」
「俺は殺してない!!!・・・頼む、、、助けてくれ、、、俺はまだ、、、死にたくない!!!」
助ける理由にはならないな。其れに立場が違えばお前は俺を殺していただろう?絶対に許さないと言い切ったお前を抱え込むほど俺の器はでかくないんだよね。
「少し待って貰えるかしら?」
「・・・アリス?」
後ろにはアリスと嫁さんが来ていた。その目は斎藤に釘付けだが羨ましいとも妬ましいとも思えない憎しみの瞳と、、、まるでこれから遊ぶ様な楽しそうな瞳をしていた。
「ほら、、、早くお願いしないと。」
「・・・殿、斎藤を殺す合図は私にお譲り下さい。」
「先生!!!助けて!俺はまだ「黙れ!!!」な!」
斎藤の言葉を遮り俺を見る嫁さんは涙を浮かべている。・・・駄目だよな。
「お前の願いは聞けないな。誰か!」
「はっ!」
近くの家臣を呼び出して嫁さんを下がらせた。喚いていたがこんな事をさせる訳にもいかない。これは俺の責任だから、、、
斎藤の前にアリスが近づくと話を始めた。
「斎藤君、私はもう君の先生じゃないのよ。」
「そんな、、、」
「何時かこうなると思っていたは、、、いや、わかっていたの。君は元から才能に溢れていたし誰からも好かれていた。ただ少しだけプライドが高かったわね。・・・もし君が彼等と協力していたら今頃は天下も取れていたかもね?いいえ、この場の立場が逆だったかもしれないわ。」
「・・・どういう事ですか?」
「そのままの意味よ。私が斬首になっていただろうって事よ。あ、お礼を言いたかったのよ!彼を、、、綾人様を見捨ててくれてありがとう。そのお陰で私は愛しい人を手に入れられたのだから。」
・・・なんの話をしているんだ!恥かしいから止めてくれないだろうか。
「君が彼等を認められなかったのは『能力』の所為だろうけど、、、そんな物は使いこなさなければ意味が無いものよ。少し大人になれば、、、なっていれば、、、私が負けていたでしょうね。」
「負けて、、、まさか、、、せ、お前がこの状況を仕組んだのか!俺を殺す為に!!!お前なんかが!!!!!」
「頭の軽い女だと思ったの?其れも正解なのよ。・・・私は軽い女よ。同時に歪んでいるだけの女だけど、、、」
「答えろ!なんでこんな事をした!」
叫ぶ斎藤の声だけが周りに聞こえる。・・・麗は冷めた目で見ているだけで何も言わない。
「・・・意味なんか無いわよ?しいて言えば、君が綾人様の邪魔な存在で利用するのに都合が良かったからかしらね。それ以上の価値なんか君になかったもの。」
「か、価値が無い、、、この俺が、、、」
もう興味が無いのか斎藤から離れたアリスは嫁さんの傍に行き慰めている。・・・また嫁さんに文句を言われるだろうが子供に見せても、、、右手を上げると麗がその手を押さえた。
斎藤がその光景に希望を持ったのだろう、、、顔が笑顔になりそのまま麗を見ていたが、
「さようなら。」
俺の手をゆっくりと下げさせた。・・・転がる斎藤の笑顔、、、、、、全てが片付いた。
其処には笑い出す麗が全員の視線を集めていた。
泣きながら笑う女を気味悪がる者や悲しそうに見る者、、、色々な視線を集めて笑う麗を抱きしめると笑うのを止めて泣き出す。
藤島や石田の様に力を持つ俺はこいつ等と同じなのだろう。好き勝手に暴れまわる、、、この世界の異物でしかない存在だ。・・・斎藤は何を目指したのだろう?俺に勝つことか?・・・いや、違う気がするな。支配者にでもなりたかったのだろう。俺を殺すなり、捕らえるなら他の方法が幾らでも有ったのだから、、、
まあ、今更関係ない。俺も碌な死に方をしないだろうが、、、後悔だけはしたくないな。
次回から新章になります!ストックが無いので更新は未定になりますけど、、、




