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僕の戦国記  作者: 三嶋 与夢
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19/28

クオの戦国記

なんとか書いてみました。

酒を飲みながら眠っている綾人を膝枕をして見ている宿主は微笑んでいる。宿主を中から見ているがよくわからない奴である。


「・・・殿をお部屋に、、、それと私は地下牢に行くから準備をしてくれるかしら。」


音もなく現れた者達に担がれた綾人を見送ると数人を連れて地下牢を目指す宿主は先程とは違う笑みを浮かべている。


『お仲間に会いに行くのか?勝手をして愛しい殿から愛想を尽かされるぞ。』


「・・・話すだけよ。其れに色々と聞いてみたかったのよね、、、あ!二人を連れてきてね。合図をしたら部屋に入れてくれればそれで良いわ。」


・・・反応の薄い奴だ。志乃はすぐに反応するのに、、、あの子は本当に可愛いが何時かは宿主の様になるのだろうか?いや、させるものか!


考えていたら地下牢についた様だな。暗くジメジメとしているこの部屋に三人が拘束されている。・・・何故に一人以外は穏やかにしているのだ?


「川上先生!俺です!石田一樹です。助けて下さいよ!秋山のくそ野郎が俺を殺そうとするんだ!」


「マジで先生だ!助かった、、、早く出してくんない?後、お腹すいてんだけど!」


・・・・・・知り合いだとは知っていたが、、、この様な態度で宿主と話す奴は始めて会ったな、、、いや、小娘も最初だけはこんな感じだったか?


「残念だけど先生には助けられないの、、、御免なさいね。」


「はあ?何言ってんだよこっちは命かかってんだぞ!」


牢屋の見張りが慌てていたり付き添いで来た者達が得物を構えているが、、、宿主は悲しい顔をしながら喜んでいる様だ。


「相変わらず使えないオバサンよね!秋山君を連れてきてよ。」


・・・立場がわかっていないのか?しかしもう一人は落ち着いたものだ。斎藤と言ったかな?


成程!流石に諦めているからここまで落ち着いていられるのだろう。潔い奴だ!


「藤島さんはどうして戦場なんかに居たの?」


「は?」


「其れがわかれば此処から出せるかもしれないわ。」


宿主が心にもない事を真剣な表情で言っている。この宿主に憑いてからは人間とは面白いと感じるようになった。限られた中でもがく者は特に面白い。・・・そう、宿主の様な人間は特に面白い!


「私が特別だからよ!魔法?みたいなのを使えるんだけどこれが強力でさ!もう地震みたいなの、、、時間が掛かるし疲れるからあんまり何回も使えないけどさ。」


・・・終わったなこの小娘は、、、宿主が真剣に聞いている振りをしながら怒り出している。あの特異魔法で愛しい者が二度も死に掛けたのだから何か仕返しでもする気か?一通り説明を聞き終わると宿主はこの小娘の特異魔法を理解したな、、、


「そうなの?それじゃ相談してみるわね。」


「お、俺も凄いんだぜ!集中すると遠くまで見えるし!なんか強い奴とかが光って見えるんだ!だから助けてくれよ先生!・・・秋山の下に付いても良いからさ。」


こいつは必死だな。だがこいつは確か、、、


「御免なさいね、、、石田君は助けられないの、、、」


「な、なんで!!!」


嬉しいのを隠して涙ぐむ宿主、、、我は敵対したくないものだな。


「・・・先生、この城に麗が居ますよね?二人で話をさせてくれませんか。」


斎藤が昔の女に会いたいと言っているが、あの女は今は綾人の、、、なんだ?世話係だったかな?思い出せんがそんな感じだったな。


「いいけど二人では流石に無理だから私も立ち会うわ、、、でもねもう来てるのよ。」


合図を送ると数人が部屋に入ってくると火の光が増えて部屋が良く見える。態度のでかい女はその内の一人を見て顔が笑顔に、、、斎藤も期待しているのか目が輝いている。・・・そんな斎藤を小娘、、、徳とか言ったか?が睨みつけていた。


「麗!」


「あんたも居たの!これなら私は助かりそうだね。」


明るい二人とは対照的に家の小娘達は冷めた目を向けていたり、睨みつけていたりと明らかに敵意を剥き出しにしている。宿主はただ見ているだけ、、、微笑みながら見ているだけだ。


「・・・何?」


「お前から秋山に雇って貰える様に頼んでくれないか!俺は秋山に協力してもいい。俺が役に立つのは麗も知っているだろう?」


・・・なんじゃ女頼りだったのか!褒めて損したわ、、、それにしても何かがおかしいなこの小僧は?まるで助かる事が前提の様だが、、、


「あんたも雇って居るんだから私は特別待遇確実だね!何にも出来ないあんたと違って私は役に立つんだから。あ!でも秋山に夜は雇うなって言っておいてよ。あんたと違って私は誰にでも身体は許さないんだから!」


キャーキャーと笑う(喚く?)この小娘はとても楽しそうに家の小娘を見下しているな、、、この小娘が人間共の言う美人なのだろうか?我では判断が出来んな。


「・・・毎日よ、、、毎日あんたのその態度や屋敷の使用人から陰口を言われ続けてたのよ!無能な女とか!身体だけの女とか!斎藤は相談にも乗らなかった!あんたは私を奴隷みたいに扱った!・・・立花に手を出してからは私なんか見向きもしないで、その上他の女の世話をさせられていたのよ!それで今更助けろ?よくそんな事が言えるわよね!」


「ち、違うんだ!まだ愛しているんだ。だけど楓の力も必要で、、、」


「そう、、、でも立花はあんたを捨てたわよ。私が少し怪しいって言ったらあんたが信じて遠ざけた後に若い子に告白されてそのまま、、、知らなかったの?それともあんたの方が先に捨てたのかしら?もうどうでもいいけど私は絶対に許さないから綾人には自分で伝えたら?」


「どうして秋山に従う!あんなに憎んでいたじゃないか!今度は二人だけでやり直そう、、、だから、、、」


「真人先輩こいつに振られたの?マジでついてないよねー!私が雇ってあげようか?」


なんだか変なほうに話がそれたが、、、宿主は笑いを堪えるので精一杯の様だな。おや?今度は小さい方の小娘が前に出たな、、、




「謀反人の斎藤!何故私の家族を殺した!!!」


 それまでの会話が途切れ全員が小さい方の小娘の方を向くと静かになった。後ろに控える御付の者達も睨みつけては居るが徳姫が飛び出さない様に気を付けている。




「・・・俺じゃない。桐原の奴が勝手にした事だ。」


「嘘をつけ!戦に出たまだ幼い兄弟達も殺したでわないか!!!」


「其れも桐原だ!あいつが仕組んだことなんだよ!・・・そ、そうだ!皆が桐原に操られていたんだ。だからこんな事に、、、俺は悪くない!」


・・・つまらんな。もう目も力を失いただ桐原がと言うだけとは、、、期待外れもいい所だ!宿主よ、もう戻って志乃と遊ばんか?もしかしたら泣いているかもしれんぞ?心配ではないのか!


「・・・今日はこれまでにしましょう。お互いに言いたい事も有るだろうけど、これ以上は私達の判断では決められない事だから、、、」


嘘を付け!綾人ならお前が言えば素直に頷くわ!・・・あいつもヘタレで宿主には弱いからな、、、


「ちょっ!私は出してくれるんじゃないの!!!魔法でこの城を破壊してもいいのよ!」


そんな言葉を無視して地下牢から出て行く宿主は無表情だった。我なら殺してやる所だが、、、魔法も使えん様に縛っているのだから心配は無いだろうし、そんな事をすれば自分も生き埋めだからな。生き残れると考えている今の小娘は何も出来んだろう。


「ありす殿!何故すぐに殺さないのですか!私の家族を殺したのですよ!」


小さい小娘が宿主に迫るが御付の者に押さえられたな、、、まあ、気持ちはわからんでもないがな。


「・・・桐原の首は取ったのだから斎藤もすぐにそうなるわよ。それと、、、麗は良いのかしら?」


「構いません。もし叶うならその場に私も参加したいです。」


恐い恐い!女子は恐いな!しかし、、、斎藤と綾人の違いはなんじゃ?同じ様に女子を囲って居るのに、、、


「そう、、、明日にでも聞いてみなさい。それから今後は四国と九州を攻めるでしょうから、しばらくは会えないわよ。」


「何故京に向かわないのですか!其れに織田家の領土を取り戻さない気ですか?」


流石に小さい小娘も宿主には喚き散らさんか、、、この前までが懐かしいものだ。


「聞いてみたらいいじゃない。最近は話もしていないのでしょう?」


「うっ!と、殿がいじめるのです!」


こんなにも酷い会話を普通に話しているこやつ等を抱えている綾人は意外に大物か?・・・無いな。あやつは中身が伴わん歪んだ存在だからな、、、それ故に宿主に好かれたのだが其れが良い事には思えないのも事実だな。宿主に興味さえ持たれなければ違った人生も有ったろうにな。それが今よりも幸せかどうかはわからんが似合わん天下統一を目指さんでもよかった筈だ。




 部屋に帰ると志乃がスヤスヤと寝ていた。可愛い子じゃ、、、我の力まで受け継いで居るからなおさら可愛く見える!もう我の子で良くないか?


「クオ、なんだかおかしな事を考えたでしょう。」


『・・・考えていたのは地下牢の三人の事じゃ!志乃の事ではないぞ。・・・どうするのじゃ?役には立ちそうでは有るのだろう?』


「殺すわよ!、、、その方が都合が良いもの。」


即答か、、、まあ、宿主は前からそう考えていたから大して気にもせんがな。


「其れから武田や上杉が動く様にしないとね。」


『忙しい奴だ。其れにしても何故にお前の仲間は助かると確信していたのだ?普通に捕まれば命が無い事ぐらい考え付くだろうに。』


「私にはわからないわよ。でもこの世界を夢とでも想っていたら、、、」


夢か、確かにお前等にとっては夢かもしれないな。




そんなお前達の行き着く先には何が有るのだろうな?我もそれを見させて貰うとしよう、、、いかん!志乃が泣き出した!早くなんとかしなければ!!!

次回は酷い話になります、、、

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