ツンデレ姫様が来ました。・・・ハア、、、
今回はほのぼのです。
その日も城の中で緊張していた。最近お腹の大きくなってきたアリス、、、子供出来たんだって!嬉しくてすぐに必要な物を揃えたんだけど、そんな時に織田家の姫様が家に嫁いでくるとか嫌がらせだよ!
「この度は本当におめでとうございます!家臣一同、、、、」
「・・・嬉しくないよ!まだ9歳なんだぞ!おかしいだろうが!」
「まあ、なんと言うか、、、大名同士ですからこんなこともありますよ。」
・・・軽いな重次!一豊達もあんまり口を挟まないから話が此処まで進んだんだろうが!
「・・・殿が無理をするからこんな事になったのです!大体人の少ない秋山家だけで中国地方を押さえるなど、、、他の重臣方も不満に思っておいでです!」
「・・・その話はもう終った事だ!」
ぐだぐだと挨拶を受ける中で、どの様に治めるかの話を始めた。・・・結論から言うと無理!
「無理でも治めなければそれを理由に削られます!徳姫様も其れを知ればすぐに織田家に報告しますぞ!」
新しく雇った連中を使い何とかしているのだが魔物の討伐に人手が掛かる。内政重視にしてはいても四国や九州が何時攻めて来るとも限らない。優秀な奴等は仕事がたくさんあるからそれなりの地位を与えているが、いきなり元から居る連中と同じには扱えないし、、、大名って大変なんだな。
「幾らかは削っても良いだろう?」
「良くは有りません!!!どれだけ苦労して手に入れたと思っているのです!織田家は増援も送らずに切り取れと言うばかりで、、、」
・・・武田はそろそろどうにかしないといけないしな、、、何度かぶつかって負けてはいないが勝ってもいない感じだし上杉は歴史道理なのか勝家様が抑えているけどな。
だけどその所為で自ら切り取った土地を木下藤吉朗に奪われてご立腹だけど、、、
何時かの借りは絶対に返してやりたいがどう言う訳か今の木下家は優遇されていて手が出せない!強力な鉄砲隊を持っているから確かに強いんだろうが大して活躍していないのに!!!
諦めてアリスに相談しに行けば忍者の皆さんがお出迎えとか、、、俺より大事にされてない?
「・・・そう。それで私に相談しに来たのはわかるんだけど、、、正妻の事をどうこう言う積りはないの。それに人が居ないのはあなたの所為だから地道に集めるしかないわね。和馬達が元服するから多少は楽になるわよ。」
和馬か、、、大きくなったよな本当に!小さい時からアリスが面倒を見ていたから俺よりもアリスに懐いていたよな、、、ん?まさかここまで考えて育てていたのか!いや、まさか?そんな訳、、、
「あの子達には色々教えてあるから経験さえ積めば其れなりの武将になるでしょう、、、それ以上になるかは運と努力しだいだけれどね。・・・あとね、篠原さんを家で面倒みましょう。」
「先輩を?確かに前よりは仲は良いけど、、、斎藤が許すかな?」
「もう見向きもしないそうよ。其れから数人なら優秀な人達を紹介できるから、其れでなんとかしてね。」
笑顔でそんな事を言われたら頷くしかない!其れにクノイチの皆さんが先程から早く帰れ的な雰囲気を出している。この人達にはアリスが産む子はクオの子でも有るとか考えているからその母体には触れて欲しくもないとかいっていたな、、、この前の夜に来たクノイチが遠回しに伝えてきたし!
『・・・仕事の話ばかり持ち込んで来て気の利かん奴だ。昔は『憑依』してたら崇められるだけだったから我も出産は初めての経験なのだぞ!』
「お前は関係無くないか!」
『酷い奴だ!何度か身体を借りて相手をしたと言うに!』
「初めて聞いたぞそんな事!!!」
なんだか部屋中から殺気が!そんなに俺が嫌いなのか?
「あまり殺気を出さないでね?この子が怯えるから、、、」
「「「御意!!!」」」
大きなお腹を擦りながら言うアリスに従い殺気が消える、、、しかし本当に嬉しそうだな。俺も嬉しいがアリスがあんなに優しい顔をしているのは珍しい。
『あまり正妻の話は持ち込むなよ。我等の子に影響が出たら大変だ!』
「・・・はい。」
そのまま部屋を出ると一人寂しく廊下を歩く。外を見ればもう日も高いから仕事に戻るか、、、
それから緊張の日々を過ごしていたら遂に出産!元気な女の子で名前を決めようと揉めていたら徳姫様ご到着してしまった!結婚式の準備を済ませては居たが向こうからはあまり人が来ていない。多くの重臣達から何のお祝いもしてこない中で柴田家や明智家からは贈り物が届いた。お返しは奮発しようかな!
「・・・信長様は来ないようですね。最近は姿も見せないんだとか、、、怪しいですな。」
「なんだ一豊?何か噂でも聞いたのか、俺の聞いたのは『影武者が摩り替わっている』だったぞ。」
「私も似たような物ですが、、、最近の噂は『既に死んだのでは、』と噂されています。」
かなりの不敬な噂だがもう織田家に其れだけの力の無さの表れでも有る。資金も兵士も足りない状態で周りを何時裏切るかもわからない連中に囲まれているのに其れに頼るしか無いのだから、、、
「今日来た徳姫様の付き添い達はそのまま家で預かる事になっております。其れなりの者達が数多く家に来るのも見限っているからかもしれません。」
「本当に恐いよな。其れにしても、、、」
こちらから見る徳姫様は綺麗な黒髪をして歳のわりに少々背が高い!しかも気の強そうな目付きとその可愛らしい顔に先程から睨まれているが、、、俺にあの子は愛せないと思うんだ!
「・・・なあ、これは政略結婚だから無理に相手をしなくても良いんだよな?」
「何言ってるんですか?駄目に決まっているでしょう!奥方を放って置くなど、、、まだ幼いのですから其れなりの年齢になれば、、、」
「いや悪いがあれは無理だ!」
「何が無理なのですか?可愛らしい姫君では有りませんか?」
呆れている一豊に真剣な眼差しを向けると一豊も真剣な顔付きになる。
「妹に似ているから、、、似すぎている!さっき声も聞こえたけど殆ど一緒なんだぞ!無理!絶対に無理だから!」
「・・・そんな理由ですか。」
そのまま式を終えると夜になる訳で、、、まあ、まだ幼いから顔合わせしかしないんだけど、
「・・・殿は私が嫌いな様ですが、、、私もあなたが嫌いです!」
「素直なのが良い事だとは思うが、、、性格悪いだろうお前は!」
お互いに御付の者に押さえられながらの初会話がこれだよ!妹と殆ど一緒の反応に懐かしさよりも怒りがこみ上げて来るよ!!!
「成り上がりが偉そうに!」
「その成り上がりに嫁いできたのは何処のどいつだよ!」
「くっ!、、、、、、グスッ!」
な、泣き出しただと!!!俺だけが悪者みたいじゃないか!こんな所まで妹と一緒なのかよ!
そんな訳で仲の悪い嫁さんが出来た事を報告に行くと赤ん坊の名前が『志乃』に決まっていた!少し寂しいが抱いてみるととても可愛かった。
「・・・それで妹に似ているから嫌だと?駄目よちゃんと子作りしないと、、、志乃は私の子で何かと不利になるから出来たら徳姫に男の子を産んで欲しいの。」
「あんなに妹に似てるのに抱けと?これだけは断固として拒否させてもらう。」
『血の繋がりが無いなら良いではないか、、、其れとでかい声を出すでないわ!』
志乃を取り上げられる。・・・其処までしなくても良いだろうに!
「クオも可愛がってくれて嬉しいのだけれど、、、それにしても困ったわね。妹に似ているのだから逆に興奮するとか無いの?」
「無いよ!」
俺がどんな風に見られているかわかったところでこれからどうするかだな。
「近い内に篠原も来るから夜は任せるとして、、、篠原の子に跡を継がせてもいいけど?」
え?篠原先輩と俺が、、、其れも無理だろう!あの人が俺を許すもんか!
「明日にでも徳姫様には会うから其処で色々考えるわ。」
『志乃がお腹が空いた様だな、、、ほれ、ささっと帰らんか!』
なんだか俺が邪魔みたいに、、、忍者に連行されながら部屋を後にすると部屋の前にはさっきまでいなかった武装をした忍者が複数いた。なんだか睨み合っている様だが何か有ったのだろうか?
「志乃様の警護は我等がする。・・・貴様等は外でも見張れ!」
「何を言うかと思えば、、、貴様等ごときではお守り出来ないだろう?」
志乃の事で揉めてるの!仕事しろよお前等!!!
そして次の日のアリスと徳姫の対面は最悪の形となった。見下した徳姫の態度は気にならない様だったが其れに腹を立てた徳姫が罵詈雑言を浴びせたのだけど、、、ニコニコとするだけであまり反応しないアリスが一言『年増』とか言われた時に空気が変わったね!
有無を言わさずに連れて行かれた徳姫が怯えまくりだったな、、、しばらくしたら完全な上下関係を作って戻ってきたから相当なトラウマでも心に刻んだのだろう。
懐かしいな、、、かなり思い出したくない思い出だが同じ思いをしたのならなんだか可愛そうになってくる。気が強くても9歳だからな、、、俺も大人気なかったからここは慰めておくか。
「おい大丈夫か?大変だろうけどこれから、、、」
「なに慰めようとしてるの?似合わないわね。」
「・・・お前はやっぱり嫌いだ。」
「でも嬉しくない訳じゃ無いんだから!」
「なんなんだよそのなげやりなツンデレは!!!アリスか?アリスに仕込まれたのか!!!」
やる気の無い徳姫がアリスを気にしながら俺にデレている。、だが心はこもっていない様だな。・・・こうしてツンデレのお姫様が我が家に加わる訳なんだけど、何とかなりそうで本当に良かった!なんだ一豊、溜息なんかついて、
「・・・殿?まだ何も解決してないのですが、、、統治についてはどうされるのですか?」
「あ!」
出てこないキャラが多いですね、、、井上さんとか何してるんでしょうね?




