先生と九尾の戦国記
かなりの速さで物語が進みます。内政とか興味無いですよね?『ゲーム』ですからね?
夜の姫路城の一室で一人の女性に何十人と言う忍びが頭を下げている。薄暗い部屋には火の光が一つだけ、、、その光で出来た影には九つの尾が揺らめいていた。
『本当に恐い女子だ。あれだけの事をした理由がそんな事の為とは、、、』
「そうかしら?これからを考えたら大事なことよ。」
忍びは誰一人喋っていないのに声だけは二人、、、川上アリスとクオだ。
『・・・経験と覚悟を得る為に其処までするとわな。』
「それだけじゃ無いのだけれど、、、それよりも『あなた達』は私に従ってくれるのかしら?」
二人の老人が前に音も無く進み出ると
「「御意」」
「結構よ、、、秋山家で全ての面倒を見るから確り働いてもらうわね。それと一人女性を殿の所に、、、」
『良いのか?お前の物であろう。』
「違うわね。私があの人の物なのよクオ。」
照らされた光に微笑が妖しく照らされている。
『綾人の為に女も用意するのか?あいつが寂しがるぞ?』
「それも必要な事よ。・・・長浜の様子は?」
また音も無く一人の女性が現れ
「斎藤なる者の指示か軍備が増強されていますが京の復興の資金を出す用意はしています。それとご指示道理に篠原と言う女には殿の名で渡しておきました。・・・大層喜んでおりまて色々と聞き出せました。先ずは、、、」
其れを聞いたとたんに笑い声が部屋に響く!
「ハハハ!!!、こんなにも脆いものかしら?身を守る術の無い斎藤の為に立花が集めた優秀な者達を疑うなんてね。それに立花まで必要としないなんて、、、篠原も役に立つわね。・・・大方は腹いせでしょうけど。」
アリスが指示を出すとまた数名の忍びが今度は音も無く消える。そしてすぐに解散した忍び達を見送ると更に考え出した。
(浮気を信じるんなんて馬鹿よね。必死な立花も可笑しいけど、、、そろそろ篠原を回収しようかしら?もうこれ以上は向こうにいても使えないだろうしね。)
『・・・どちらが本当のお前なのだろうな?綾人や子供等に対するお前はとても優しく時に厳しい、、、が、味方や敵に対しては酷く冷たい考えをする。』
「どちらも私よ。まあ、綾人様以外は興味が薄いのは確かよね。」
これからを考えるアリスは酷く楽しそうにしている。
「・・・桐原を探らせたらアイツも能力者だったなんてね。失敗した様だから大人しくなるのか、、、無理に動くのか?お市を勝家に嫁がせる積もりみたいだけど、あれは子供に向ける愛情に近いから複雑になるわね。」
『・・・複雑?』
「不器用なりに心配していた子供と結婚するの、、、すぐに馴れるでしょうけど彼は不満に思うかもね。」
『愛情の区別がつかんのか?』
「『見て』無いからでしょうね。井上は何の力は無いでしょうけど、あれは放っておいたほうが役に立つわ。」
『・・・権力に固執する女だな。お前に似ているが及ばないのは確かだ。』
「そうかしら?私は浮気なんかしないわよ。・・・井上は浮気しかしていない様だけどね。」
これからは重臣達を繋ぎ止めようと必死に動くだろう、、、婚姻や養子縁組何でもする筈だ。だがもう遅い!今まで柴田派と木下派の争いの影で動いていたが、私達も動きだすのだから、、、
『我も使い潰す気か?』
「まさか、大事なのはあなたが私の中にいる事だもの。使い潰すなんて勿体ない!」
『逆に怖いな!』
これからは情報の質も量も桁違いに入るのだ。動かない訳にいかない!だが急がずに慎重に行こう。此処からは敵の方から攻めてくる筈だ。
京での事件で力を落としたのだから攻めてくるだろう。将軍も織田を見限る様だし、桐原はどう動くのかしら?
一人を思いのままに操る能力で信長を操ったまでは良かったのだけれど、、、本当に無能よね!前から歴史知識を自慢して来ていたけど此処まで酷い状態にするなんて、、、本当に役に立ってくれたわ!
「織田の力を落としたのだから寧ろ優秀かもね。」
『次は裏切るのか?』
「何故?そんな事をしなくても勝手に崩れてくれるわよ。」
『ならどうするつもりだ?』
「命令通りにこの辺を手に入れるわよ。・・・人材が少ないから育てないといけないし、、、」
『?・・・数は多いだろう。』
「経験を積んだ者はそこそこいるのだけどね。そして磨かなければ、、、人は努力と経験で化けるわよ。其れがわからないのだから立花もまだまだよね。優秀な者は働ける環境に置いてこそ磨かれるのよ。今の木下家では戦の経験も積めないままに腐ってしまうわ。」
『命の短いお前等らしい考えだ。まあお前は我れの所為で寿命も若さも長引くだろうがな。』
「其れは嬉しい誤算ね。」
其れを聞いても其れだけの反応しかしないのだから大して期待もしていないのだろうとクオは考えていた。面白い人間だ、、、休養がてらにしばらく見ているのも面白い。それがクオの感想だった。
その日より織田家は周辺の国からの侵略に怯える事になる。上杉、武田、、、徳川すら怪しい中で力の落ちた織田家は重臣達に気を使い出す。信長の意思は其処に無く、、、桐原の考えで進む政略結婚と新たに重用された者達を冷めた目で見る中で秋山家の結婚相手には『徳姫』が選ばれた。
まだ若いから断るが織田家も力の有る秋山家の取り込みに必死で有った。其れほどまでに傾いていたのだろう。桐原の指示で送られる少女、、、9歳!
1568年の出来事である。
「・・・桐原の奴どうかしてるわね。」
『そうか?人の年齢差など我には関心無いが、、、確かに子供では有るな。』
周辺への侵攻と内政を進めた結果織田家でも随一の国力となっていたのである。大砲に南蛮船を使い侵攻する秋山家を止められない周辺国は降伏をした。毛利との戦では新たに仕官した『山中鹿介』の尼子家残党が当たる事に、、、そして九人目の『石田一樹』が居ることがわかった。石田は毛利でその知識と能力『千里眼』を使い出世していた。
ぶつかる両軍は秋山が劣勢を覆し勝利している。物量で押し切る形になったのだが、、、その後も物量で押し切り毛利を降し中国地方を手に入れた秋山家はまさに織田家が恐れる存在となったのだ。内政に力を入れ始めた為に本拠に居た綾人が結婚の話を聞いて一度は
「アリスが恐いから無理!」
と、断ったのをアリス本人が承諾し話が進むのだった。
「石田は逃げ出したようね。・・・今頃は九州かしら?」
傍に控えていたクノイチが答える。
「御意、追っ手を差し向けますか?」
「・・・正直手が回らないわね。九州に侵攻は今はしないのだから手を出さないでおきましょう。」
『良いのか?千里眼にはお前の綾人様も苦労していた様だぞ。』
その言葉にアリスの笑みが消える。
「殺すわよ。ただ今じゃないだけ、、、九州侵攻までには何とかしましょう。あの子は綾人様に負けたのが悔しい筈だからまた仕官でもしているでしょうからね。」
両軍の激突時に石田と面識のある綾人は本陣に奇襲を仕掛けた兵の中に石田が居るのを驚いた。すぐに撃退したがその後も奇襲を掛けて来る部隊を不審に思い山中に相談すると石田は相手が何処にいるかわかるのだと教えられる。石田の所為で尼子家が滅んだとも教えられたが、、、
千里眼頼りの毛利に物量で攻めて、あえて隙を作り誘い出した石田等を殲滅したりもしたが石田だけは逃げ延びたのだ。
「本当は此方に引き込んでも良かったのだけれど、、、もう要らないわ!」
『恐い!恐い!・・・これからはどうする?』
「内政重視でしょうね。これ以上は無理よ。毛利が強攻してこなければここまでする事も無かったのに!本当に上手く行かないものね。」
『・・・それで中国地方?を手に入れたのだから良かったのではないか?』
「何事もやりすぎは駄目なのよ。まさかここまで綾人様がするなんて思ってもいなかったもの、、、お仕置きが必要よね?」
その頃、城で仕事をしていた綾人に悪寒がしたのだった。
「・・・ヒッ!!!なんだ急に寒気が!」
次回は徳姫様との出来事を書いてみたいです!




