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僕の戦国記  作者: 三嶋 与夢
それぞれの世界
10/28

先生好きです!「ごめんなさい」・・・えっ!

なんだか駆け足ですがなんとかここまで来ました!


「・・・重次、、、槍を渡せ。」


「あ、綾人様!いけませんこればか「命令だ、、、二本渡せ。」・・・はい。」


馬に乗り槍を受け取るとそのまま馬を走らせる。後ろでは部下の止める声がする。


「敵をここで食い止める!動ける者は着いて来い。」


周りの動ける者なんか殆ど居ない。敵味方関係無しに矢を放たれたんだ、、、だけど僕は生きている。其れを後悔させてやる!そして今度こそ、、、逃げない!


「その程度の数でなにが「先ずは一人!」グッガアアア!!!」


一人を槍でなぎ払うと次に来る者には左手に持った槍を投げて串刺しにした。


「二人目だ!」


それでも来る敵を槍を持ち直して馬上にて討ち取る。


「馬上槍とは!『気』を使っている様だが、、、何時までも使えまい囲んで叩け!」


左右から来る敵を馬を動かしてその真ん中を走り抜け指示を出した者に狙いを定め槍を投げつけた!


「四人目!、、、次は」


刀を抜いて周りを見渡して挑発すると僕に全員が向かってくる。・・・刀は戦には向かない、、、だから使うのは


「な!不味いぞ下がれ魔法を使う気だ!!!」


・・・気付いた奴が居るけどもう遅い。其処は僕の射程内だからね。


「あ、熱い!ギャアアアア!!!」

「た、たすけ!!!アアア!!!」


炎に焼かれた兵達が転がりながら自分に着いた火を消している中で先程気付いた奴が向かってきた。


「そんな大技を何発も撃てまい!!!ここで討たせて貰う!!!」


槍を刀で受け止めるが不利だな、、、脇差を抜いて二刀で構え相手をするが、、、こいつ強いな。受け止めるたびに火花が散り、欠けていく刀では何時までも耐え切れない!


「刀で良くここまでやれるものだ!だが!!!」


渾身の突きを繰り出して来たのでたまらず馬から飛び降り槍を避けて刀を構え直すと先程相手をした者が馬から落馬した。心臓を脇差で突かれていた。どうやらとっさに投げたのが当たった様だな。


「ば、化け物め!!!」


僕を囲む兵達を見れば火傷をしたのだろう、、、既に戦意が感じられないが弓隊がまた味方ごと撃たないとも言い切れない、、、すぐに囲みを崩して見方に合流すると向こうもこちらに向かっていた。


「平気か!」


「は、はい!殆どが綾人様に向かいましたので、、、それに他の隊も動いています!弓隊は前田様達により撃退されたと伝令が!」


「他には!」


転がっていた槍を拾いながら重次の説明を聞いていくと、どうやら優勢のままで敵は撤退し始めたらしい。


「・・・そうか、信長様の指示は?」


「追撃せよと、、、ですがもう、、、」


見れば皆が酷い状態だ。もう追撃しても追い付けるかもわからない。


「僕は出るが他の皆は怪我人を運べ。」


「で、ですが「命令だ!」・・・はい。」




 その後の追撃は夕方で終わった。夜には魔物が動き出し追撃もしにくい上に被害が出るからだ。帰れば報告をした時に聞いたのだが、敵を追撃で2200人は仕留めたと考えられていた。・・・其れにこれからは夜になる。魔物による被害で更に増える一方だろうと、、、


六角も浅井もその力を大きく落としたが朝倉は其処まで被害が出ていない。元から乗り気で無かったのか鉄砲隊の前で味方が討ち取られていくとあっさりと引いていったらしく、木下隊が浅井に攻め込んだ為にこんなに速く方が着いたんだと言われた。


だが敵の魔法と言われているあの『地震』はまだわっかっていない。敵の行動から魔法であるのはわかっているが皆あんな魔法は聞いたことが無い。間接的に攻撃されている感じだから防げずに食らうしかない、、、厄介なことだ。


数日すると大勝利が近隣に伝わり、調略の効果も有ってか寝返りをする者が出てきた。お陰で速く帰れる訳だが家の連中の雰囲気は暗い。手柄も立てた。信長様も喜んでいた。だが仲間が死に過ぎた。・・・僕の所為だと言った時に一豊さんに殴られたんだけど、その時言われたのが


「私達がそんなに頼りになりませんか!何故お一人で追撃されたのです!命令すれば良いではないですか、、、『着いて来い』と、、、それを、、、」


また僕はわからない内に周りを傷つけたのだろうか、、、




 六角家には勝家様を浅井には木下様をそれぞれ抑えにつけて一度帰還したのだが、、、


ぱっん!!!


屋敷に帰り部屋に戻ると先生が居て平手で叩かれた、、、よく叩かれるな最近は


「一豊さんの手紙に大体の事が書いて有ったわ。・・・頑張ったんでしょうけど、、、どうして一人で追撃なんかしたの!戦場なんでしょう!危ないんでしょう!」


「・・・其れぐらいしか出来ないんですよ。」


先生が目に涙を溜めて睨みつける。やれる事はやったじゃないか!皆を、、、生きてる連中を助けたじゃないか

!何が悪いんだ?何が間違っているんだ?・・・わからないよ、、、


「君は頼られない気持ちがわかるの?・・・みんな苦しいのよ。守りたい者に守られるしかないのは辛いのよ。動けないなら動かないで置けばいいじゃない、、、そんなに誰に認めて欲しいのよ!」


「着いてきてくれる皆に決まっているじゃないですか!何がいけないんですか?教えてくださいよ!あんた先生なんだろうが!」


ぱっん!!!


「・・・そんなに下手な叩きかたして痛くないんですか先生?」


「君には『叩くほうも痛い』なんて言ってもわからないわよね?・・・まだ周りを『見ない』のね。」


またその話かよ!見てるだろうが、だから震えたんだ!だから恐かったんだ!それなのに見てないなんて言うな!僕はちゃんと、、、。


先生が僕に抱きついて涙を流す頭を胸に押し付けて、、、ただポタポタと部屋に音がする中で僕も涙が出てきた。心配して貰えたのが嬉しかった。ただそれだけだったのに涙が出てきた。


「・・・みんなね、必死に着いて行こうとしているの、、、君が堺に行っている時も問題なんか出ない様に、、、安心させられる様にって頑張っていたって、もう少しでいいの周りを『見て』!」


「どうしていいかわからないじゃないですか、、、僕だって必死なんです。・・・守りたいのは一緒なんです!」


そのまま崩れるように膝を着くと先生はやさしく抱きしめてくれた。先生の胸に頭を着けて今度は僕が泣いている。


「話をしましょう、、、みんなで話せば良いのよ。君は皆に必要なんだから、、、君も周りを必要とすればいいのよ。簡単じゃない!頼ればいいんだから、、、一人じゃ何も出来ないのは誰でも一緒なんだから。」


「・・・はい、、、先生、僕は、、、」



 優しく包み込まれるような感覚のまま僕はそのまま眠った。起きたら布団に寝ていてもう夜になっていた。誰かに心配されてたのがこんなにも嬉しいと思う反面、そんなに心配されていたのかと恥ずかしくてなんだか皆の前に出たらどんな顔をすればいいのか悩んでしまう。


「目を覚まされましたか?」


千代さんが部屋に入って来ての一言に少々ギクリ!とさせられたが深い意味も有るのだろう考えて答えようとすると


「此度の夫の行動をどうかお許し下さい。・・・夫も反省しています。」


「い。いや、、、良いよ。その、、、色々と目が覚めたしさ。駄目な上司だよね本当に、、、何も知らない、気付かないなんて本当に駄目だな僕は、、、」


「・・・はい。駄目なお方です。」


「厳しいな千代さん!」


「ですが本当の事です。・・・私は何度かあなたの元を去ろうと考えていました。夫は最後まで仕える気で居たのでそれに従っていただけです。」


・・・返す言葉も無い。逆に今までよく仕えてくれた物だよな。


「私は夫が新しい夢を語るまで機会を探していました。」


「夢?一国一城の主でしょう。」


「それも有りました。今の夢は『綾人様に生涯仕える』ですよ。本当に厄介な方なんですから、、、夫は本気です。どうかその夢を壊さないで下さい。何卒お願い申し上げます。」


「・・・こんな僕に着いて来るのかい?苦労するよ。」


「わかっていますよ。あなたは私達の『殿』なのですから。」





 そうして京を目指す織田家は浅井を抑え六角や京周辺を滅ぼして上洛を果たす。将軍家を再興しても一時の平和も訪れはしないのだが、この時ばかりは織田家を上げての大騒ぎになった。その場で信長様が発表されたのは近畿を手に入れる事と浅井、朝倉を滅ぼす事だった。


「しかし朝倉の後ろにはあの上杉がおります。」


「それがどうした上杉など恐るるに足らずじゃ!我らは天下統一を目指すのだ!まさに『天下布武』よ!皆の者励め!!!」


「「「はは!!!」」」


上杉を恐れていない?何かおかしいぞ。周りの話でもこの世界でも上杉、武田は最強と言われるくらいに恐れられている。何で其れを恐れていないんだ?


「秋山!お前は堺に行き南蛮の商館に伝えよ。大砲でも何でも買ってやるとな!」


「御意!」


其れっぽく返事したけどどうするんだよ!先生が本願寺は危険とか言っていたのにそれ以外とも戦をして勝てるのか?それにあの自信はいったい、、、


この時の僕は深くは考えてずにいた事を後悔する。先生が言っていたのに、、、僕等が消えた後にも何人かが消えたと、それがどういう意味を持つのかを、、、





 堺から帰ってきた時にはもう手遅れだったのかもしれない。『桐原浩二キリハラコウジ』日本史の先生と同じクラスだった『井上早苗イノウエサナエ』さんがこの世界に来て織田信長に接触していたの知ったのは赤松家の降伏後に浅井を攻めていた時だった。


まるで当然の様に軍議に参加して来た桐原先生と井上さんを周りが不審に思い問いただしたら、


「我が軍師の桐原と井上だ。文句は許さん!軍議を続けよ。」


この言葉で周りは黙るしかなかった。その後も二人とは会うのだが向こうは此方を家来のように扱ってくる。その態度は他の武将にも同じだった。其処からだろう、、、織田家に亀裂が入って修復不可能になったのは、、、




「桐原と井上、、、厄介ね。」


先生に相談すると考え込んでいた。今まで全くと言って良いほどに表に出てこなかった二人が何故今になって出て来たのかも謎だが、それ以上に先生の悩みは二人の内面の様だ。


「あんまり評判は良くないですね。なんか見下してきますし、、、優斗も同じ意見でしたけど、かなり怒っていましたね。勝家様を侮辱した!とか言って騒いでいましたよ。それも勝家様の部下の連中とですから止めるのに苦労しましたよ。」


猛者共の集まりで中心に居る優斗には止めろよ!と言ってやりたかったが本人があんなに怒っていたら、、、周りもそれに乗るなよ!!!


「二人とも歴史が好きなのよね、、、井上は武将が好きみたいだけど桐原は専門でもあるから問題よ?それに最近の織田家は評判が悪いし、『改革』を急ぎすぎている気がするからかしらね?」


「確かに今は目が回るくらい大変ですね。文官組はもう死にたいとかなんとか言っていましたね。」


二人の主導で南蛮船の購入と開発、それに鉄砲の研究にも金が流れているから織田家には金が無い!収入は多いのにそれ以上に金が出て行くからな、、、


「木下藤吉郎の朝倉攻め、、、歴史とは大分違うわね。それに聞いた話では近代的な軍を編成しようとして揉めている様だし、織田家が終わるのも近いのかしらね。」


大名を辞めて完全な現代の軍を作ろうとしているのが問題だろう。説明もそこそこで国を造ろうと言うのだから、まあ誰も賛成しなかったけどな!


「先生はどう思っているんですか?」


「・・・君がどうしたいのかってのも有るけど、私はねあいつ等に従う気は無いの!だから君にもその積りで居て欲しいのだけど?」


反対派が大半だから其れも良いのかも知れないな。


「構いませんよ。でもこのままで良いんですか?」


「予定は狂ったけど丁度いいわ、あいつ等に色々とやって貰いましょうか。いくらこの世界の宗教でも恐いしね。それから人を集めましょうか。君達のお陰で出世できなかった人達に隠れた逸材なんかが欲しいわね。」


「家も家来は多い方なんですけど?この前も先生が捨て子を拾って来て大変じゃないんですか。」


ニコニコ笑う先生が酷く恐ろしい!この顔は悪い事を考えている時の顔に違いない!


「君は能力者よ?有る物は何でも使わないとね。このまま行けばそうね、、、五年後を目処にしましょうか。」


五年後?・・・・・今は1564年だから1569年に何か有るのか?それにしても凄いスピードでここまで来たよな!僕も19歳になってしまってもう高校も卒業している年齢にいつの間にかなっていたし、先生ももうすぐ


「それと君は結婚しなさい。」


「は?」


「有力者の縁者と結婚しなさい。」


「・・・え?何でですか。」


「折角ここまで出世するまで結婚の話を延ばしてきたけど、もう限界みたいだしね。木下家はどうやら斎藤に止められているけど柴田に丹羽と滝川更に徳川と選り取り見取りよ!」


「い、いや僕はその、あの先生が、、、」


「ああ、私は無理よ結婚しないから。」


ふ、振られた!!!今まで良い感じだったから何時かはって考え出していたのに!!!


「・・・・・・そう、、、ですか。」


「結婚は無理だけど『妾』や『側室』ならいいわよ。」


「はあ、側室ですか、、、そうですね。・・・えっ!えええええ!!!!!なんでなんですか!何でそんな事になるんですか!」


驚きだ!この先生がこんな事を言うなんて!しかもいきなりの2号発現!1号すら居ないのに!


「旦那様、、、違うな?綾人?・・・なんて呼ぼうかしらね。」


「えっと、せん「もう先生は禁止ね。」・・・かわ「少しは空気を読みなさい!」・・・あ、ありす?」


「まあそんな所かしらね『綾人様』」


・・・なんか寒気がしてきた。なんか恐い!・・・僕はとんでもない過ちを犯したんではないだろうか?



更新時間とか何時がいいのかな?

それよりも主人公と先生が、、、苦労するんでしょうね。次回は側室になった先生の話にして一部完!にしたいと思います。

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