3.hamuta
「俺ら付き合ってんだぁ〜〜」
(な、な、なに考えてんだよ。こいつ)
「アホぅ」
ドスッ
あたしは尚の腹に軽くパンチを入れた。
「ってぇな」
あたしはすぐに誤解をとこうとした。
「ちちち違うんだってば!なんか、尚が抱きついてきてさぁ。ねぼけてたみたいだよ」
(裕なら、分かってくれるよね・・・)
「あのさぁ、俺ら一応友達なんだからさ。隠されると超辛い。付き合ってんなら、否定すんな。アイツだって本気みたいだしな」
えぇーーーー。
だから、付き合ってないの!
気づけよ、ばか。
「ま、じゃあな。頑張って」
最悪。
「いてよ・・・。どいてよ!」
あたしは尚を突き飛ばして、走った。もうこれ以上速く走れないくらいに。
「おい!よつば!ちょっと待てよ」
尚の言葉なんて、耳に入らない。まだ間に合う。早く誤解をとかなきゃ。一階をチラッと見てみたら、誰もいなかった。
くつもない。
足、速そうだもんな。てのひらに一滴の水が落ちた。
あたしの涙だった。
× × ×
朝ーー。
なんか、無視されてる気がするのはなぜなんでしょう?
裕と尚、全然話してないし・・・。あたしのせいでこんなんなったゃったわけ?
あっ。そういえば、早く裕に言わなきゃ。
『昨日意味不明だったでしょ。ごめん。うちら付き合ってないから!』
よぉーし、言うぞ。
「裕!昨日・・・意味不・・・メアド教えて!」
何言っちゃったんだよ。あたしはぁ〜。メアドなんて駄目に決まって・・・。
「ん?別にいいけど」
「確認するよー。えっと、hamuta・・ってペットかよ!」
「ハムスター飼ってんだよ」
凄い照れてる。顔、真っ赤。なんか・・・。カワイイかも。