第3話
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これは僕が入管職員になった日のお話
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「はい、海堂 俊一くん。君、今日から入管職員ね?」
え? 何いきなり? 誰この人? 神様っぽいけど……
もしかして異世界転生!?
まじかー! ってことは僕は死んだのか……
ま、平凡な人生だったし? 特に後悔はないっていうか……でも……
「はいはい君脳内でめっちゃ喋るタイプね。ま、いいけど全部聞こえてるからね」
「えっ!? てことはやっぱりあなたは神様?」
「見た目からしても分かると思うけどねー」
なんか適当だな……
「うん、だから心の声丸聞こえだから。」
「あ、すいません……。それで異世界転生ですか?」
「だーかーらー! 入管職員だって! この前の放送聞いてないの!?」
入管職員? 放送? なんのことだ……
なんか怪しく見えてきたな……。 本当に神様か? なんか新手の詐欺とか?
「だから! 神様って言ってんじゃん!」
あ、やっぱ心の声聴かれてるな。
でも入管職員って(笑)
ただの転職斡旋じゃん! 僕は今の市役所勤務で充実してんの!
「うんうん。もうそっちで話してもらってもいいけどね」
「すみません、その入管? 放送? 本当によく分かってなくて」
「あー。君、ちょっと特殊体質なんだった。ごめんごめん」
え? なんか僕、特別なの?
「まー、その話は一旦置いといて、業務委託ってやつだよ」
「は、はぁ……」
特異体質の方が気になるけど
「ほら君、日本人なら分かるでしょ? 転生ブームすぎて神様大忙しなのよ」
「なるほど……。で、具体的には何を? 転生前のスキルあげたりとかそんな感じですか?」
「さすが! よくわかってるね。その他にも色々あるんだけど詳しくは職員規則に載ってるから熟読してね」
職員規則って。
ほんと、公務員みたいだな…………。
「まぁ、公務員っぽいと言えばそうだね」
「ちなみに、これって拒否とか――」
自称神が、両手で大きい×を描く。
そーですよねー…………。
「あ! ちなみにちゃんと、職員のメリットはいっぱいあるからね!」
そりゃそうでしょ。
やってること神様とほぼ同じだもん。
――ってことは、神の力使えたり!
「んー、半分正解かな? 申請無しで使える神パワーもあるけど、何でも使えたらそれこそ世界崩壊だよ」
「まぁ確かに。 それよりなんで僕は選ばれたんですか ?」
「ん? 神的直感!」
勘かよ!
「勘かよ!」
「いや、神様の勘だよ? 的中率100%の予言だからね?」
はぁ…………。
剣と魔法の王道ファンタジーで勇者として魔王と戦いたかったけどなー。
まぁでも平凡な僕にそんなの無理か…………。
ここで働くのが性に合ってるのかな…………。
でも、死んでまで労働なんて――
「あ、ちなみに海堂君死んでないよ」
「死んでないんですか?」
「うん、休日は地球のある世界に帰ってもらってもいいし、職員特権で異世界旅行もできちゃうよ!」
異世界旅行!
てことは、綺麗で可憐なエルフや可愛いケモみみとか
生で見れるの!?
「え、じゃあ例えば異世界のしょ――」
「あーもう! 質問攻めて! 職員規則読んでってば」
――ズドン
目の前に山のような書類フォルダが現れた。
え? これ全部読むの?
「とにかく! 他の世界からの人材集めてるから、みんな仲良くして!――以上! さよなら!」
――消えた。
取り残された、どうしよ。
はぁ……。とりあえず職員規則読むかー。
あ、特異体質のこと聞くの忘れた。




