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「トイレ女」  作者: モップ男
16/64

「トイレ女の信じられない話編2、おいしいカレー」

* 前回以上に

   おもしろくありませんよ。

   ご注意としては、

   変な想像だけは厳禁です。

   はい。



 トイレ女の家のソファーは、

 凄く快適なそうです。

 男は、

 ソファーに腰掛け、

 茶色の冷たいパックのようなものの効果なのか、

 足の痛みが消え、 

 香ばしいニオイがキッチンの方からしてくると、

ほっとするそうです。

 すると、

 トイレ女は

 「辛いのは大丈夫かしら?」

と訊いてくるそうですが、

 ここまでに至る男は薬が効かないくらい腸が

もともと鈍感なせいか、

 見栄かはわかりませんが、

 「はい」

 すべての男が頷くそうです。

 しばらくすると、

 香ばしい香りがして、

 いかにもおいしそうなカレーを二つ持ってくるそうです。

 そして、

 男に

 「どちらがよろしいですか?

 お好みで」

 愛らしい笑顔を浮かべて持ち前の甘い声で

やさしく訊いてくるそうです。

 ひとつは黒みがかって、

 具がほとんど入ってないカレー、

 もう一つは茶色い色で、

 人参等の具が入ったカレーを。

 トイレ女はただおいしそうなカレーライスを見せるだけで、

一切説明をしないそうですが、

 ここで、

 すべての男が、

 具の入ったカレーを選ぶそうです。

 すると、

 トイレ女は、

 「はい、どうぞ」

 にっこりと笑って、

 まず、

 男が選んだ方のカレーライスを渡し、

 それから、

 可愛らしいスプーンを渡すそうです。

 「熱いうちに召し上がって、

 今、お水をお持ちしますから、

 さあ、どうぞ」

 トイレ女はそう言うと、

 もう一つのカレーと共に、

 キッチンへ戻っていくそうです。

 男は、

 香ばしい香りにつられて、

 「いただきます」とか

 「頂戴します」とか

 言って、

 カレーをまず一口だけ食べてみるそうです。

 それが激辛ではあるものの、

 絶品なんだそうです。

 「いけるでしょう」

 男がパクパクとカレーライスを食べ始めると、

 トイレ女が冷たい水が入ったコップを

持ってくるそうです。

 男がコップを受けとろうとすると、

 「じゃあ、カレーの方が私が」

と言って、

 カレーライスの入った皿及びスプーンとコップとを

交換するそうです。

 そして、

 男が水をぐいっと飲むと、

 トイレ女は、

 例の甘い声で、

 「あーんして」

 言うそうです。

 はい。

 あのー。

 男がさっきまで食べていたカレーライスは本物です。

 誤解のないように。

 はい。

 えー、どこまでお話ししましたっけ?

 あー、そうでした。

 「あーんして」

のところからですね。

 そのあとですが、

 男はトイレ女にそう言われると、

 全員が、

 口をパカっと開けるそうです。

 はい。

 そこへ、

 トイレ女がやさしくスプーンを

口に持っていくそうです。

 男はもちろんパクっと。

 後は。

 同じことの繰り返しです。

 トイレ女の手で、

男はカレーを幼児のように食べさせてもらうだけです。

 男は大満足。

 トイレ女も大満足。

 めでたし。めでたし。

 さようなら。

 

 えっ?

 やっぱり、

 つまらない。

 ですから、予めお話したとおりです。

 はい。

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