「トイレ女の信じられない話編2、おいしいカレー」
* 前回以上に
おもしろくありませんよ。
ご注意としては、
変な想像だけは厳禁です。
はい。
トイレ女の家のソファーは、
凄く快適なそうです。
男は、
ソファーに腰掛け、
茶色の冷たいパックのようなものの効果なのか、
足の痛みが消え、
香ばしいニオイがキッチンの方からしてくると、
ほっとするそうです。
すると、
トイレ女は
「辛いのは大丈夫かしら?」
と訊いてくるそうですが、
ここまでに至る男は薬が効かないくらい腸が
もともと鈍感なせいか、
見栄かはわかりませんが、
「はい」
と
すべての男が頷くそうです。
しばらくすると、
香ばしい香りがして、
いかにもおいしそうなカレーを二つ持ってくるそうです。
そして、
男に
「どちらがよろしいですか?
お好みで」
と
愛らしい笑顔を浮かべて持ち前の甘い声で
やさしく訊いてくるそうです。
ひとつは黒みがかって、
具がほとんど入ってないカレー、
もう一つは茶色い色で、
人参等の具が入ったカレーを。
トイレ女はただおいしそうなカレーライスを見せるだけで、
一切説明をしないそうですが、
ここで、
すべての男が、
具の入ったカレーを選ぶそうです。
すると、
トイレ女は、
「はい、どうぞ」
と
にっこりと笑って、
まず、
男が選んだ方のカレーライスを渡し、
それから、
可愛らしいスプーンを渡すそうです。
「熱いうちに召し上がって、
今、お水をお持ちしますから、
さあ、どうぞ」
トイレ女はそう言うと、
もう一つのカレーと共に、
キッチンへ戻っていくそうです。
男は、
香ばしい香りにつられて、
「いただきます」とか
「頂戴します」とか
言って、
カレーをまず一口だけ食べてみるそうです。
それが激辛ではあるものの、
絶品なんだそうです。
「いけるでしょう」
男がパクパクとカレーライスを食べ始めると、
トイレ女が冷たい水が入ったコップを
持ってくるそうです。
男がコップを受けとろうとすると、
「じゃあ、カレーの方が私が」
と言って、
カレーライスの入った皿及びスプーンとコップとを
交換するそうです。
そして、
男が水をぐいっと飲むと、
トイレ女は、
例の甘い声で、
「あーんして」
と
言うそうです。
はい。
あのー。
男がさっきまで食べていたカレーライスは本物です。
誤解のないように。
はい。
えー、どこまでお話ししましたっけ?
あー、そうでした。
「あーんして」
のところからですね。
そのあとですが、
男はトイレ女にそう言われると、
全員が、
口をパカっと開けるそうです。
はい。
そこへ、
トイレ女がやさしくスプーンを
口に持っていくそうです。
男はもちろんパクっと。
後は。
同じことの繰り返しです。
トイレ女の手で、
男はカレーを幼児のように食べさせてもらうだけです。
男は大満足。
トイレ女も大満足。
めでたし。めでたし。
さようなら。
えっ?
やっぱり、
つまらない。
ですから、予めお話したとおりです。
はい。