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殺した男

 殺した男が生き返った。許せなかった。私の完璧な計画に狂いがないと信じていたからだ。その男は、ただ平凡な人生を歩んでいた。小さな会社に勤め、結婚歴がない男。家族はすでに死んでいた。誰にもバレずに殺すことができた・・・はずだった。当然のように昨日殺した男が私の住んでいるマンションの下の階に住んでいた。(どういうことだ?なぜ生きている)と、心の中で思った。殺した男が生き返ったと思った。男がマンションから出てくる直前顔を確認した。

「・・・⁉」

まさしくその男は自分が昨日殺した男だと。すぐに縄と手袋をもってその男の部屋に行った。もう一度殺すために、

「はい」

男はチャイムを鳴らしたらすぐ出てきた。昨日、何もなかったかのように、きょとんとした顔で私の前に現れた。まあ、今からもう一度殺すのだから気にする必要がなかった。

「ああ、あなた昨日会いましたよね。確か坂田さんでしたっけ?」

「えっ・・・⁉」

男は私の名前を言い当て、しかも昨日会ったとも言った。

「いえ、昨日はだれと会っていませんよ?」

男は首をかしげて、「そんなわけありません。昨日クラブで会いましたよね」

私は知らないふりと突き通した。

「なんのことですか。そんなところ言ってませんよ」

「なにいってるんですか、坂田さん。昨日六本木のクラブで会いましたよね。ほら、綾子ちゃんと知り合いだったじゃないですか」

私はその男をにらみ、「そうですね。ええ、行きましたよ。博多さんでしたよね」

まさか、殺した男が、生き返り私の名前も知っているとは。

この場で殺すしかない。

「じゃあ、坂田さん。さようなら」

「ええ、さようなら」

死ね。私は、男の首に縄をかけると。

「ぐっ・・・あ、な、なにを」

私は人生で初めてこんなにも焦ったことはなかった。

「さて、解体するか」

床は血まみれになっていた。四肢は自分の部屋へと持ち帰った。

いい朝だった。昨日とは違い何もない日々。散歩をしようと外に出る。

「おはようございます。坂田さん」

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