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麦酒


ノブハラ「にしまさん、おつかれさまでーす!!♪」




にしま「かんぱーい!!」






 ノブハラとにしまはようやく休日になり調べに調べて見つけた、地元の190円居酒屋で飲んでいました。






 私達が座っているのは畳の小さな席でした。注文した冷ややっこや漬物が既に席には並んでいました。






にしま「ごくごく・・・・・・うまっ・・でも・・・・これ発泡酒だな(笑)」






ノブハラ「くはぁぁああ!!生き返る!!・・・いやもぉ発泡酒でもなんでも飲めたらなんでもいいっすよー♪マジで久々にビール飲みましたぁ!♪」






にしま「ここんとこ最近残業続きだったもんなぁ」






 このお店で飲む発泡酒は美味かったです。




 本当に美味かったです。






 2人で様々な話をしました。仕事の話もそうですが、今実際は二人とも腰かけで今の工場の仕事をやっているという共通点がありました。






 ノブハラもある時期が来るまでの限定でこの工場で働いていると言っていました。






 まぁお互いに思う事は色々あるので、それは仕方がありません。お互いの夢や目標の為に今の仕事を精一杯頑張ろうと誓いました。






 しかし、分かってはいるけどいつかベイジとお別れが来るのかー。これからも一緒に居たいなぁベイジとは・・・・・。しっかし良い奴だなぁ・・・・。そうだ、先日あった話をしよう・・・・。






にしま「そういえば先日な、俺の友人がやってる会社に勤めている男に会ったんだよ。まぁ商売のやり方って色々あるからよく考えたら文句は言えないんだけど、あまりにも酷いやり口だったから堪忍袋の緒が切れたわ。もぉ・・・許せなかった・・・。」






ノブハラ「・・・あーほんとですか・・・・。にしまさんがそこまで言うなんて、相当ですね。」






にしま「最近な・・・治安が悪いじゃん?昼と夜の仕事の間とかにさ、地域のニュースをたまに見る事があるんだけど、強盗とかひったくりとか各地で無数におこってんだよ。金関係の犯罪が多くなってきてる。嫌になってテレビのチャンネル変えるようになってしまったよ。」






ノブハラ「あー・・・そのにしまさんのご友人の会社がここの治安を悪くしてるってことですか?」






にしま「少なからずな。子どもの頃から住んでて、確かに昔からそんなに治安は良くないんだよはっきり言って。・・・でもここまで悪くなってるなんて。」






 ノブハラは少し考えながら、発泡酒を一口飲みました。






ノブハラ「にしまさん・・・それってソウマでしょ?金貸しの」




 え?!




 びっくりして発泡酒を倒してしまいました。




ノブハラ「にしまさん大丈夫ですか?・・酔っとられます??」




 席をおしぼりで拭きながら必死で冷静を保ちます・・・。








にしま「・・・ベイジ知ってんのか?」






ノブハラ「やっぱりですか。そりゃ知ってますよ。この辺でそういう話を聞いたら、もう真っ先に顔が浮かんできますね。あれはねぇ・・ちょっとねぇ・・・」






にしま「そうなんだ・・・。そんなに有名なのか・・・・・。」






ノブハラ「いやもぉその筋では有名なんてもんじゃないですよ。ドンです。ソウマは証拠を残さない上に、警察やお役所ともつながってるんです。実際にギャンブルとかで首が回らなくて御世話になってる者も居るとか聞きますし、ありゃ手が出せないですね。性格もかなり図太いですよ。」






にしま「そうか・・・。やっぱそういうことだったのか・・・。」






ノブハラ「あんまりあの人の話をここでしない方がいいです。誰が聴いているのか分かりませんから。」






にしま「俺にもう少し・・・力があればなぁ・・・・。ああいう輩が・・・居たらもう・・・・。悔しいけど・・・・。仕方ないのかなぁ・・・。」






ノブハラ「いつか・・やり返してやりましょう。」






 どうしようもありません。流れが出来過ぎているのです。仕組みを作り上げてしまっているのでした。






 楽しかった時間もつかの間。飲み会終了の時間になってしまいました。






店員「会計は・・・・・」






にしま(ゴクン・・・・・。)






店員「5130円です。」




 ・・・・・・・・・






 ・・・・・・・・・




 手持ちは5228円・・・・






 たっ・・・足りたぜっ!!!!!








にしま「べ・・・ベイジ、ここは俺が払っておくから。」






ノブハラ「え?!マジっすか?!・・・・・」






にしま「い・・・良いに決まってんだろ♪」






ノブハラ「あ・・・ありがとうございます!!」






にしま「いいってば♪当たり前の事だろ、年上の俺から誘ったんだから♪」






 きたのの部下のソウマから受け取った10000円は使用しませんでした。これはきたのに会った時に叩きつけて返してやろうと思います。






ノブハラ「にしまさん・・・これからは・・・兄貴と呼ばせてください♪」






にしま「兄貴・・・・おう、なんかいいな♪こうなったらなんでもいいぞ♪」






 肩を組んで歌を歌いながら一緒に歩いて帰りました。






にしま「次はさ、二次会は・・・・俺の家で飲もうか。」






ノブハラ「え!?行ってもいいんですか??」






にしま「友達が持ってきてくれたお酒があるから、一緒に飲もうよ。」






ノブハラ「まさか・・・・兄貴の家に行けるなんて最高です♪滅茶苦茶嬉しいですわ♪」






 一瞬ノブハラは少し泣いているように見えましたが、ただ単純にせっかく仲良くなったので是非うちに来て欲しいと思ったのです。






 お金が無くなったので、自分の家で飲もうなど、年上として言う事は出来ませんでした。






 帰路につきます。今日は工場で出来た友人と初めての飲み会・・・・・。






 こんな日がいつもまでもいつまでも続いて欲しいと願っていました。

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