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 黒塗りのレクサスが5台、そしてワンボックスカーが1台停まっている、とある事務所前で揉め事が起きていました。






ノブハラ「頼むから入れてくれって言ってるだろう!!親分の妹の話だぞ!!大事な話があると言ってくれよ!!」






 ノブハラがその事務所前で、ガラの悪そうなジャージ姿の男達と揉めていました。






警備の男「はぁ?!何わけのわからねぇ事を言ってんだてめぇは!!どこの馬の骨かわからねぇ人間を通すわけねぇだろがこの野郎!!」






 男は思い切りノブハラを突き飛ばしました。




 ゴロンゴロン!!・・・・






 大きく転がるノブハラ・・・。






ノブハラ「・・・・ううう・・・・・。」






警備の男「良い度胸してるな、カチコミに来たんかコラ!わかるんだよそういうやつは!!」






ノブハラ「そんなこと・・・・するわけねぇだろ・・・・ハクのお兄さんのとこで・・・そんな・・・。」






 事務所の2階にて・・・・・






 長身で少し髪の長い端整な顔立ちの男性がタバコを吸っていました。






長身の男「・・・一体なんの騒ぎだ?・・・・・・・・。」






監視役の男「事務所の前で・・・深緑のツナギ着たガキが1人で騒いでいますね。」






 防犯カメラを確認している役の男が答えます。ノブハラはハクと分かれてから、この3か月間東奔西走し、ようやくここに辿り着いたようでした。






 ハクの兄の居場所を突き止めたのです。








長身の男「へぇ~・・・・カチコミでもかけに来たんかな。1人で?・・・古いなぁ。・・・・上筋んとこの人間??」






監視役の男「いや・・・私はこのガキは・・・見た事ないですね・・・。仮にカチコミだとしても・・・・一人で来ますかね?」






長身の男「それはわからん・・・ちょっと・・・カメラの音上げろ・・・。」


(・・・さっき・・・一瞬ハク・・と聞こえたな・・・・・。)






・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・






ノブハラ「だからハクのお兄さんに会いに来ただけだって!!ここにいるんだろ?!・・・ほら!!見てみろ!!なんも持ってねぇだろ!!誰が爆弾魔なんだよ!!」




 ノブハラは腰のポケットを裏返しその場で一回転、そして靴と靴下をその場で脱ぎました。






警備の男「だからお前を通す理由がねぇーって言ってんだろうが!!」






強面の男「・・・おいコラ!!誰だてめぇは!!人の事務所の前で騒ぎやがって!!」






 あまりにもノブハラがしつこいので、いよいよ奥からもっと怖そうな男が出てきました。顔に傷があり、いかり肩で凄まじい形相の男でした。






警備の男「トビシマの兄貴すいません、・・・こいつがさっきから親分の妹がどうのこうの言って事務所に入ろうとしてきまして・・・・。」






トビシマ「親父の?・・妹って言ってんのか?・・」






警備の男「はい・・・・。」






 トビシマは首を傾げます。






 チャンスだ・・・・・。こいつ・・・スーツ着てる・・・多分・・・幹部だ・・・・。






ノブハラ「・・・・本当だ。いや・・・お願いします!会わせて下さい!!突然の事で本当に申し訳ないと、そう思っていますが!・・・緊急なんです!!」






 ノブハラはその場で土下座します。




 こうでもしないときっと会わせて貰えません。会ってハクのお兄さんに事情を説明さえすれば自分の役目は終わり・・・・・その場で殺されても仕方がありません。・・・・ただ一言、ハクのお兄さんに、これまであったことを伝えたかったのでした。それが残された自分の役目だとノブハラは信じていました。






トビシマ「・・・妹ね・・・・・」






ノブハラ「親分のお父さんは・・・・殺されたんです・・・。辺見っていう俺の上司も、ダマテの兄貴も、俺の仲間のハネダもアリタもみんな死んだんです。ハイバラ達にやられたんです・・・・。」






 モニター越しに怪訝な顔で聞いている長身の男・・・・。






長身の男「・・・・・・・・・・ハイバラか・・・・・」




 ガタッ・・・・・






監視役の男「・・・親分??・・・・・・・・・・・」






・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・






トビシマ「それで・・・困ってるから助けてくれとでも言う気かこの野郎!!なんでうちがお前の組の尻ぬぐいしねぇといけねぇんだ!!なんの意味がある!?」






ノブハラ「親分の・・・妹は・・・・ハクは・・・・生きてます。」






トビシマ「辺見が死んだからどうしていいか分かんなくて困ってんだろ!!俺が教えちゃるわ!!・・・・お前1人で爆弾でも持ってハイバラんとこ行ってこいや!!それが今のお前の務めだろうが!!」










ノブハラ「い・・・犬死じゃねぇか!!そんなんでハイバラを倒せるわけねぇだろ!!・・・・親分のお父さんがやられたんだぞ!?なんでそんな全く関係ないそぶりを見せるんだ!!それでもあんたハクの兄貴の部下なのかよ!!おやっさんが居たからあんたのとこの親分が産まれたんじゃねぇのかよ!!!」






トビシマ「なんだてめぇこの野郎!!こっちにはこっちの親ってのがあんだよ!!わけわかんねぇ事言ってんじゃねぇぞ!!」






 カツカツカツ・・・・・




 いよいよトビシマがノブハラに詰め寄ります。






 やられる・・・間違いなくやられる・・・・こいつは強い・・・・。






・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・






長身の男「おいトビシマ!!!ちょっと待て!!!・・・・。」






トビシマ「・・・な・・・・・・なんで出て来たんですか・・・・・。」








 階段から長身の男が単独で降りてきました。






長身の男「おいコラ。・・・俺の組には関係なくて俺にだけ用事があるってことが言いたいんだな!!・・・・・そんな屁理屈がどこの世界で通用すると思ってんだこの半端もんがっ!!」






 この恐ろしい目・・・・・。






 ・・・・・・・・・・・・






 静まり返りました・・・・・・。






 その場が一瞬で静まり返りました・・・・。






 ・・・・・・・・・・・・・






 ・・・・・・・・・・・・・






ノブハラ「お・・・・・おやっさん・・・・生きてたんですか・・・・・」






長身の男「はぁ?・・・・何言ってやがる。」








 かなり若いですが、ハクの父にそっくりな人間が目の前に居ました・・・・。激怒した時の目・・・・。全く一緒です・・・・。






 ハクにもどことなく似てる・・・・。色白で・・・スタイルが綺麗で・・・似ています。






 むちゃくちゃカッコいい顔・・・・。






 そっくり・・・・いや・・・少し違うのか・・・・・。何が違う・・・・。






 今にも泣きそうでした・・・・。目の前におやっさんが居ます・・・。






ノブハラ「おやっさん・・・・・・」






長身の男「・・・・・・・・・・・・」






 亡くなったはずのおやっさんが・・・生きている・・・・・。






長身の男「何とか言えコラ!!さっきまでの威勢はどうした!!・・・トビシマ、そのガキ連れてこい!!・・・ドス用意せぇ!!」






トビシマ「は、はいっ!!・・・さぁ来るんだ!!」






 トビシマに思い切り肩を掴まれました。






ノブハラ「・・・・・・」






 探しに探して・・・・ハクのお兄さんにようやく会う事が出来ました。肉親だけあってやはりおやっさんにもハクにも似ています。独特な目もそっくりで・・・・。・・・しかし、どこか違う・・・。






 ハクは女性ですが顔つきがどこか男性的・・・・そしてハクのお兄さんは男性ですが顔つきがどこか女性的・・・。






 その違いだけではありません・・・・・。






 おやっさんが居るのです。急に自分の体に流れる血が騒ぎだします・・・・。なんでしょうこの変な感じは・・・・。鼓動がやみません・・・。




 男の中の男だと思っていたおやっさんと、違う雰囲気のおやっさんが目の前に居ます・・・・・・。






 でもやはり違う、こいつはおやっさんじゃあない!・・・






 俺の仕事は・・・ここで終わりだ・・・。ハク、後は頼むぞ。出来ればこのお兄さんを味方に・・・してくるから・・・・。そうすれば・・・・なんとか・・・・。






 どんな手を使ってでも・・・おやっさんの仇を討とう!!・・・心に決めたもんな!!

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