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本土


 天気予報通り、大雨が降りました。こういう時に当たってしまうんです。






ハク「私達も手で水をかこう!!」






ハネダ「うん!!」






ノブハラ「雨が強すぎる!!・・・くっそ!!もう少しで本土なのに!!」






 大きな波が私達の小さなボートを襲っていました・・・・。






 私達が乗っているボートはあっという間に転覆してしまいました。






ブクブクブクブク・・・・・






・・・・・・・・・・・・






ハク「・・はっ!!・・ぷっ・・あっぷ・・・・ノベタン!!・・・ハネダ!!!・・どこ?!」






 私はなんとか水面に顔を出し、立ち泳ぎ状態になり、2人の名前を叫びます。






ハク「・・く・・・」






 ハクを再び大きな波が襲いました・・・・・・・。






・・・・・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・・・・・










 は・・・・・・






 は・・・・お・・・・・・






 はく・・・・・






 はく!・・・・・・






 ハク!!!!起きろ!!起きてくれ!!






・・・・・・・・・・・・








ノブハラ「・・・・ハク!!・・・しっかりしろ!!」






 ノブハラの大きな声で目が覚めました・・・・。










ハク「おえええ!!ゴホッ!!・・・ゴホッ!!」






 かなり海水を飲んでしまったようで、その場で嘔吐してしまいました・・。






ハク「おえっ・・・ノベタン・・・・・あぁ・・よかった・・・・。」






ノブハラ「目が覚めてよかった・・・・・。なんとかお互い生きてるみたいだな。」






ハク「・・・・ハネダは?・・・・」






 ノブハラは右を向き、顎で遠くをさします。






ハネダ「・・・おぉ・・ハクー!!お前のGREGORYのリュックがあった!!少し遠くに流れ着いてた!!」






ノブハラ「あー・・それでお前向こうに行ってたのか・・。中に何が入っているか知らないけど、海の中に落ちたんだ、中身が駄目になってるかも。」






ハク「だよね・・・・。・・・でももういいのよ、みんな無事だったならそれで・・・・・。」






 ・・・・私は何気にリュックを開けてビックリしました・・・・。






 なんとリュックの中身が二重ビニールに包まれており、完全防水できていたのです。






ハク「・・・・お父ちゃん・・・・。」






ノブハラ「・・・さすがおやっさんだ・・・・・。」






 父が用意してくれたリュックです。






 海を渡る事を予想して防水にしてくれたのでしょう。






ハネダ「良かったなハク・・・。おやっさんが用意してくれたこのリュックはアリタの形見なんだ、アリタも一緒だな。」






ハク「・・・・そうだね!!これはアリタから買って貰った大事な物だからね!!」






 このリュックはアリタが私の誕生日プレゼントで買ってくれた大切な物でした。たまたまその日パチンコで大勝ちしたそうです。負ければ買って貰えなかったかもしれません。というか私の誕生日プレゼントであれば、仕事で稼いだお金で買って貰いたかったのですが・・・・・。これって古い考え方でしょうか・・。






ハク「・・・アリタ・・・・。」






 少し大きいタイプのものですが、アウトドア用のリュックの為、水にも強くかなり丈夫なタイプの物でした。






ノブハラ「・・・これは俺が持ってやるよ。・・・俺が持ってたバッグはどっかいってしまったな・・・・。」




 キョロキョロ辺りを見回す・・・・・






ハク「あら、やけに優しいのね(笑)」






ノブハラ「そうか?(笑)・・・これからはアリタは俺が運ぶ!!」






ハク「じゃあ頼むねノベタン!!」










ハネダ「ハク・・・・・そういえばお前さ・・・・チャカ・・・・どうした??・・・・」






・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・








ハク「あぁ、・・・ボートに乗っていた時に海に捨てたよ!!確かにお父ちゃんの形見ではあったんだけど・・・あれ持って歩いてると、後々マズい事になるでしょ??だからだよ!」






ハネダ「そっか・・・・そうだよな・・・・・。・・・ごめんな嫌な事聞いて。」






 私は父の形見を一つも持たずに本土に来てしまいました。でももう、いいのです。みんな無事なのが一番です。






ノブハラ「・・・なぁみんな。・・・どうする?・・・・・これから・・・・。全然アテが無いぞ・・・・・。」






 難破したもののなんとか本土に上陸し、全員無事だったのは良かったのです。しかし、これから行くアテがありません。親しい心やすい場所に行けば、そこももうハイバラの手中に入っている可能性が高い為行く事が出来なかったのです。それに、私達がそこに行くと・・・どうしても迷惑がかかってしまいます・・・・・。






ハネダ「・・・・アリタの伯母さんのとこ行くか?・・・・ここから結構遠いけど、一度だけ仕事で行ったことがある・・・・。」






ノブハラ「・・・アリタの伯母さんになんて言ったらいい?・・・合わせる顔ないだろ。」






ハク「・・・・・・・」






・・・私は一つだけ、たった一つだけ・・・・・頼りがありました・・・。一つだけ・・・・。








ハク「ノベタン、ハネダ・・・・。私について来てくれない?・・。大丈夫な場所が一つある・・・・。」






ノブハラ・ハネダ「ホントか?・・・・あるのかそんな場所が。」






ハク「うん、多分ね・・・。私の事信じてくれる?・・・・そこなら恐らく・・・・。でも・・・・。」






 遠くから罵声が聞こえました。










コウツ「・・・いたぞ!!あそこだ!!小僧たちだ!!!全員殺せ!!」








3人「・・・!!!!!・・・・・」








 まだハイバラの部下が追ってきます・・・・山を越え、海を越えてもまだハイバラの部下たちは私達を追ってくるのです。








ハク「し・・・しつこすぎるよ!!!・・・」






ノブハラ・ハネダ「・・・おいハク!!行くぞ!絶対に逃げきるぞ!!」






・・・・・・・・・・・・








・・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・・






 もう・・・私達に安息の地などないのかもしれません。




 相手はどこまでもどこまでも追いかけてくるのです・・・・・。






 私を信じてついてきてくれる同僚であり友人2人の為にも、諦めずに絶対あの新しい敵から逃げ切らなくてはいけません。






 父の時代は終わったのです・・・・ここからはダマテが最後の力を振り絞って私に言ってくれた、「私の新しい時代」を始めなくてはいけません。

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