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魔道具の謎をシンキング

予測変換が意味をなさないカタカナの羅列しか話さなくなった!!!!


 指輪とクローシュを見比べる。こうして見ると指輪の方が火力が強い。


 うーん。クローシュとかけまして指輪とときます。


「その心はどちらもなんか能力があるでしょう」


 クローシュの方は確証はないが、おそらく保温効果があるのだろう。指輪は普通にビームだな。異世界風に言うなら攻撃魔法? 最近そんな魔法を撃つアニメを見た。


「まあその続きはもう見れないんだけどね……」


 まあそんなことはいいさ。問題はこの蒼い炎だ。何故今になって見えるようになったのか、そもそも何故燃えているのか。謎はまだまだ残っている。夜はまだ明けない。


 まずは何故燃えているのか、だな……。なんとか規則性を見つけたいものだが、他に燃えているものは……


 辺りを見渡してみる。


 落ち着いた色の――先ほどまでは残念のせいで挙動は落ち着いていなかったが――お洒落なカーテン、これまたお洒落に闇を照らすランプ、反対にただ暗闇を映すだけの鏡、突っ伏して寝る残念、表紙すら読めない本たち…………蒼い炎は見当たらないように見えるが……一つ、不自然な……いや、不自然に自然なものがある。


 

 ベットから立ち上がり、机の上にあったランプを手に取る。思ったとおりだ、炎がついていない。炎がついていないのに燃えているのである。とっても不思議だ。


 これも魔道具だったのね……。


 全方位から穴が開くまで凝視すると、天辺にスイッチのようなものがあることに気づく。押してみると普通に火がついた。赤い灯火だ。


「まあ私には蒼炎と混じって3Dメガネみたいに見えるのだけれど」


 そういえばこれは、この炎は、他人には見えないのかな?


 残念に駆け寄り、ペチペチと頬を叩いてやる。


「ッは!!!」

「おはよう残念」


 さて、実験に付き合ってもらおう。まずはクローシュだ。


「むぐー!」


 とりあえず顔面に押し付けてみた。残念は苦しんだ。


 目の前で揺らしたりしてみたがどれも反応無し。どうやら炎は見えないらしい。


 ふむ。残念が特別だって可能性もあるが……多分私だけに見える炎なのだろう。魔力……的な何かを可視化してるんだな、きっと。

 


〜〜

 


 その後も検証を続けたが、そこまで重要なことはわからなかった。しかしそれは蒼い炎についての話だ。


 なんか眩しいと思ってはいたが確認していなかった空を見ると、月が滅茶苦茶デカかった、いや近かった。私が最初にぶち壊した3つの月である。複数の月は異世界あるあるぅー、ではあるがその近さには普通に腰抜かした。マジで。


 近いのは一つだけで他は……いや、他も十分近いが一つだけ世界終わる?ってくらい近い。しかも太陽の光を反射しているのではなく自分で光っている。恒星って言うんだっけ?


 ちなみにこれまで炎が見えなかったのは月明かりのせいだとわかった。まあこれだけ眩しければわからないものだ。しかし、理解って仕舞えばこっちのもの。慣れてしまいましてもうすっかりこっちのものである。月明かりの下でもはっきりと炎を視認できるようになった。うれしー。


 そしてここで副産物が生じる。副産物というより副作用かなぁ。


 月がもっと眩しくなったのだ。


 そう。どうやらこの月は魔力――魔力的な何かとか言うのももう面倒だし魔力ってことにしよう――で光っているらしいのだ。魔力が見える私にとってこの光は眩しすぎる。さながら吸血鬼だ。


「いや、月光に弱いから吸血鬼の逆で……吐血人?」


 急にスプラッタになってしまった。


 そしてこれによって一つ謎が解明された。とても大きい謎だ!

 

 ゲームなどで寝たら魔力が回復するという仕様、これは体力的な感じかと思っていたが、月から放出される魔力によって回復していたんだ!!


 というところまで考えたところで『あれ?日中でも寝たら回復したりするような?』となってしまった。やーめた。


「ねよう……」


 月は朝が近づくにつれて離れていくらしい。公転周期とか自転とかのなんたらかんたらはどうなってるんだこの世界……。


 兎も角、月はもう遠ざかって辺りは暗くなってきている。朝が近づいてきたんだな。

 

 そういえば、さっきから残念の姿が見当たらない。


 途中まではキメ顔……いやあれは無表情だったのかもしれない、まあそんな顔で私の気を引こうと色々していたのだが……。


 ベットの上で逆立ちしたあたりでもう1発デコピンを食らわせようとしたら怯えきってたなー。まあ私の様子を見て普通に騒ぎ出してたけど。しかしあそこで私は自分の奥底に眠るサディストを発見した。みんなも自分の心の奥に潜むサディストを見つけたら『わあサディストさんげんきかい』と気さくに声をかけてやろう。


 そんな愉快な――料理の味は不快な――残念だったのだが、いつの間にいなくなったんだろう? 寝るにしても挨拶くらいしてってくれればいいのに。まあいい。これから私も寝るのだから。


 ……はぁ、憂鬱だ。知らん言語ってのは結構ストレスが大きい。明日もまたそんな言語を過剰摂取させられるんだ。


 ……その点、残念とは結構気楽にコミュニケーションができた。あいつは動作こそ騒がしいがあれでいて結構無口キャラなのだ。一晩中遊んだし今の所一番の友達と言っても過言ではないだろう。


 ……いや過言だ。あいつとはあまり友達にはなりたくない。……いやいや、友達になって仕舞えば逆に楽しいかも?


「はぁ……明日はどうせアリンドル……じゃなくてリアルーナちゃん……様とかと話すことになるんだろうなー……それも謎の言語で」


 私は考えているうちに眠ってしまった。我ながらとんでもない生活リズムだな、と思いながら。


 こうして異瀬琴波の長い夜は幕を閉じる。さっき開けたカーテンもしっかり閉じて安眠できた。

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