第6話 鋭い幼なじみ
よかろうって、どこの人なの?
もしや都会では流行りとか?
条件は「誰にも話さないこと」なんだ簡単じゃん。
OKだと答えて、彼女と別れ、学校へ向かった。
「おっみんなけっこう来てる」
「太陽ぁ~おはよ~」
「おはよー」
全校生徒10人。
ちなみに小中学校すべて足してである。
各学年にひとりかふたり、兄弟姉妹とかも多く、世帯数でいったら6世帯。学年によってはひとりもおらず欠学年となっている学年もある。
生徒数が少ないということもあって、隣のここより大きな島から先生が週5を二交代制で入れ替わりできたりする他、オンライン上で沖縄本島の中学校で専科教員を補ったりと、いろいろやっている。
ちなみに中学3年はオレともうひとり、安室美紅。
小麦色にこんがり焼かれた肌はどっからどうみても、南国の女の子だ。
来年、オレと一緒に沖縄本島にある高校に通う予定。複数の市町村が共同出資している賃貸施設があって、オレ達みたいな離島の子はそういったところを借りて、高校に通うことになっている。
「太陽、今日ヒマなら釣りに行こう?」
「え~~ッ今日はちょっと」
「なに? 彼女でもできた」
「……」
「え? うそ……」
「なわけないでしょ? この島で彼女なんてできるかよ」
「そう、そうだよね。みんな”きょうだい”みたいなものだからね」
焦る。
口止めされてるの忘れそうだった。
まさか今日だけ彼女、「きょうカノ」ができたなんて言ったら、どんな反応されるか分かったモンじゃない。