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第16話 ホラ吹き(最終話)
「おとー、金魚すくって」
「なんで? 自分でやればいいのに」
「すぐ破れるから、おとーがやってお願い~ッ」
「まったく、しょうがないな……、この『1ポイ100魚ハンター』の伝説を打ち立てた父が、根こそぎすくってやろう」
「はいはい。出たよ、ホラ吹きおとー。そんなことより、頑張れーッ」
父親の尊厳ってなんですか?
しまった。心の中で自問自答してしまった。
みてろよーッ金魚さん、いっぱい掬って……あ、すべて破けた……。
「おとーーーッ」
「ごめーーーんッ」
まあ、冗談はさておき、今日のメインイベントに行こうかな?
「おとー何ここ?」
「あー、昴は、初めて来たんだよね。ここはね……」
秘祭を取り仕切っている洞窟で、父親から習った話を不思議そうに見上げる息子に説明する。
「ふーん、そのマぺって神様はホントにいるの?」
「うん、いるよ。一日だけ彼女だった」
「出たよ、ホラ吹きおとー。いい加減にしないと、美紅おかーに密告るよ?」
まあそうなるわな……。
でもな昴、これだけはホントだったりする。
─おしまい─




