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Runner

作者: 青中 麗

俺は旧友二人NとTに誘われ久しぶりに旭川で飲むことになった。地元民でもないが、なぜか1次会、2次会は俺がセットした。昔話に花が咲き楽しいひと時を過ごした。

 3次会はNの知ってる店で、入り口には看板もない会員制の小洒落たバーだった。緑色の冷製スープはほんのり甘くワインによくあった。静かに流れるジャズを聞きながらワインがすすんだ。

 何気なく時計を見た俺は目を疑った。時計は21時50分をさしていた。最終列車は22時ちょうど発だ。10分しかない。

 「俺、帰るわ」挨拶もそこそこに俺は店を出た。ギリギリだ。俺は走り始めた。なぜかサンプラザ中野くんの「Runner」を口ずさみながら。

 発車一分前に駅にたどり着いた。その時気づいた。ビール買ってない。ビールのない列車の旅なんて歯のない俺みたいだ。俺はコンビニに飛び込み「成人ですか」の問いに迷わずYESのボタンを押してビールを買った。発車を知らせるベルがけたたましくなっている。

 俺はエスカレーターを駆け足で登った。なり続けていたベルが鳴りやんだ。駄目か。その時列車が囁いた。

 

「お・乗・り」

 

 間一髪セーフだった。1分遅れで列車は発車した。汗だくの俺は汗を拭った。その時、また列車が囁いた。

 

「お・飲・み」

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