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そろそろ変化を求めなければいけない時期なのだと思う。来年には就職活動がある。ガクチカだかなんだか知らないが、何にも力を入れていない。俺には誇れるものがない。資格でも何か取ろうかと思う。資格の欄が空白なのはよくない。そろばんを書くわけにもいかんだろ。資格だけで誇れるほど甘くはないのも理解している。
研究は別に嫌いではない。強制されてもいないしいい付き合いが出来ていると自負している。企業との共同研究である程度成果が要求されるのは気に食わないが。気に食わないと言えば教授はあまり好きではない。悪い人ではないのも感じる。だがどうしても学術的なのだ。俺は大学も院も就職予備校としてしか見ていない。この辺の感性が意見の食い違いを生む。いや俺は口には出さない。思想の食い違いという奴にとどまっている。
俺は変化を求める時期なのであると語った。またも周りに理由を求めている。就職があるからと言い訳をして。こんな自分は変えねばならない。そのために一つ決意をした。なろう小説を書くのだ。女主人公で何も考えなくていいようなそんな小説を書きたいのだ。
小説を書いたからって有名になれるわけでもない。就職に有利になるわけでもない。ただ変化を求めて書いてみたいとそう感じた。この文は自分が逃げられないようにするための枷である。お為ごかしなだけである。誰かに見られなくてもいい。研究や就活で時間が取れないかもしれない。けれど後から見て鬱になれるようなそんなものを残してみたい。それだけ。
今からすべてを考えるから時間がかかると思う。
この春分の日に枷をはめる。