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独白  作者: 斜に構えたい
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 これはただ俺が感じたことについて何となく述べるだけの場所。特に面白みもないし何か楽しいことがあるわけでもない。けれど不特定多数が見ることが出来る場所に公開することでつかの間の安心感を得ているだけ。






 



 俺は勉強には自信があった。高校では学年でずっと、いやほぼ大半二番の成績をとれていた。受験勉強と呼ばれるもの、とりわけ与えられた問題を解くことだけは得意だった。大学に入ってもそれは変わらない。良い成績をとることは得意だった。レポートでも試験でも、ディスカッションでもなんだかんだ成績は良い。


 けれど友達がいない。何か打ち込めることも熱中していることもなかった。いや今もない。ただただ高二病を引きずっているだけだ。俺は普通にオタクである。起こりは中学のころ深夜アニメにハマったというよくあるものだ。ライトノベルも嗜み、アニメイトにも通い、クラスメイトには布教もし、小学生は最高だぜと叫んだ。オタクという存在がステータスだと勘違いし自分にレッテルを張った。ライトノベル、深夜アニメは高校生が主人公であることが多い。多感な時期であるから、思春期であるから、関係性を構築しやすいから。だから俺もラノベの主人公のようにとはいかずともモブにはなれるのだと信じていた。とんだ思い上がりだ。


 俺はオタクのまま高校に入学した。中高一貫の学校であったから周りのメンツは相も変わらず日常のままだった。勘違いしてほしくないのだが学校は共学だ。中高一貫男子校の陰キャ芋オタク君とは違うのだ。席の近い女子とは挨拶もするし、たわいもない雑談もする。することが出来てはいたのだ。文化祭も修学旅行も楽しむことが出来たのだ。しかしこれも思い上がりであった。


 けれどもオタクのままであったのだ。一度張ったレッテルはそう簡単には変わりはしない。まあオタクなのは事実ではあった。ラノベもアニメもソシャゲもたいていの流行っているものは確認はしていた。周りとのオタク談議について行けるようにしていた。


 そんな自分が俺は嫌いだった。なぜなら高二になったから。オタクとしての自分に酔えなくなっていたから。ラノベやグッズに金をかけるのも馬鹿らしくなった。そこでハマったのが小説家になろうだ。異世界でチートで無双しハーレムを作るテンプレートのような作品。高二病になっていないじゃないかとそう思うかもしれない。しかしそれが俺の現実逃避だった。自傷行為なのかもしれない。そのときはそれが幸せだったのだ。唯一熱中できてしまったのだから仕方がないのだ。


 今俺は理系大学四年の終わり、来月から大学院の進学という時期を迎えている。大学のエピソードはないのかって? ない。 コロナが直撃したせいだ。サークル活動も登校しての授業も、友達と会うこともなくなった。すべてコロナのせいである。コロナのせいにしたかった。


 俺は問題を解くのが得意だ。与えられたものについては。自分から模索すること、求めることをしなかった。そうする必要がなかったからだ。いやこれも強がりだろう。


 友達もいないわけじゃない。そういないわけじゃないんだ。高校同期とはゲームもするし大学同期とは飲みにも行く、たまには。バイトもしているし、研究室もブラックじゃない。


 空虚である。自身から求めることをしなかった末路であることは理解している。こんな人間がごまんといるのも理解している。それでも何か空虚さを感じる。


 俺には何もないのだと。ラノベのモブにもなれず転生することも出来ず浪費する毎日。誰しもが経験したことのあるものだとも思う。けれど思春期と高二病を今の今まで引きずっている。ただそれだけなのだ。














 

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