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自分を知りたい月陽まに  作者: 月陽まに
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ひみつその2 アニメの趣味がちょっと男の子っぽい?

深夜、エアコンの無いパソコン部屋で扇風機の出す強風を浴びながら画面に向かう私。

何をしているかというと今まさに2話のかき出しでぴたりと手が止まっている。

「・・・はぁー」

何からかき出そうかなって考えて1話の振り返りでも書こうかなと思い立ち、この間の事を思い出して大きなため息をついた。

サーモンは美味しかった。

とても美味しかった。

多分レモンキャンディーより好き。

「でもなぁ・・・」

またもう一つため息をつきながらあの時の涙と一緒に溢れてきた感情の大波を思い出す。

普段あんなにきれいな海が雨が降り風が吹くだけで大しけになるような変化。

胸を締め付けるような、沸きあがるような、嬉しさと不快感がごちゃごちゃになって私の中からこぼれていった。

嫌いだから避けていたんじゃない。

好きだけど、それがいけない事だとどこかでブレーキをかけていた。

きっと私がそうだったように、過去の私もきっと二度と食べまいと誓ったんだと思う。

と、そんなことを思い出しながら書いた第1話だったわけですが、書き終えた後にちょっと恥ずかしくなったりしてる私なのです。


どうもお月様の月に太陽の陽でつきひ、月陽まにです!


そういえば前回投稿した1話を飼い主にも読まれたんだけど、

「まには『お魚さん』を食材として見ていないんだ。知り合いに魚でもいるんじゃない?」

なんか封〇演義のハンバーグ回みたいだと、まるで探偵にでもなったかのように語っていた。

その例えにははてなが浮かぶけど、まぁ飼い主の事だからロクなことは考えてないだろう。

ちなみにその飼い主は今私のお尻の下で椅子になっています。

探偵っぽく語ったその言葉が、何か核心をついているような気がしなくもなくて、

でも全然心当たりも無くて。

心の中がグルグルとなってしまったので罰ゲーム中なのです。

まぁ、理由はもう一つ・・・

「で、吐く気になった?」

四つん這いの姿勢で私の椅子になっている飼い主に目線を送る。

はじめてからまだ5分しか経ってないにもかかわらず腕が震え始めていてちょっと面白い。

いやいや、私は怒っているのです。


まにちゃんの秘密その2

アニメの趣味がちょっと男の子っぽい?

グレンラガン大好き。仮面ライダーも好き。


あれから数日後またしても投稿された謎のツイート。

いや、今回は謎じゃない。

何故ならばこれは私も知っていることだし、なんならもう一人知ってる奴がいる。

そうこの椅子・・・飼い主である。

というか飼い主のアニメの趣味がそのまま感染しただけなのです。

グレンラガンだって飼い主がバカみたいにリピート再生するからだし、仮面ライダーもカッコイイから仕方ない。

他に好きなアニメ?

うーん・・・

あ、スマイルプリキュア!女の子っぽいでしょ!

え?男性にも大人気?

えーと、モルカー!可愛かったー!

え?あれは人類共通?マジで?

えっとえっと、ハイキュー!女の子に人気でしょっ?

・・・少年ジャンプの王道スポーツ漫画?

アイカツは見てないの?プリチャンは?

・・・アー見た見た!見たわー。えっと確かー・・・あれどっちがアイカツでプリチャンだっけ?

なんかあんまり興味沸かなくて・・・

えっもしかして私の女子力低すぎ?

ま、まぁとにかくその辺は置いといて、重要なのはアニメの趣味に関しては飼い主も承知していること。

そして、前回と違い飾りっ気のないツイート。

まず間違いなく飼い主による演技ツイートだろう。

という訳で2つの理由から椅子となってもらっている。

白状するまで続けてやろうと思っているわけです。

「で、なんでこんなことしたのかな?」

問いかけに対して知らない知らないと絶叫する飼い主。

即答するそのねじ曲がった根性にムカついて思いっきりおしりをひっぱたく。

肉が詰まってるおかげかぺちーんと甲高いいい音が鳴る。

飼い主は一言はぁん、と鳴くとまた黙ってプルプルしてる。

・・・え、キモっ。

ぞわっと悪寒が走って椅子から飛び降りる。

「えーヘンタイが過ぎるー。キモーい」

自分が汚れたような気がしてパンパンとホコリを落とすようにおしりを払う。

飼い主はたかだか10分にも満たない人間椅子に疲れたのか、解放されたとたんに狭い床に大の字に倒れている。

腰が、腰がしんどいと、ガチで苦しんでいていい気味だなーなんて思いながら見下ろしていると、ようやく息を整えて飼い主がしゃべりだす。

「というかあれはお前が書いたもんだと俺は思ってたよ」

とほざく。

アニメの趣味はお前が一番よく知ってるだろ、と。

「・・・」

まぁ、確かに。

自分でもちょっと男の子っぽいなとは思っていた。

ちょっとしたコンプレックスだったから意識しないようにしていたけど。

というか、と前置きをして飼い主が言う。

「朝飯食って即寝たかと思ったらツイートしてたから珍しく起きてたのかってびっくりしたんだよ」

ツイートの時刻を確認すると8時19分。

飼い主が仕事に出かけて徹夜明けの私は寝る時間。

というか寝ていた。

それを伝えると飼い主はさらに怪訝な顔をする。

いやいやいや、と私に操作したスマホを突き出す。

画面を見るとツイッターのダイレクトメッセージが表示されていた。

『起きてんなら皿洗っといて』

『わかりました』

・・・知らん知らん知らん知らん。

え、ナニコレ。私?

私が飼い主に丁寧に返事してる?

飼い主と顔を見合わせる。多分同じ表情で同じ考え。

「誰?コレ」

普通に考えて怖すぎるでしょ。

さっきまでの飼い主への悪寒が別の悪寒で塗り替えれていく。

「ちなみに皿洗いは・・・」

恐る恐る飼い主に問う。

飼い主はこくんと首を縦に振るだけだった。

つまり、私が寝ている間に誰かが私のツイッターアカウントを乗っ取っているだけでなく、自宅で行動をしているということ。

いや、もしかするとスマホを直接操作している可能性もある。

当たり前だけど飼い主はちゃんとドアに鍵をかけて仕事に出かけるからピッキングでもされない限りドロボーさんは入れない。

というか流石に赤の他人が入ってくれば気付く・・・はず。

えーやだーホラーは苦手ー。

ムリ中のムリ。

いや、でもおかしいでしょ、と飼い主が言う。

悶絶する私をよそに続ける。

「マニに気づかれずにスマホをいじって家事だけして帰る不審者ってなにさ」

「いや・・・いやー!もうこの話題終わり!皿洗いの妖精さん!はいケッテー!終わり!もうムリー!はい!明日も仕事でしょ!さっさとねなさーい!寝ろー!私も寝るー!はい寝たー!」

もう恐怖が降り切れて駄目だった。ホラーな展開に冷静に受け答えできるほど私に大勢は無いのです。

そんな感じでその日は気絶するように眠ったのでした。


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