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穏やかな幸せ
「お父さん?お母さん?」
襖の奥から聞こえてきた娘の声で、ユキコとシンスケは我に返った。
お互いの顔を見つめ合って、微笑む。
「マコ。もう少し二人っきりにしてくれないか。居間も適当に片付けとくから」
「適当って、いいよ。わかった」
娘の声はそれっきり聞こえなくなり、ポメラの曲が静かに流れていた。
「やっぱりいい曲ね」
「そうだな」
シンスケは妻の言葉に頷いた後、再度ユキコを抱きしめた。
「俺にとって、今はユキコが一番大事だ」
「……ありがとう」
「お礼だけか?お前にとって一番は」
「あなたに決まっているでしょう?」
ユキコはそう答え、背伸びをすると夫の頬に口付けた。
そんな妻の優しい口付けに、シンスケはとびっきりのお返しをする。
「ユキコ、愛してる」
「うん。私もよ」
失恋した二人は新たな恋を始め、それは愛へと変わる。
二人は夢に描いた家庭を築き、幸せを享受していた。
END




