表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

第2話 転移した!んだけど

第3章。妖精契約の日


 私の名は、カオ・ルー。ガルスという街の孤児院に居住している。

今日は初等学校卒業前の妖精との契約日で、今その最中。

光る巨大な城のような中の、上下左右の感覚すら消えた白い世界。


4色の数多くの光球が飛び回っていた。


赤色は火のエレメントに属する妖精・青色は水のエレメントに属する妖精・

緑色は風のエレメントに属する妖精・黄色は土のエレメントに属する妖精・


けど、どの光球も、私の近くに寄ってこなかったし、

当然契約成就がならないので、

私は、あせっていた。


白い世界が揺らぎだし、残りの時間もあまりないようだし、()()らしきところで

逃げ遅れた感のある紫色の光球を、むんずと踏みつけ、


『汝・妖精よ、我を通して力を得る事を認める。かわりに、我が力を欲する時、

制限なく奉仕せよ。』


と、聖呪を唱えたら、凄まじい衝撃が、・・・・・・・。


☆☆☆☆


≪もし も~し、カオ・ルーさん、私は伊邪那カオル。ちょっと、答えなさいよ。

彼女の記憶はあるけど、彼女の意思?魂?はどこ、ひょっとして失敗。

もしかして、私が追い出しちゃったの。わ~これから、どうしろというのよ。≫


☆☆☆☆


妖精契約の場でパニックたけど。

もう私が、カオ・ルーとして生きるしかないわね。


契約の場を脱出して、覚悟を決めて【アピ・ラス】の世界に踏み出す。

私に、妖精契約の門の守護の騎士がひとりが話かける。


「遅かったな、君で最後だ。早く妖精契約の可否を図る精密機械の元へ進め。」


前回、アマトという影の薄い先輩が、正統な契約に失敗して、

道端で妖精を拾って、契約したって話ね。π(パイ)から流された小説の中にもあるわ。

そいつが、極めてヤバイ奴、≪暗黒の妖精ラティスさま≫だったから、

今回からは、即時鑑定になってしまったというわけか。


そう、ヤバイ妖精との契約だったら、即、隔離をしてしまえという事かしら。

火あぶりにしようとしたら、自分達が焼かれる方になっちゃたら、

皆嫌だろうからね。


ま、今回から失敗したら火あぶりっていうのは、無くなったので、まあ、楽勝ね。


・・・・・・


「級外枠下妖精だ。」


え、何言ってるの、このおっさんは。紫の光球よ。()()の色よ。()の世界では!


「聞こえなかったか、級外枠下妖精だ。」


「ショックだったのはわかる。だが、お嬢ちゃん

⦅生きてりゃいい事もあるさ⦆。」


なに、そのモブ道の究極奥義のような言葉は。私は今、いい事が欲しいの!


・・・・・・・・


仕方なく、孤児院に帰ってきたけど、姉御シスターに、


「聞きましたよ、カオ・ルー。枠下妖精との契約だったそうね。

昔から、鈍くさい子供だったけど、初級妖精との契約もできなかっとは。

紫色の光球でも捕まえたんですか!?」


あんたはエスパーか、と言いたいけど単語自体が通じないだろうから、

沈黙を守る。


なんて賢いのかしら、私。


「カオ・ルー。このような事になった以上、ガルスの街はおろか、

公都ノープルでも職探しは無理です。」


「だけど、大乱で荒廃した帝都ならひょっとしたら、

職があるかもしれません。」


「残念だけど、明日からはあなたの食事も寝所も用意できません。

あなたも、孤児院の仕組みは知っていますよね。」


わかってますよ。ある年齢に達したら、自力で生きていかなくてはならないのは。

それでも、今のレオヤヌス大公陛下即位以前だと、初等学校にもいけずに、

自分の食い扶持を稼がなければならなかったのよね。


ま、前の世界みたいにニートはできないのね。

働かざるもの食うべからず真理だわ。


これが、〇〇令嬢だったら、実家の力なり、彼氏さんの力なりで、

フラグが立つ日まで、食う・寝る・恋愛するは、何とかなっていたんだろうけど。


「カオ・ルー、聞いていますか?帝都への定期鉄馬車は、月2度しかないので、

明日の早朝の便で、帝都に立ちなさい。」


「どうせ、ボッチだったあなたには、別れを惜しむ相手もいないでしょう。」


ごもっとも。え、同じ立場だった、カレー・ルーは中級妖精と契約したんですか、

費用公国持ちで、ノープルの高等学院へ改めて進学ね。やはり、名前どおり

美味しいところを()()()いくわね。


私も妖精契約が上手くいけば・・・。どこからともなく、メテオ(隕石)マーチ(行進曲)が聞こえてきそう。あぶない、あぶない・・・。


第4章。ガルスの駅にて


 朝早くから、鉄馬車の駅にきている。


姉御シスターは旅行ギルドに話を通しておいたと言ったけど。

(キノコ)・クラスとは何よ、鉄馬車の最低切符は、梅・クラスじゃなかったの。


『 松・クラス・・・鉄馬車内乗車、車内泊、食事・警備あり。

  竹・クラス・・・鉄馬車内乗車、屋根付き荷車泊、食事・警備あり。

  梅・クラス・・・屋根付き荷車に乗車、車外泊、食事・警備あり。

  (キノコ)・クラス・・・荷車に乗車、適当に泊、食事・警備あるわけないしょ。』


警護の冒険者に言われたわ。


「お嬢ちゃん、オレも長い間、この職をやっていたけど、(キノコ)・クラスの客は

初めてだな。」


「だが、悪い事ばかりではないぜ。魔獣とか、盗賊とかでたら、一番に逃がして

やるからな。」


それって、餌代わりに、一番に隊列から放り出されると言う事じゃなくて。


「そうとも言うな。ま、それが、(キノコ)・クラスのお約束ってやつだ。

ハハハ・・・。」


もう、何とでも言いなさいよ。


「いや、いや、魔獣や盗賊に出くわすのは10回に1回ぐらいだし。」


前回はいつよ?


「そう言えば、ここ9回ぐらいはなかったな。」


ならもろ今回は、そろそろ危ないと言う事じゃないの!?


「そうかもな。ま、お嬢ちゃん⦅生きてりゃいい事もあるって⦆。」


もう、その究極奥義は、いらないわよ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ