♤「今ここで お前の罪を 問い質す」♡「ああひどい どうしてわたし こんな目に」
♤「茶会にて 仲間外れの ルイズ嬢」
♤「知人から お前の指示と 聞いている」
♡「違います テストに落ちた だけですわ」
♤「意地張らず サロンの中に 入れてやれ」
♡「嫌ですわ 彼女と会話 できません」
♡「話すたび 頭痛がします 恐ろしい」
♤「どうしてだ 何故そこまでに 毛嫌いを?」
♡「あら不思議 噂をすれば 影ですね」
♡「丁度いい 直接どうぞ お尋ねを」
♤「ルイズ嬢 初めて会うな ちとよいか?」
♤「尋ねたい イザベラに何故 嫌われた?」
♧「えええええ えええええっと わかりません」
♤「…俺はただ 真面目に聞いて いるのだが」
♧「私もお 真面目でえええ すうううう」
♤「…確かにな これでは話 成り立たぬ」
♤「イザベラの 言う通りだな 悪かった」
♧「ひどいです ううううううう ううううう」
♡「そうでしょう 理解下さり 嬉しいわ」
♡「流暢に 話せなければ サロンへの」
♡「出席の 許可を得ること 出来ません」
♧「だってええ 難しいです ううううう」
♧「五七五で 話すなんてえ えええええ」
♤「根気よく 練習すれば すぐ慣れる」
♧「そんなのお 面倒くさい ですううう」
♡「行きましょう 頭が変に なりますわ」
♤「確かにな 真面目に稽古 するのだぞ」
♧「待ってええ 下さいいいい いいいいい」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
♤「すまないな 君を疑い 責めたこと」
♡「謝って 済むなら警吏 いりません」
♡「傷ついた 心どうして くれますか?」
♤「出来るだけ どんな望みも 叶えよう」
♡「そうですか 男に二言 ないですね」
♤「大切な お前を癒す ためならば」
♡「…婚約を 破棄してくれと 頼んでも?」
♤「許さんぞ! そんな願いは! 断固拒否!!!」
♡「冗談を 言っただけです 戯れに」
♤「…止めてくれ 二度とつくなよ そんな嘘」
(♡仕返しに からかってみた だけなのに)
(♡真剣な 視線に射られ 蕩けそう…)
♡「…そうですね もうしませんわ こんなこと」
(♤いたずらと 分かっていたが この心)
(♤張り裂けて 千切れるほどに 辛かった)
♤「願い事 お手柔らかに 言ってくれ」
♡「それならば 褒めて下さい 私を」
(♤心では いつも称えて いるのだが)
(♤実際に 口にするのは 難しい…)
(♤…だがしかし 愛する者の 頼みなら)
♤「…赤い眼は ルビーも妬む 美しさ」
♤「澄んだ声 甘く響いて 聞き惚れる」
♤「ブロンドの なびく輝き 陽も翳る」
♤「優しさと 愛司る 我が女神」
(♤悪くない 素直に告げる 心地よさ)
♡「あああああ ああううううう ううううう」
♤「何事だ!? ルイズ嬢かと 思ったぞ?」
♡「…その辺で 止めて下さい …恥ずか死ぬ」
(♡自らの 軽率加減 呪います)
(♡心臓が 暴れて爆ぜて しまいそう)
(♡嬉しさが 死因だなんて 困ります)
(♡やられたら やり返すのが 我が流儀)
♡「…お返しに 私も褒めて あげますわ」
♤「俺はただ 詫びに願いを 聞いただけ」
♡「深き蒼 瞳の海に 飲まれそう」
♡「バリトンの 甘い音色に 酔わされて」
♡「その笑みで 薔薇色に染む 我が心」
♡「軍神も たじろぐほどの 勇ましさ」
(♡何よりも 照れるお姿 愛らしい)
♤「ううあああ ああうううああ あああああ」
♡「アラン様 お顔が赤い ようですが?」
♡「この続き 百や二百は 言えますよ」
♤「もう駄目だ! 降参しよう 俺の負け…」
♡「楽しくて 心の痛み 消えました」
♤「良かったな 俺は動悸が 治まらぬ」
♡「いつまでも こうしていたい ものですわ」
♤「勿論だ 死ぬまでずっと 離さない」
絡み合う 二人の視線 時、止まる
♤「・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・」
♡「・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
♤「…ルイズ嬢 あそこまでとは 驚いた」
♡「…平民の 癖が抜けない ようですわ」
♤「庶民でも 大人になれば 慣れるだろ?」
♡「可愛さが 仇に繋がる 甘え癖」
♡「甘やかし 程度過ぎれば ネグレクト」
♤「なるほどな 天は二物を 与えずか」
♤「だがしかし 民を助くも 我が務め」
♡「お気持ちを 受け取るだけに いたします」
♡「私が 責任もって 教えます」
♡「篭絡を される危険も ありますし」
♤「侮るな 心一筋 揺らがない」
♡「喉元を 過ぎれば熱さ お忘れで?」
♤「・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・」
♡「大丈夫 スパルタ式は 得意です」
♤「虐めたと 嫌な噂を されるかも」
♡「疑って 欲しくないのは あなただけ」
♤「過ちは 繰り返さない ためのもの」
♤「信じるさ 命を賭けて 誓うとも」
絡み合う (以下省略)の 睦み合い
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
♡「…そもそもの 素朴な疑問 なのですが…」
♡「…神はなぜ 五七五縛り したのです?」
♤「分からんが ただの戯れ なのだろう…」
♤「古の 塔の神話に ある通り」
♤「王族に 伝わる歴史 確かなら…」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その昔 人は神の座 狙わんと
集まりて 築かんとする 高き塔
それを見た 神は悩みて 思案顔
異世界で 塔を壊した 神もいる
罰として 言の葉分けて 違えたと
我思う それはさすがに やりすぎだ
人は皆 愚かでかわいい 我が子ゆえ
傷つけず 苦しまぬ道 選びたい
どうすれば 彼らの歩み 止められる
熟考を 重ね続けて 閃いた
…よし決めた! 五七五縛り! それがいい!
それ以来 五七五縛り 与えられ
人は皆 俳人歌人に なりにけり