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異世界ギルド設立記  作者: ゆう
ギルト設立に向けて
6/12

鍛錬の時

マネージメント


業務を進めるにあたり、経済性やリスクなどを考慮し、資源を適切に配分すること


※※※

「カトさんは辞めるつもりはあるんですか?」


巨乳の受付嬢がカードを見ながら、今日も俺に問う。美人のドワーフであるだけにその威圧感はすごい。


「正直、男としての誇りを失い、協会員としては見苦しい。死してでも戦う気概がないなんて、最近の若者はっ!」

「遮ってスミマセン。ソロでは正直、生きていけないからですが、申し訳ないですね。」


俺は資源を換金し、協会の外に出た。

協会の酒場では様々な人類種に蔑まれた。

曰く、骸拾いは誇りを捨て死を望まれるものになった。

曰く、草食系は肉食となり、背徳者となった。


かつては生活の支えであった草花果実は買ってくれる人がいなくなり、そのほとんどを協会で買い取ってもらう。

いつもの食堂もついには出入り禁止となり、俺は街でもグリーンの花びらを食べながら鍛錬する。


「やはりこれまでの三年を後悔する。せめてこうやって鍛錬していれば、救えた命がもっとあったはずだ。」


影兎のオトに負荷をかけてもらい筋トレをしながら、一人つぶやく。

※※※


鍛錬はフィニッシャーの能力を高めることを重視している。筋トレ後は袈裟斬りをひたすら続ける。自然に落ちるように何度も何度も繰り返す。


さらにはオトの攻撃を手楯でいなす訓練を行う。

オトのフェイントに惑わされないように実を見るという。

兎系獣人に伝わっている技能育成方法だ。

最後はダンジョンで実戦する。モンスターを袈裟斬りで討伐するためだ。

といってもアイアンモンキーの群れを逃げながら誘導し、十匹以下となったところで兎系獣人メイドのサーに始末してもらい、最後の一匹もオトに弱らせてもらったうえで、やっと出番となるくらいにリスクを管理しながらの実践である。


上手く行けばアイアンモンキーの落とす宝石により、月一程度は花街に行けそうな額の余裕が出来る。

ただし、オトの警戒網を超えることが難しい。オトがどうやって意思疎通しているのかわからないが、街に住むサー(ババア)と連携して、その時は常に包囲してくる。


「カトよ、エスカ様の命によりこれ以上は許可しません!最初は虚を突かれ、不覚をとりましたが、次はないと覚悟ください。」


メイドの怒りの攻撃もあり、このときばかりは気絶するまでボコられて、気がつくと、屋敷の部屋で目覚める。大量のグリーンの花びらや武具に遊ぶ金が変わっている。このときの絶望も鍛錬であるとサー(化け物)はいう。


こうして半年の時間を自己研鑽にあてながら、俺はエスカの帰りを待つ。



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