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異世界ギルド設立記  作者: ゆう
プロローグ
5/12

新しき世界

まずは自分が変わる。

すると相手が変わる。

そうやって変化は伝搬していく。


※※※

俺達はサンドスネークから素材を回収することをあきらめ、深層のスライムから黒の空岩石のみを回収すると、近くの部屋に入った。


「ここなら入り口は1つだからモンスターが来てもすぐに対応できるだろう。そしてこれを食え。」

「オレンジ草ですね。有難いです。これで魔力が回復出来ますね。一応ナイトアントを歩哨に立たせます。

そして私はエスカです。」


俺はグリーンの花びらを食べ、エスカはコンコヒーを食べながら、俺達はエスカの状況やその目的、神の教えに対する今後の対応、俺が転生者であり、鑑定スキルとエンサイクロペディアというデバイスのことを話しあった。


「すると、カトはこの世界の人類種と異なり、パートナーがいないと、ダンジョンを満足に探索できないということですね。」

「ああ、だがここでエスカとの出会いでそれも変えることが出来る。そして、俺はギルドを作ろうと思っている。」

「ギルドとは先ほど言った協会のようなものですね。確かにこの世界には神の教えもあり、ギルドのような組織はありません。しかし、カトは何を目的に神の教えに逆らい、ダンジョンを探索するのですか?」

「目的はない。あえて言うならギルドを設立することが目的であり、生きていくことが目的だ。この世界は理不尽で残酷すぎる。したがって、基本的にはエスカの夢のサポートが当面の行動目標になる。」

「はっきり言って有難いことです。私の技術は支援系特化であるため、ソロでのダンジョン探索に限界を感じていたことも事実です。」

「先ほども言ったが、鑑定スキルで得られた情報からの考察では、複数人でパーティーを組んだ場合、エンカウントの際に相手もパートナー構成になり、かつ、得られる経験値が分配される。」

「そもそもその情報は本当なのですか?神の教えはたしかにこ我が国の国教によるものであり、邪教と呼ばれる考えがあることも知ってはいますが、なぜに施政者はそのような体制を強いるのでしょうか?」

「デバイスで検索した結果、この国の施政者の考えが体系化されているわけではないため、答えはわからない。ただし、敵性勢力がモンスターであると仮定すると、権威主義的なこの国では、ソロプレーの方が都合が良いと思う。」

「カトの話は正直私にとって都合が良いため、美味すぎる話という気もしますが、私も異端な森の姫と言われていましたし、その価値観は理解できると思います。して、この後はどうしますか?」

「まずは街に帰る。どうせカードで全てはバレる。幸いに税金のルール以外が破ったところで罰則はない。せいぜい社会的に制裁されるくらいであるが、悲しいことにお互いあまり影響はなさそうだ。エスカは黒の空岩石を実家に納めたら、また街で落ち合おう。」

「そして、白の土肝を得ると言うことですね。」

「ああ、エスカとの連携を考えると、強化するべき方向も教えてもらった方向で良さそうだしな。」

「我が一族の英雄の父上さまの秘密を教えたのです。生半可な鍛錬では許しませんよ。」

「ああ、俺もかつては神童と呼ばれた男だ。それでいつに戻って来れそうか?」

「半年と言ったところですね。先の話の通り、当面の資金はこれを使ってください。そしてピークの十分に一の力程度でしょうが、影兎のオトを付けます。」

「有難いが、エスカの主力を良いのか?いくら街道を行くといっても。」

「オトの役割は補完出来ますし、何より今の私の実力ではオトはダンジョン特化ですからね。私もカトに聞いた鍛錬を行う上でもこれが最適と思います。」

「そうか。ありがとう。俺は魔力を満足に扱えないが、鑑定の考察によれば、筋の良い仮説と思う。」

「こちらこそ。ではまた半年後にお会いしましょう。あ、気になっていましたが、よくグリーンの花びらのまま食せますね!コンコヒーを分けましょうか?」

「正直金がないからな。もらったシェルパールも余裕があるわけじゃないし、コンコヒーに慣れたくないから、気遣いのみで十分さ。」


こうして俺らはギルト設立を目指し、その歩みをスタートした。

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