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018 衝撃の真実

 自分史上最も顔の痛い日となった。


 自信があった訳では無い、何せやったことがあるかどうかも疑わしい冴えない人生だったのだ。


 あー、しばらく笑いたくねぇ……筋肉痛待った無し……。


 「何やめてんだよ!! もっと頑張れよ!!」


 「いや待ってくれ……ちょっと休憩……」


 何十分経っただろうか……。


 始めに俺はにらめっこをする、それはそれはストックとポテンシャルの足りていない変顔を連発した。


 微塵も彼女の表情は変わりやしない。


 続いて変なポーズをとって変な声を出す、樂ほどでは無いが笑いのボキャブラリーは俺も少ない。


 面白いポーズがよく分からないから、俺の記憶の中から覚えている流行ったピン芸人の芸をやったり、何故か最後に道頓堀の製菓会社のポスターのポーズもやった。


 樂ちゃんは爆笑していたので恥ずかしくはなかったが。


 しかしこうも反応が無いと精神的な疲れがどっと来る。


 「早くしてくれよ! 僕が疲労回復に協力してやるから!」


 「じゃあ膝枕して」


 「分かった!」


 希望が見えて急けるのは分かるが、ゆっくりじっくり時間をかけた方がいい解決策が出てくるかもしれないだろう。


 しかし必死そうにあたふたしてるこのロリも可愛いので口には出さない。


 うん、心地良い膝枕だ、お雹さんより少し筋肉質なのか硬めで俺好みだ。


 「けど、お前も変わってるな……




 ───男の僕に膝枕なんて」




 「……え?」


 「なんだよ」


 「え……え?」


 唐突、その言葉は今この瞬間のためにあるんじゃないかと思えるほどのタイミングで、俺は起き上がり樂ちゃんの顔を見る。


 そして何を思ったか、樂ちゃんの股間に右手を伸ばす。


 「ひゃっ!」


 「完全に少女の声なのに、手触りは馴染みある感触」


 「……あ……ある……」


 「な、何すんだよ!!」


 「嘘……だろ……」


 これが……世に言う……男の娘……。


 聞いたときは全く意味分からなかったし、結局男だろ、と思っていたが……。


 か……可愛い……。


 「い、いい加減離れろ!」


 何かに目覚めかけた俺は樂ちゃんの股間を無意識的にさすっており、赤らめる樂ちゃんは俺を思い切り押し倒し俺は柱に頭を強打する。


 「痛っててて……」


 「も、もういいだろ! さっさと始めろ!」


 「お、おう……」


 再び鏡の向こうの彼女の顔を見ると、俺を明らかに侮蔑した目で見ている。


 いやまあ、幼い子供の性癖をねじ曲げかねないヤバい事を僅かにでもしてしまった罪はあるが……ここまで冷ややかな目で見られる?


 笑わせるからかなり遠のいたよなこれ、そもそも動いたのすら初めてでびっくりだわ。


 「違うんです、これは俺の意思じゃないです、好みのタイプはと聞かれたらあなたみたいな人と答えられる自信あります」


 弁解を図るが、さらに気持ち悪がられたのか胸を隠すように腕を組む彼女。


 ですよねー、俺も気持ち悪がりますもん。


 そしてこの部屋に入ってから分かりやすい幸運が来てないな……何なら手っ取り早く彼女の心を溶かせるの来てくれよ……。


 「な、なあ、顔曇らせたけど……どうなってるんだ?」


 「どうしようも無い……」


 「な、なんでだ!?」


 「そりゃ青年がぱっと見女の子に見える男の子のお〇ん〇〇触ってたら大体ああなるだろ……腐ってたら知らないけど」


 女を腐らせるというのは男同士……つまりBLが好きな人と意味付ける……と何かのネットで見た気がする。


 「犯罪だろ普通に……」


 「ぼ、僕は別に……触られても嫌じゃなかったし……むしろなんか、きもちよ」


 「やめろ!! それ以上言ったらここを出る希望が潰える!!」


 「何ぃ!? やめる!!」


 「素直でよろしい!!」


 性癖が歪むのは当人の意思次第だが、せめて俺が根本的な理由の事故で開花してくれたら罪悪感で死ぬ!!


 何でそんな恥じらう表情で顔赤らめながらそんな事言うの!? 俺が悪かったよごめんなさいすみません何でもしますからああ!!




 「───どうして、ですか?」




 「……え?」


 「どうして……あなたはそんなに必死なんですか?」




 ……喋っ……た……。

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