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『自画像』  作者: マリア=オルテノ
6/6

プノエル・オルテノ作『自画像』 ~後世の評論家達の見解~ 

、最後にタイトル回収だけして完結となります

短い間でしたが、読んで頂いた方々に感謝を!

その絵は実に不可解な絵だ。

 繫華街の外れの人が寄り付かないような、薄暗い路地裏を背景に一人の男が真っ直ぐに立っている。

 その男の姿は体を真っ二つにしてから他の体にくっつけたかのように、右半分と左半分で全く違う服を着ていて、アシンメトリーの歪な印象だ。

 右半分は真っ黒なビジネスマンのようなフォーマルスーツで身を包み、細身で姿勢が良く、整っている姿をしていて、左半分はどこにでもいそうな中年のような腹の出た、だらしない姿をしている。

 そして特に異質なのは、その顔だ。

 ピカソの絵に代表されるキュビズムの様に顔が二十三分割に区切られ、様々な角度を切り取ったような状態になっているが、驚くべき事は、この全てが別人の様に違うという事だ。

 強盗のような悪人だったり、穏やかな中年の様だったり、硬派のビジネスマンの様だったり、悪魔のような恐ろしい顔だったり、別人の顔を貼り合わせたかのような、フランケンシュタインのようなつぎはぎ感が不気味だ。

 そこに本当のプノエル・オルテノは無いのかもしれないし、あるのかもしれないが、それを知るのは彼と深く関わった人間だけだろう。

 彼自身、絵を裏取引でしか売らない極めて異質の画家で、その正体は取引した人間しか知らないという。

 その証言もバラバラで人物像が定まらず、どのような性格の人物だったかも分かっていない。

 謎多き芸術家、プノエル・オルテノ。

 彼の本当の貌はこの絵のどこかに埋もれているのかも知れない。


こんにちは、文芸部の手塚です

これにて『自画像」は完結となりますが、この設定を元にいくつかの話の構想を思いついたので、もしかしたら新しいシリーズで作品を作るかもしれません

それではごきげんよう、また会う日まで

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