魔法使役症候群
誰もが一度は憧れた魔法使い。もし、本当に存在するとしたら嬉しいだろうか?
例え、それが最悪なものによる事態だったとしても。
サテライトビルの一室で一人の男が頭を両手でおさえてうずくまっていた。
「痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない!」その時、男の中で何かが切れた。
「死にたくなければ殺せばいい、死にたくなければ殺せばいい、死にたくなければ殺せばいい、死にたくなければ殺せばいい、死にたくなければ殺せばいい、死にたくなければ殺せばいい、死にたくなければ殺せばいい、死にたくなければ殺せばいい、死にたくなければ殺せばいい!」
そして、男は狂ったように、高らかに嗤う。
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!」
イギリスのウェールズ地方の山中で発見された新種のウイルスは感染者の遺伝子構造を組み換え、ある力を授ける。
その力こそ魔法である。
使える魔法は一人一人違うのだ。
しかし代償は大きい。
感染から一週間で感染者の自我が崩壊する。この事を学会では魔法使役症候群と呼んだ。未だに治療方学会が確立されていない。現在では魔法使役症候群による自我崩壊者は、世界各国共通で、射殺が義務づけられた。しかし崩壊者の魔法で死ぬ者が年々増加していった。日本では、警視庁直属の対策部隊が設立された。
サテライトビル付近の上空では一機のヘリコプターがサテライトビルの周りをぐるっと回るように飛んでいた。ヘリのなかには黒い狙撃銃を構えた男がスコープを覗いていた。スコープの先には身体中に紫電をまとわりつかせた男が映し出されていた。
「こちらライフル10、崩壊者を照準。いつでも撃てます」狙撃銃を構えた男は無線で、告げた。
『こちら本部、発砲許可が下りた。いつでもどうぞ』
「了解」狙撃銃のスコープを再び覗く。その時だった。窓から紫電が放たれた!
「うわっ!」男は寸でのところで避けた。代わりに当たった背後の扉が当たった勢いで派手に飛んだ。バチバチと音をたてながら扉は地面に向かって落ちた。
「くそっ!」
すぐさまに構え直す。狙いを定める。スコープの先の男は再び紫電を放つ用意をしていた。
「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね!」
男はニタリと嗤う。
「させるか」
引き金を引いた。銃声がして、刹那、男の眉間に穴が空いた。
また一人、人が死んだ。ヘリコプターはサテライトビルを後にした。狙撃銃を構えていた男は無線で告げた。
「こちらライフル10、崩壊者を処刑した。これより帰還する」
ところ変わって某国のとある施設、一人の男がモニターを見ていた。
「なるほど、これを使えば新たな世界を造ることが出来る。全てあの人のために」そしてモニターの電源が落とされ部屋は、漆黒の闇に包まれた。
もう、殴り書きですね。
携帯で書いて、そのまま出してみました。
いや、ネットが使えない間に書き上げた短編ですので、はい。