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灰かぶりの魔法令嬢は、王子よりもオネェを信じている  作者: SoL


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3/10

婚約発表は、誕生日に

 その日の夜、ティターニアは寮の自室で手紙を眺めていた。

 月明かりだけを頼りに、手紙を見つめるその表情は、幸せの手紙では無いことを示している。



 その手紙を枕元に置いたまま、眠れない夜を過ごした翌朝。


 「ティターニアおはよう」


 「おはようっ!」


 「今日ミハイル様と一緒では無いの?」


 「あー、えぇ。ちょっと、ね」


 たまに話すクラスの女の子。彼女は誰に対しても平等で明るい子だ。

 私は昨日の手紙を思い出し、濁しつつもため息が漏れる。


 机に座り、今日の授業の準備を始める。

 教科書を取り出していると、ある物が目についた。


 ーー昨日の手紙、持ってきちゃった。


 私はその手紙を取り出し、再びため息を吐きかけて、止まる。これ以上こんなやつのせいで幸せを逃がしてやるものか!と。




 「ニーアー?アナタねぇ先行くなら連絡しなさいよ!危うく遅刻するところだったじゃない!」


 相変わらずプリプリしているミハイル。なんだかその元気さに励まされているように思える。

 私は手紙を素早くしまうと、ミハイルへ向き笑顔を見せる。


 「ごめんね。早く起きちゃって」


 「って、何かあったの?いつもより元気ないじゃない。」


 やはり、ミハイルには隠しきれないようだ。

 流石、私の親友。


 「昨日、ラルフから手紙が届いて。私の誕生日に婚約発表パーティーを開くって」


 「アナタ、誕生日って1月じゃない!あと10ヶ月よ!?」


 私はなんとも言えず、微笑むしか無かった。


 ーーもう、諦めてラルフと結婚した方がいいのかもしれない。


 そんな私の考えを読んだのか、ミハイルは私の手を握り、片膝を着いて視線を合わせてくれた。


 「大丈夫よ。ニア。まだあと10ヶ月もあるじゃない!アタシがついてる。まだ終わってないわ。それに、ほら、アタシ優良物件だと思うんだけど?」


 ミハイルの言葉を聞いて、私は吹き出してしまった。最後の恋人と別れた辺りから、私を励ますときに自分アピールで笑わせてくれるミハイル。


 「ありがとう!でもミハイルは親友よ?私は大丈夫」


 と言っても、本当に恋人が見つかるかは分からない。

 これまでに付き合ってきた相手達とは散々な結果だった。


 1人目は1年生の時に付き合った先輩。

 彼は政略結婚の婚約者がいて、私とは卒業までの遊びだった。


 2人目は同じ学年の別のクラスの子。

 頭の良かった彼は、たまに図書館で分からない所を教え合う学友だったが、そこから発展して付き合う事になった。

 が、ミハイルとの距離感が誤解を生んで破局した。



 3人目は、学園のアルバイト仲間。

 庭師見習いとして来ていた彼と仕事を共にするうちに仲良くなった。

 しかし、ある日突然学園に来なくなり、自然と関係は終わってしまった。



 全部ミハイルが手伝ってくれたのに、上手くいかなかった。

 デートの日は可愛く着飾ってくれたり、よく相談に乗ってもらっていたのに。



 「なんの話しをしてるんだ?」


 「で、殿下!おはようございます」


 殿下が来たことにより、その場の空気が、ほんの一瞬で変わった。


 「あぁ。おはようニア。ミハも」


 「えぇ。おはよう」


 やはり殿下を目の前にすると、緊張して萎縮してしまう。ミハイルは、朝から嫌なものを見たとでも言いたそうな顔をしている。


 「実はニアがあと10ヶ月で好きでもない、むしろ嫌いな相手と婚約しなくちゃいけないのよ」


 「そういう事か。それなら、一ヶ月後に行われる僕のパーティーに来るといい」


 殿下はそういうとニヤリと笑った。

 一ヶ月後に行われるパーティーとは、殿下の帰還と婚約者探しを兼ねたパーティーだ。


 「でも、ドレスも持っていないですし、行けません」


 「そういう事なら僕が用意しよう。卒業まで補佐をしてくれるお礼も兼ねて贈らせてくれ」


 「結構よ!ニアに何が似合うとかは全てこのアタシがわかってるわ。だから舞踏会の用意はアタシがするわ」


 断ろうとすると、ミハイルが間髪入れずに切り出す。

 そして私の頬に手を添え、女神のように美しく微笑んだ。


 「大丈夫よ、ニア。アタシがアナタを世界一美しくしてあげる」

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