引っ越し
続編開始です!
木々が輝き、葉は朝露に濡れている
今日も朝がやってきた
「ミーサ、にんじん、収穫しよ?」
澤井玲菜〈サワイ・レナ〉こと、わたしレナは森の奥でフェンリルのミーサと男爵騎士のヴァロンと暮らしている。
『主、わかった。ヴァロンは起こさなくてもいいのか?』
「うん、なーんか頭悩ませてたから。なんでかは知らないけどねぇ〜」
『それは多分、主が2年前に神級魔法を完成させてたからでは……』ボソッ
「ミーサ?なんか言った?」
『ナンデモナイ』
ミーサはわたしから目を逸らす。
失礼しちゃう。
わたしは単に目が覚めたら異世界だったから怪我したくなかったからエリクサー完成させただけなのに。
2年前、ヴァロンに一緒に不老不死になりたいと言われた。
でも、完成してなかったらしい。それで、私に手伝って欲しいとお願いされた。
それで思い出したのが回復魔法のエリクサーだった。なにかの役に立つかなと思って、この世界に来てすぐエリクサーを完成させたことをヴァロンとミーサに言ったら……
『主!それは神級魔法だ!』
「いいか、レナ。エリクサーはとんでもない魔法なんだ。」
と、懇切丁寧に半日かけて説明された。
あの時の2人の顔は……うん、思い出すだけでも怖い
般若が見えた。閻魔様だったかもしれない
「レナ、おはよう」
「おはよ、ヴァロン。」
そうこうしているうちに、ヴァロンが起きてきた。ヴァロンとわたしの手首にはお互いのイニシャルが魔法で刻まれている。
これもヴァロンの案だった。
ちなみに、刻んだと言ってもほんのりあったかいな位で終わってしまった。お互いに100m離れたらイニシャルが赤く点滅する。
最初は、地震速報みたいな音にしようとしたんだけどヴァロンとミーサにやめてくれと必死にお願いされてしまってやめた。
すぐ気づくからいいのに。あれ。
「レナ?どうした?」
「んーん、なんでもない。今日もいい天気だなって思って。」
『主、じゃがいもも食べ頃だぞ』
「ほんとだ。一緒に収穫しよっか。」
昔のことを思い出していたら、ヴァロンとミーサに心配させてしまった。
反省反省
「レナ、収穫終わったらすこし話せるか?」
「ん?いいよ?何の話ー?」
「後でな。」
なんだろ。
クスッと笑ってるけど……
気になる。
『主、気になるのはわかったから、ちゃんと収穫おわらせるぞ。』
「はーい。」
ソワソワしてるのがミーサにバレてしまった。
そんなに分かりやすかったかな?わたし。
「よし、これで終わりっと」
2時間かけて収穫が終わった。
これだけあれば、2年は持ちそう。
『主、私が持っていくからヴァロンのとこに行きな』
「いいの?ありがとう。」
ミーサがいてくれて良かった。
わたしは、泥を落として家に入る
「ヴァロン〜、いる?」
「ん、いるぞ。」
ヴァロンは机に向かってなにかを書いている
その背中に抱きついて質問する
「話ってなーに?」
ヴァロンは、私の方を向いて話し出す
「あぁ、この国には俺の名前もレナの名前も知れ渡ってる。だから、隣の国に引っ越さないか?」
「隣の国かぁ」
「だめか?」
確かに、この国ではあまりにも私たちの名前が広まりすぎている。
男爵騎士であるヴァロンにフェンリルのミーサ、そして、冒険者ギルドで色々あったわたし。
「いいよ。引っ越そうか」
「いいのか?」
「うん、家も畑も転移魔法で持ってけばいいし」
2年の間でわたしは転移魔法を改良した。
家と畑だけなら転移できるようになったのだ。
「ありがとう。」
ヴァロンはフッと笑って言った。
ほんとイケメンなんだから……
「引越し先は、この辺でどうだ?」
ヴァロンが隣国の地図を広げて言った。
森に囲まれており、近くには街がある。
「この街は、ダンジョンが沢山ある。肉を捌いてもらうにはもってこいだ。」
「なるほどね。たしかに、魔物を捌くのめんどくさいしいいかも。それに、わたしもまた冒険者なりたいし」
毎日同じ生活も良いけれどさすがに飽きてきたとこだ。
「この森で大丈夫か?」
「うん。ところで、この国ってなんて言うの?」
「隣国か?隣国の名は……」
━━━━━ラミン王国だ━━━━━━




