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異世界部屋から始まる自由生活! ~仕事疲れの社畜リーマン、チート魔法で人生逆転~  作者: ねこあし


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第二十二話:地球への帰還と奇妙な依頼

極北の荒野の拠点の中で、龍馬は地球への帰還方法を模索していた。彼の心の中には、ルミリアの知識が満ち溢れている。


『マスター。地球への帰還には、この『調律者の拠点』に備えられている『次元転移ディメンション・シフト』機能を使用します。しかし、異世界間の転移は、これまでで最大の魔力消費を伴います。』


ルミリアの声は、いつものように冷静だったが、その中に、龍馬の故郷への期待が微かに感じられた。


「最大の魔力消費か……。まあ、これまでもなんとかしてきたからな。やってみよう。」


龍馬は、自身の魔力が、以前よりもはるかに強くなっていることを実感していた。聖樹ユグドラシルの調律、そして管理者との対話を通じて、「神威の調律」へと覚醒した彼の力は、次元転移をも可能にするはずだ。


「よし、ルミリア。地球の座標を設定してくれ。俺の自宅、東京都墨田区に帰りたい。」


龍馬は、自分の故郷の住所を心の中で強くイメージした。ルミリアは、瞬時にその情報を解析し、転移の準備を開始した。


『承知いたしました、マスター。次元転移、開始します。』


青白い光が部屋全体を包み込み、体が宇宙空間に投げ出されたかのような感覚に襲われる。光は、まるで流星のように加速し、やがて、遠くの景色が歪み始める。


数秒後、光が収まると、そこは、見慣れたはずの場所だった。


「うおっ!?」


龍馬は、思わず声を上げた。窓の外には、見慣れた日本の住宅街が広がっている。しかし、そこには、異様な光景が広がっていた。


彼の自宅であるはずの家屋は、庭の生け垣や庭木が異様に成長し、まるでジャングルと化している。隣家の庭にも、同様に植物が異常繁茂し、電線には蔦が絡みつき、電柱は木の根に侵食されていた。まるで、文明が自然に飲み込まれつつあるかのようだ。


『マスター。地球の魔力バランスが、極めて不安定な状態にあります。特に、生命エネルギーの魔力が異常に増大し、制御不能な状態に陥っています。この現象は、マスターが以前感じた『違和感』と『願い』の正体と推測されます。』


ルミリアの声が、緊張を帯びて響いた。


「これが……地球の異変か……。まるで、どこかの秘境にでも迷い込んだみたいだ。」


龍馬は、その異様な光景に、茫然自失となった。


「よし、まずは外に出て、状況を確認しよう。」


龍馬は、部屋のドアを開け、一歩足を踏み出した。温かく湿った空気が流れ込んでくる。コンクリートの道路には、苔が生え、草木がアスファルトを突き破って生い茂っていた。


周囲を見渡すと、人気は全く感じられない。異様に成長した植物が、街全体を覆い尽くしている。


「まるで……世界から人が消えたみたいだな……。」


龍馬は、その光景に、言いようのない不安を覚えた。


『マスター。周囲に、人間の生命反応を感知。しかし、数は極めて少ないです。』


ルミリアの報告に、龍馬は希望を見出した。人が完全にいなくなったわけではない。


「どこだ、ルミリア!?」


『南西方向、約2キロメートル先に、複数の生命反応が密集しています。』


龍馬は、その方向へと走り出した。草木が生い茂り、瓦礫が散乱する道を、彼はひたすら走った。


やがて、彼の目に飛び込んできたのは、自衛隊のものと思われるバリケードと、その奥に広がる、仮設の避難所らしき場所だった。そこには、数十人の人々が集まり、互いに身を寄せ合っていた。


「おい! 誰かいるぞ!」


龍馬の声に、避難所の中から、数人の自衛隊員が銃を構えて飛び出してきた。彼らは、龍馬の姿を見て、驚いた表情を浮かべる。


「な、何だ貴様は!? どこから現れた!?」


自衛隊員の一人が、龍馬に銃口を向けた。龍馬は、警戒心を解くように、ゆっくりと両手を上げた。


「俺は、神城龍馬だ。ただの一般人だ。この街で、異変が起きていると聞いて、様子を見に来たんだ。」


龍馬は、とっさに嘘をついた。自分が異世界から来た調律者だなどと言っても、信じてもらえないだろう。


自衛隊員たちは、龍馬の言葉に不審そうな視線を向け合った。その時、避難所の中から、一人の男がゆっくりと現れた。彼は、軍服を身につけた、年老いた自衛隊の幹部らしき人物だった。


「状況は?」


男は、自衛隊員に尋ねた。


「はっ! 突然、見慣れない男が現れました! 素性は不明です!」


自衛隊員が答える。


男は、龍馬をじっと見つめた。その眼差しは、鋭く、そしてどこか諦めのようなものが滲んでいた。


「私は、内閣危機管理監、伊達宗一郎だ。君は、一体何者かね? この状況下で、どうやってここにたどり着いた?」


伊達宗一郎は、龍馬に問いかけた。その声には、威厳が感じられた。


龍馬は、伊達宗一郎の言葉に、どう答えるべきか迷った。しかし、この異常事態を解決するには、彼らの協力が必要になるだろう。


「俺は、神城龍馬です。正直に言います。俺は、この異変を解決するために、ここに来ました。」


龍馬は、決意を込めて言った。


伊達宗一郎は、龍馬の言葉に、わずかに眉をひそめた。


「解決だと? 君に、この異常な『植物暴走プラント・オーバーラン』を解決する力があるというのか?」


「はい。俺には、その力があります。この世界の魔力バランスを正常に戻す『調律の魔法』を扱えます。この植物暴走は、魔力の異常増大によって引き起こされているはずです。」


龍馬は、核心を突いた。伊達宗一郎の目が、大きく見開かれた。彼の背後にいた自衛隊員たちも、驚きの表情を隠せない。


「魔力……だと? 君は、何を言っているんだ……。しかし、この異常事態は、我々の科学では全く説明がつかない。では、君に、この状況を打開する具体的な策はあるのかね?」


伊達宗一郎は、龍馬の言葉を信じられないという様子だったが、同時に、かすかな期待を込めて尋ねた。


龍馬は、伊達宗一郎の言葉に、力強く頷いた。


「はい。俺の力で、この異常に増大した生命エネルギーの魔力を『調律』し、正常な状態に戻すことができます。」


龍馬の言葉に、伊達宗一郎は、しばらく沈黙した。そして、彼の顔に、苦渋の決断が浮かび上がった。


「……信じがたい話だが、現状、我々には打つ手がない。藁にもすがる思いだ。龍馬殿、君に、この『植物暴走』の解決を依頼したい。もし、この状況を打開できるのならば、我が国の、いや、人類の救世主となるだろう。」


伊達宗一郎は、深々と頭を下げた。彼の言葉には、この世界の未来を龍馬に託すという、重い決意が込められていた。


龍馬は、その重い依頼に、力強く頷いた。


『マスター。地球の『調律』の使命。私の全ての知識と力で、マスターをサポートします。』


ルミリアの声が、龍馬の心の中で、力強く響いた。


異世界を救った調律者は、今、自身の故郷、地球の危機に立ち向かう。龍馬の、次元を超えた新たな戦いが、今、始まる。

第二十二話では、龍馬が次元転移で地球へ帰還するも、故郷が「植物暴走」という異常現象に襲われ、文明が自然に飲み込まれている異様な光景を目の当たりにします。避難している自衛隊幹部、伊達宗一郎と出会い、自身の『調律の魔法』でこの危機を解決できると告げ、彼の命と人類の未来を託されることになります。故郷の危機に立ち向かう、龍馬の新たな戦いが始まります。

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