これが噂の異世界転生ってやつ!?
初めて小説というものを書いたのでとんでもなく
拙い文章となっていますが温かい目とまでは言いませんがぜひ生暖かい目で見ていただければ幸いです!
僕の名前は猫又草汰。ブラック企業に勤める社会人5年目27歳独身だ。 僕はあの日、いつもの通り5時間の残業をこなし家路をたどっていた。いつもの電車いつもの帰り 道いつもと変わらない日が過ぎようとしていた。少し違うことを挙げるとするならあの日の次の日 はいつぶりかの休日でコンビニで普段は飲まないお酒を買ったりといつもより少し浮かれていたくらいだ。そして自宅アパートの階段をいつもより足取り軽く登っているとき段差に足を取られ見事なまでに真っ逆さまに転がり落ちた。一瞬走馬灯が見えた気がする。懐かしい日々に思い出を馳せながら死を覚悟した。
「僕の人生こんなもんなのか?」
そう思った矢先、僕は意識を失った。目を覚ますと僕は猫になっていた。何を言っているか分からないだろうが僕にも訳がわからない。さっき目を覚まして辺りを見回すと知らない街に居てアタフ タしているときにやけに視界が低い事に気づいた。夢かと思い頬をつねろうとしたらフニっと柔らかい感覚があったのだ。何事かと困惑しながら手元を見ると、とてもプリティな肉球つきのにゃんこのおててが生えていることに気づいた。試しに喋ろうとしたがにゃおーんというとてもキュートな声しかでなかった。どういうことだ?何が起こっているんだ。僕はこれからどうしたらいいのだろう。こんな薄暗い路地でこのまま路頭に迷い死んでしまうのだろうか。そんなことを考えていたときふと思い出した。人間の僕はどうなっているんだ。もしかすると今僕は仕事を無断欠勤してることになっているんじゃないか?ということに。そんなことをしてしまった暁にはあのパワハラ上司に 怒鳴られるだけじゃ済まないだろう。そう思うと居ても立ってもいられなくなり職場に向かおうとしたがこの猫の姿のまま出社しても追い払われるだけなのでひとまず自宅アパートに戻り人間の僕がどうなっているか確認することにした。しかしこの姿での移動はそう簡単じゃなく、ただでさえここがどこか分からない僕からしたら何がなんだかわからない。人に聞こうにも僕は今ベリー キュートなねこちゃんの声しか出せない。仕方が無いので、野良猫たちを探しここはどこなのか尋ねることする。野良猫が行きそうなところなんて分からないけどなんとなくの想像でゴミ捨て場にいそうなのでゴミ捨て場を探すことからはじめることにしよう。ふらふらと歩いていたら少し良い匂いがしてきた。そういえば猫になる前も含め仕事のせいで丸一日なにも食べてなかったことを思い出した。一度思い出すとどんどんお腹が空いてきてしまったのでその匂いを辿ることにした。
...着いた先は野良猫の巣窟と化しているゴミ捨て場だった。本来なら野良猫発見!と喜ぶべきな のだろうが、野良猫’sの顔がイカつすぎてそれどころではない。人に例えるとするならガチモンのヤクザだ。あまりのイカつさに足がすくむがこのままではパワハラ上司にいてこまされてしまう・・ ・。そう思うと不思議と恐怖心がなくなってきた。この世に上司より怖いものなんてないのだ。僕は意を決し「にゃー!なぁーご!(意:あ、あのっ!お食事中にすいませんっ!)」そう声をかけた瞬間、ゴミを漁っていた全員が僕を睨みつけてきた。凄みがありすぎて思わず気絶しそうになっていると、この集団の長らしきハンパない貫禄を持っている猫が話しかけてきた「ここは俺たちの縄張りだ。血流したくなきゃとっとと出てけ」と。猫語がスラスラ理解できる! すごい!と感動しつつも長が怖すぎて瀕死状態だ。 でもそんなことは言ってられないので、ここがどこか分からなくて困っているという旨を伝えた。しかし縄張り意識が激強なのか威嚇されるだけで全く教えてくれない。どうしたものかと頭を抱えていると下っ端であろう猫に掴みかかられそうになり恐怖のあまりしっぽを巻いて逃げてしまった。比喩とかじゃなくてガチで。 野良の猫は怖すぎる...。とトボトボと行く宛もなく歩いていると日が暮れ始め薄暗くなり肌寒くなっ てきた。僕はこれからどうしたらいいんだ...。先の見えないことばかりでどうしようもない不安が募っていく。そんなとき背後から女の子の声が聞こえた。「猫ちゃんだ!」僕が振り向くとそこには大学生らしき女の子がいた。女の子は僕に近寄り「野良猫なの?お腹すいてない?」と声をかけ てきた。僕は話せないので、「にゃぉん...。」と悲しげな声で鳴いてみた。そうすると「そっかぁ...。 うーん、野良っぽいしいっちょ飼うか!」と軽い調子で女の子は言った。え..??と戸惑っている僕とは裏腹に女の子は笑顔で僕をひょいと持ち上げた。僕は自宅に戻って人間の僕を見つけないといけないんだ、しかも飼い猫になったら人間に戻れるかもしれない唯一の希望さえも閉ざされ てしまう!と必死に手から逃れるために暴れた。でも女の子は「暴れたら危ないよ〜」と抵抗を物ともせずに言っている。人間と猫の力の差に打ちひしがれながらもここで諦めるわけにいかないのでなんとか必死に抵抗するもその甲斐なく女の子の家に着いてしまった。女の子は「まずご飯だよね!買ってこなくちゃ!」とバタバタと支度し「いい子でお留守番してるんだよ!すぐ戻るから!」と家を出てしまった。僕はあまりにも突然のことにぽけーっとあの女の子はなんて名前なん だろう、可愛かったなあ、なんてことを考えていた。しかしふと今逃げるチャンスじゃね?と我に返った。あの女の子は可愛かったけれども!僕には使命があるんだ、ここでおちおち鼻の下を伸ばしている場合ではないのだ。しかし逃げると言ったってここはマンションだ、正確に何階かは分 からないが来る途中エレベーターを使っていたから窓から飛び降りるには危ないだろうし、玄関のドアだって猫の姿の今じゃ到底開けられないだろう。うーん。どうしたものだろう...。そう思考を巡らせてる時僕は閃いた。猫って高いところからジャンプしても大丈夫なんじゃなかったっけ?? と!高すぎたらダメだろうけど大学生が住むマンションだし高さはしれているだろう。とりあえず窓の方に行き、どのくらいの高さがあるか見てみることにした。 ...見た感じ、まぁ高いがこの姿ならなんとかなりそうな高さだ。少し怖いがこれも人間の姿に戻るため、そしてこれ以上職場に迷惑をかけていられないので飛ぶしかない。半開きになっている窓を全開にし脳内でシュミレーションをする。しなやかにいくんだ、風になびく桜の花びらのように ...!覚悟を決め、踏ん張る。僕ならいける!そう意気込んだ時、首元を掴まれた、グエッ「ちょっと、危ない!何してるの!」僕がシュミレーションをしている間に女の子が帰ってきていたようだ...。脱出が失敗ししょんぼりしている僕を横目に「あれ〜窓閉めてなかったっけ?」なんて言いながら窓に鍵をかけられてしまった。くそ!あともう少しだったのに...。唯一の逃げ道が閉ざされてしまった。他に逃げれる場所はないかと思考を巡らせている時だった。とても良い匂いがした。何事!と周りを見渡すと女の子が僕にご飯を用意してくれてるようだった。そうだ、僕お腹すいてたん だった。女の子が僕の前にご飯を置いてくれた。すぐにでも食べ始めたかったが見た目がめちゃくちゃにキャットフードだ。当たり前なんだけど、もうTheキャットフードだ。猫の姿だとはいえ僕はこんなの物食べれるのか...?と不安になるがすごく良い匂いがする。僕は食欲に負けひと口食べてみることにした。すると、絶対美味しくないと思っていたのにめちゃくちゃ美味しいのだ!!人間 の食べ物で例えるのは難しいが旨味がすごい!美味い!!丸一日何も食べていなかったこともありガツガツ食べていると女の子が「ふふっ」と微笑んだ。かわえ〜。すっかりお腹も満たされ本題の、どう逃げるかを考えようとしたがお腹が満たされたことにより次は睡魔がやってきた。女の子に出会うまで日が暮れるまで歩き続けていたのだ。無理もないが僕は一刻も早く家に戻らなけ ればならないんだ。とうつらうつらしながらも頭を働かせようとしていると女の子が「眠たいの?も う安心して寝ても大丈夫だからね。」と頭をなでなでしてくれた。頭をなでられたのなんて何年何十年ぶりだろう。こんなに気持ちよかったっけ...。そう考えているうちに僕は眠りに落ちた。暖かな光がさんさんと当たり目が覚めた。昨日の出来事はやっぱり夢ではなかったようだ。僕は猫の姿のままだし女の子の家にいる。しかし周りを見渡すと女の子の姿がなかった。今が何時なのかは分からないけど大学にでも行ったのだろうか。少し小腹がすいたので 女の子が用意してくれたであろうご飯を食べた。新しい逃げ道でも探そうかと思ったが昨日の疲れが残っているのかそんな気が起きず少しのんびりすることにした。なぜか女の子の部屋はとても落ち着ける。部屋をウロウロしたり日向ぼっこをしたりしていたらまた眠気が襲ってきた。ちょっと前まで寝ていたのに、これも猫の姿だからなのかな。なんてことを考えながら微睡んでいたら頭の中に声が響いた。何事かと飛び起きた。反響して何を言っているか分からないので集中して聞いてみた。「聞こえていますか?私は神です。」...え??神??急に??てか神とか本当にいるんだ…、まあ異世界転生するくらいだしいてもおかしくないか、なんてことを考えてる僕を無視して神(?) は続けて言った。「あなたはこちら側の手違いで猫になってしまっているようです。」理解が追いつ かない。「人間のあなたは今階段から落ち脳震盪を起こしてから意識が戻らないため病院に入院しています。」そう続けて言った。僕は困惑しつつも「にゃぁん?意:人間の僕は生きているってことですか?」神が答える「はい、生きてはいますが魂が抜けている状態です。あなたが人間に戻りたいのであれば私があなたを元の体に戻しましょう。」と。人間に戻れるのか!!即答でお願いしますと言おうとしたが声に出すことはなかった。
本当に人間に戻っていいのか...?
そんな考えが頭をよぎったからだ。ずっと人間に戻ろうと努力してたけどそもそも僕は本当に人間に戻りたいのか?で、でも!僕がいなくなったら家族が悲しむだろう。そう思ったが僕の両親は僕の体育祭を見に行く道中で事故に会いもう亡くなってしまっている。兄弟もいるが僕のせいで両親が亡くなったんだと僕を嫌っている。...悲しむ家族なんていないんだった...。家族はともかく僕がいなければ会社が困るんじゃないか?とも思うがそんなことは無いはずだ。僕は仕事が出来ない訳じゃないが別に特段できる訳でもない。しかも会社はブラックだし上司からのパワハラはひどい。そんな会社に勤めていたものだから特に趣味もないし友達とも縁が切れた。僕って人間に戻って良いことあるのかな。そう思い悩んでいたら「悩んでいるようなので決まり次第また声をかけますね」と神は言った。神だから僕が決心したら分かるのか...。神すご...。なんて思いつつ僕は判断出来ずにいた。悩み続けていたら女の子が帰ってきた。もうそんな時間か...。「ただいまぁ〜!」女の子が言 う。僕は「にゃん!意:おかえりなさい!」と答える。「良い子にしてた〜?にゃんざぶろ〜!」にゃんざぶろう...?「言うの忘れてたけど今日から君はにゃんざぶろう!そして私の名前はカナ!改めてよろしくね!」 僕はにゃんざぶろうらしい。渋い名前だ。カナちゃんは早速僕におもちゃをたくさん買ってくれたみたいだ。僕よりもウキウキでおもちゃ紹介をしてくれる。とても愛らしい。猫ってだけでこんなに無条件で愛されるんだ。しかもカナちゃんは野良猫を保護するような子だから絶対僕を途中で見捨てたりしないだろう。カナちゃんの子になれば最後まで愛されて一生を遂げられるのかな...。そう思う反面、僕が猫のままで生きる選択をしたら人間の姿の僕は死んでしまうのだろうか。僕の人生、あんな風な終わり方でいいのだろうか。アラサーだとはいえまだやり直しがきく年齢だ。自分の頑張り次第では人生を良くすることが出来るだろう。現実が嫌だからという理由で死んでしまっていいのだろうか。考えがまとまらない。
カナちゃんは僕が猫だからこうして大事にしてくれるわけであって社畜の頃の僕だったら関わることもなかったのかな...。人間に戻るのは辛い。でももっとカナちゃんのことを知りたいと思う自分もいる。猫の姿のままではコミュニケーションもとれないし猫の寿命は人間と比べるととても短い。 人間の僕としてカナちゃんとお話がしたい。そういう欲がでてきてしまう。でも人間に戻ったからといってカナちゃんと話が出来る関係になれるかと言えば分からない。なんてったって僕はコミュ障だしね。僕はどうしたいんだ。どうなりたいんだ。僕 は...僕は...。
ただ、幸せになりたいだけなんだ。
そう思った瞬間僕は決心がついた。すると頭の中に再び神の声が響いた。「どちらの姿で生きるのか決まったようですね。この選択をした後はもう二度と変えることは出来ませんがよろしいですね?」
僕は黙って深く頷いた。 体が光に飲まれた。太陽に、雲に、自然に包まれてるような心地の良い感覚がした。 これから僕の新しい人生が始まる。今までのような暗い人生にはさせない。後悔がないよう、自分らしく、やりたいことをしよう。
僕の人生に幕が上がる。こんなにドキドキするのは初めてだ。僕と君が初めてあった場所に向かう。見たことのある僕に生きる希望をくれた後ろ姿を見つけた。
「初めましてカナさん。 僕の名前は猫又草汰です!」
面白く思っていただけたのなら我が人生に一片の悔いなしとでもいうのでしょうか
最後までお読み頂きありがとうございました(*^^*)