11月1日は紅茶の日
11月1日は「紅茶の日」だそうです。
定番のダージリン、アッサム、セイロン。
ブレンドティーやアールグレイに代表されるフレーバーティーも捨てがたい。
ミルクティーにしても良いし、もちろんストレートティーも味わい深い。
一年中紅茶は飲みますが、深まりゆく秋と紅茶は相性が良いのでしょうか。この季節に飲む紅茶は、より一層おいしく感じるように思われます。
ところで、どうして11月1日が「紅茶の日」なのか気になったので調べてみたのですが、そこには壮大な物語が隠されていたのです。
時は天明。1783年。
海難にあってロシアに漂着した伊勢の国(現在の三重県)の船頭、大黒屋光太夫と船員たち。
言葉も通じな(のちに習得したらしいですが)ければ、右も左もわからない異国で、辛苦の生活を送ることになります。やがて一緒にロシアへ流れ着いた仲間もひとり減り、ふたり減り……。
望郷の念に捕らわれたとしても、おかしくはありません。
どうしても帰国の途に就きたい彼らは、はるばる首都サンクトペテルブルクまで出向き、ロシアの君主に謁見。ついに帰国の許可を取り付けることに成功するのです。
ちなみに、この時のロシア君主は、かのエカテリーナ2世。彼女の鶴の一声で、彼らの帰国が許されたのでした。
――それが紅茶とどう関係するのか、ですって?
まあまあ、先を急ぎなさいますな。
当時ロシアの上流社会でブームになりつつあったお茶会、女帝陛下に謁見を許された遠い異国からの珍しい客ということで、光太夫は首都滞在中はあちこちのお茶会や晩餐会に招かれたようです。
なにより、ですよ。
当時日本は鎖国中。極東の情報が欲しいと考えたかもしれないエカテリーナ女帝が、謁見後に彼らをお茶会に招いて情報収集したとしても不思議ではありませんよね。
正式な記録は残ってはいないそうで、あくまでも推測。でも、もしわたしがエカテリーナだったら、当然招待しちゃいますけど。
光太夫がエカテリーナに謁見したとされているのが1791年の11月。(10月末説もあり)
そこから大黒屋光太夫が日本人として、初めて外国での「正式の茶会(←ここ大事!)」で紅茶を飲んだ最初の人として認定。この故事に基づいて日本紅茶協会が1983年(昭和58年)に11月1日を「紅茶の日」と定めたのだそうです。
な~んだ、推測だけじゃん! とお思いになりましたか。
よろしいじゃございませんか、要は紅茶がおいしく飲めれば良いのですから。
わたしはストレートティー派です。