表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/38

5、薬

 アリスはイルの息子をゲストルームのベットに寝かせると、ラズベリーを煮詰めて作った温かいジュースを飲ませた。

「美味しい」


 男の子はそう言って、ジュースを飲むとまたぐったりとして眠ってしまった。

「イルさん、息子さんの様子を見ていてあげて下さい」

「はい、緑の魔女様」

「私の名前はアリスです。アリスと呼んで下さい」

「分かりました、アリス様」


 アリスは自分の部屋からカバンを持ってくると、イルに言った。

「今から熱を冷ます薬草を採りに森に行ってきます」

「ありがとうございます」

 

 アリスは畑の傍に流れている川の周辺を見て歩いた。

「確か、熱冷ましの草は川辺に生えているはず」

 少し歩いていると、熱冷ましの草が沢山生えていた。

「よかった。これで薬を作れるわ」


 アリスは草を摘んでカバンに詰めると急いで家に戻った。

「ただいま、もどりました」

「アリス様、息子の熱が上がってきているようです」

「すぐ、薬を調合しますからもう少しお待ちください」

 アリスはそう言って、摘んできた薬草と、いくつかの種や木の皮をすりつぶし煎じた。


「出来ました。まだ熱いので、冷ましてから上げてください」

「ありがとうございます、アリス様」

 イルは出来たての熱冷ましを息子に飲ませた。

「うーん……」


「イルさん、お薬はこの水筒に入れてあります。熱が下がるまで、食事の後に飲ませてあげてください」

「はい、分かりました」

 イルはアリスに礼を言うと、町に戻っていった。


「早く治ると良いのだけれど……」

 アリスは残っていた熱冷ましの草を日陰に干した。

「おばあさまのメモに薬の作り方が載っていて助かったわ」

 アリスは書斎から持ってきていたマリーのメモをもう一度開いて微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ