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植物と話のできる令嬢は気持ち悪いと婚約破棄され実家から追い出されましたが、荒地を豊かな森に変えて幸せに暮らしました  作者: 茜カナコ


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29、ブルーノとレーン

 その頃ブルーノは、馬車に乗って王子の待つ城へ向かっていた。

「アリスさんが……あれだけの魔力を秘めているとは思わなかった……」

 ブルーノはフォーコを倒したときのアリスを思い出して、身震いした。

「っと、こんな風に恩人のアリスさんを恐れるなんて、俺は騎士失格だな……」

 ブルーノはアリスの住む森の方を見て、ため息をついた。


「フォーコにもアリスさんにも、俺は何も出来なかった……」

 ブルーノは俯いてため息をついた。そして、すこしの時間考えた後、御者に声をかけた。

「すまない、今から言う場所に向かってもらえるか?」

 御者は思い詰めたような表情のブルーノを見て、頷いた。

「はい、ブルーノ様」

 

 ブルーノの指示に従って馬車は北に向かった。

「そろそろ着くな……」

「この先に進むのですか?」

「ああ、そうだ」

 霧が深い森を抜けると、そこにはエルフの谷が口を開けて待っていた。


「それでは、ここで待っていてくれ」

「かしこまりました」

 ブルーノは馬車を降りると、エルフの谷に入っていった。

「人間か? ここはエルフの谷だ、帰れ」

 エルフの子どもが、ブルーノを見つけ話しかけてきた。


「ブルーノと申します。レーンさんはいらっしゃいますか?」

 ブルーノがエルフの子どもに訊ねる。

 すると、騒ぎを聞きつけたエルフの青年が、レーンを呼びに行った。

「ブルーノさん? 久しぶりですね」

「ああ、レーンさん。お久しぶりです。実はちょっと相談がありまして……」


 ブルーノがそう言うと、レーンは微笑んで言った。

「立ち話も何ですから、我が家へいらっしゃいませんか?」

「……ありがとうございます」

 ブルーノはレーンの家に入り、すすめられた椅子に座った。

「で、ここに来たと言うことは、アリスさんに何かあったのですか?」

 レーンに聞かれて、ブルーノは苦笑いをして頷いた。


「はい……実はフォーコという魔女が復活して、アリスさんが倒したのですが……」

「フォーコですか!?」

 レーンは目を見開いて叫んだ。

「……フォーコは不死身の魔女です。倒されたとしても一時的な物のはず……今頃、復活しているでしょう……」

 ブルーノはレーンの言葉を聞いて愕然とした。


「ブルーノさん、貴方は強いと言っても人間です。何も出来なかったでしょう?」

「……はい、恥ずかしながら……。それで、私がアリスさんを守る手段が無いか教えていただきたいと思い、レーンさんに相談に来たのです……」

 レーンは難しい顔をした後、奥の部屋に入り、何かを持って戻ってきた。

「ブルーノさん、人間を辞める覚悟はありますか?」


「え!?」

 レーンは驚いているブルーノの手の上に、持ってきた小瓶を置いた。

「この中には、ケンタウロスの血が入っています。飲めば魔獣の力が手に入りますが、理性を保てるかは保証できません。それに、いちど魔獣の血を取り込んでしまったら、二度と人間には戻れません……」

 ブルーノは手の上に置かれた、小さな赤黒い液体をじっと見つめた。

「しばらく考えると良いでしょう。これは差し上げます」

 レーンは渋い表情でブルーノに言った。


「ありがとうございます……」

 ブルーノはケンタウロスの血を鞄にしまった。


 一方、アリスもフォーコの死が信じられず、エルフの谷のレーンの元に向かっていた。


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