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エッセイ

古典の源氏物語を語ろうかと。二

作者: 入江 涼子

  はい、また源氏物語について書きたいと思います。


  以前にも源氏物語の登場人物で女性については書きました。

  今回もそうしようかな。まず、一人目は六条御息所にしましょうか。

  彼女は主人公の光の君の恋人の内の一人として登場します。ですが元々はとある大臣家の姫で東宮妃でもあった女性です。一人娘で斎宮の姫君がいました。

  斎宮の姫君は後に秋好中宮と呼ばれ、光の君の弟で不義の子である冷泉帝の妃になりました。

  その中宮の母がこの御息所になります。ちなみに中宮の父は亡くなった先東宮になるのですが。


  六条御息所は完璧な貴婦人として世間からもてはやされていました。風流ごとだけでなく漢詩にも詳しい才女でとびっきりの美人です。光の君は御息所に興味を持ち、恋人の関係になります。最初は光の君も御息所に夢中でした。ですが時が経つほどに御息所のプライドの高さや嫉妬深さなどが目につくようになりました。


  そうする内に光の君の足も遠のくようになります。御息所もしまいには手紙だけのやり取りになり二人は倦怠期に入ったといえる状態になります。ですが光の君はある日、夢中になれる女性と出会いました。それが夕顔です。光の君は御息所や正妻の葵の上などを放ったらかして彼女のいた五条辺りの邸に通い詰めます。そして夕顔を連れて光の君は人気のない某院--廃屋と言っていい所に連れて行きました。


  光の君はここに二日間ほど滞在します。ところが一日目の深夜に事件は起きました。光の君が夕顔と一緒に寝室でまどろんでいると枕元に後ろを向いた女性が座っていたのです。光の君に女性はこう言います。


「……わたくしの元には一向にいらしてくださらないのに。こんな女に夢中になるとは」

 

  そう告げた後で女性は夕顔の腕を掴み、引き起こそうとしました。光の君はこの女性の声とうっすらと見えた顔を見て六条御息所だと気がつきます。ですが生霊だとも気づいた光の君はすぐに太刀を引き抜き、御息所らしき女性に突きつけます。そして女性の生霊はふっと姿を消しました。光の君は太刀を鞘に戻すとすぐに従者達のいる部屋に向かい、寝ていた彼らを起こします。何とか起きた彼らに明かりを灯せとか色々と指示を出しました。


  光の君は寝室に戻ると控えていた夕顔付きの女房に主人の様子を訊きます。女房は怯えきっていて頼りにはなりません。光の君は夕顔に声をかけたり体を揺さぶるなどしましたが。一向に夕顔は目を覚ましません。彼女は冷たくなっていてこと切れていた事にやっと光の君は気がついたのです。その後、光の君の腹心の部下で乳兄弟の惟光がてきぱきと動き、夕顔の葬儀が密やかに行われたのでした。


  馬から落ちそうな程に光の君は夕顔の死に悲嘆します。そうして光の君も熱を出して寝込んでしまいました。


  あれから、年月が過ぎて光の君の正妻の葵の上も御息所の生霊のせいで亡くなります。大体、光の君が夢中になったり正妻格として扱っていた女性が御息所の嫉妬を買っているなと個人的には思いました。でも彼女自身も苦しみ、次第に光の君と距離を置くようになります。後に六条御息所は娘の斎宮の姫君と一緒に伊勢へ赴き、数年後に都へ戻りました。が、一年としないうちに御息所は病気で亡くなります。享年は三十六歳でした--。


  いかがだったでしょうか。今回は六条御息所について書いてみました。お読みいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 源氏物語のプチ知識。 [一言] ちょっとホラーですね。女の嫉妬は怖いです。 享年三十六歳って若いじゃないですか…… 源氏物語は中学校くらいに読みましたが、実は内容を全然覚えていないので、ち…
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