VS四天王一人目―エンジョウジ(1)
目的地は、柔道場だった。
三十人ほどだろうか。柔道部員はエンジョウジを一人中心に置いて、端に正座していた。
「待っていたぞ」
そう言うエンジョウジは、すでに両手にサポーターを装着していた。胴着で見えないが、脚にも着けているのだろう。
「押忍!」
そう言って入るハルに続き、ヒロも押忍と十字を切って続く。マナブとユウダイも、見よう見まねで十字を切って入った。
「マナブ君とユウダイ君も来たのか。慕われているな」
そう言って、エンジョウジ先輩は二人に微笑んだ。二人はどこか気まずさを感じ、曖昧に返事をした。
黒髪の短髪は、四天王全員が同じだが、エンジョウジは大きな目が特徴だった。首と背筋を特に鍛えているようで、背中が大きな円のように見える。
制服姿でもわかったが、柔道着だと一際目立った。背筋のせいか、似合っているというか、柔道着がしっくり来ていた。襟から覗く首も、驚くほど太い。
「部員たちと並んで観ていてくれ。で、どっちがやるんだい?」
それだけ言うと、視線をヒロとハルに移した。二人は柔道部員達に倣って、端の畳に正座した。
「僕だよ」
間髪入れずに、ハルが応える。
「学ランはどうする?」
「第一ボタンだけ外そうかな」
「何だよ、カッコつけか?」
「そうだよ? カッコいいでしょ?」
にやりと笑うエンジョウジに、ハルは微笑む。
「長髪の男って、あんまり好きじゃねぇんだ」
言いながら、右足で畳をトントンと軽く蹴っていた。
「先輩たちの大将も、長髪じゃなかった?」
言いながらハルも、両足で軽く跳んでいた。
「あいつは良いんだよ。イケメンで、強いからな」
次は、左足で畳を軽く蹴り続ける。
「僕も結構顔悪くないし、強いんだけど?」
ハルは両足で跳びながら、右足を前に左足を前に交互に換えている。
「じゃあ、どれだけ強いか教えてくれよ」
そのエンジョウジの言葉を最後に、沈黙した。その沈黙をシステムが察する。
『サポーターの装着を確認してください』
ハルの腕輪から、声が聞こえる。
3Dで浮かび上がるドット絵のキャラをハルが押す。
『装着を確認しました。頑張れマスター』
青い炎のようなキャラが応援を口にし、ありがとLALUEFEMB、と律儀に応えてスマホを置く。
エンジョウジも胸元の端末にYESを押したのか、隅に端末を置いた。
『柔道場を準箱庭と設定します』
音声がスマホからでなく、柔道場のマイクから流れ出す。
すでに二人は、約七メートルほどの間合いを取って、向かい合っていた。お互いに目は合わせずに、中間の畳を見ている。視線は動かさず、エンジョウジは畳を蹴り、ハルは跳んでいる。
『知り知らしめよ』
ヴンッ……という音と共に、部員やマナブ達から見て二人の奥側に、二人のステータスが立体画像で浮かぶ。
ハル(Haru)
Class 『S』
春の宮高校序列 八位
四季区序列 二十一位
四季区二年生序列 十二位
N県内序列 三九位
N県内二年生序列 十九位
ATK 『S』
Speed 『C+』
Tec 『B』
拳 Rank『B+』
Speed B
Power B
蹴り Rank 『S+』
Speed S
Power S++
他 『D』
耐久 『A』
スタミナ 『?』
戦績
戦歴 「非公開」戦
勝利数 「非公開」勝
勝率 「非公開」%
エンジョウジ(ⅣTennnou―Ⅰ)
Class 『S』
春の宮高校序列 六位
四季区序列 二十位
四季区三年生序列 十位
N県内序列 五十三位
N県内三年生序列 十六位
ATK 『S』
Speed 『A』
Tec 『B』
拳 Rank『C』
Speed B
Power C
蹴り Rank 『D』
Speed C
Power D
他 『S+++』
耐久 『S++』
スタミナ 『S』
戦績
戦歴 「非公開」戦
勝利数 「非公開」勝
勝率 「非公開」%
『示せ』




