高天原はムー大陸
あらすじでタイトル詐欺は書いてるので詳しい話しを。ムー大陸みたいなものであってもちろんムー大陸じゃない。高天原はもう無いのかもしれない。それが言いたかった事で、どういう事かと言うと気象庁の公式HPもちゃんとあるんだけど、由布岳って北九州の山が2200年前の弥生時代に噴火してて、それで東に行ったグループと南に向かったグループが居て、その南グループが天皇家なんじゃないか?って話しになる。
これまんざらじゃないのは、四国を絡めた共通の漁民文化圏があるんじゃないか?って見てる人が居て、通常瀬戸内で説明されることが多いけど、そうじゃなくて、九州の北東と四国北西、山陽の南西を円で囲んだ1つの文化圏があるんじゃないか?と見てる人がいて、その原因がこれじゃないか?と私は見てる。九州の集団が火山の噴火で大きな広がり持った集団になったのじゃないか?
ニギハヤヒの降臨が早かったのはこの時直接河内に来た可能性になる。何故尾張氏と物部氏が同じ天孫じゃないか?で、これじゃないかと思ってる。尾張氏は少し遅れて移住したのじゃないか?と、そのタイムラグがニギハヤヒは天孫と同一と見れないって理由じゃないか?と物部氏自身は天孫だと思ってるけど、尾張氏や天皇家がそうだと思ってないのは、時代が下って近くに居なかったから信用できないからじゃないか?と見てる。
特にこの紀元前200年ってのがキーで、ちょうどこの時代に金属器が日本で流行し始めるときになる。金属器自体はもっと前から日本に入ってる。ただ文化と言えるものじゃない。物好きが集めてる程度のものだった。そもそも半島での流通が一般的になる以前のもっと前から一部の日本人は北方から青銅器を輸入している。
もちろん後からの可能性もある。ニギハヤヒの天孫降臨は天皇家が確立してからの後付でも作れるから。後から入ってきた北方民族と融合して出来た可能性もある。
他にも理由があって、隼人と言うのは宮崎でもかなり南方で、宮崎の北方の海岸沿いには骨が全く違う集団の人骨が見つかっていて、明らかに隼人とは違う別の集団が日向に居たことが分かっていて、天皇家はこのグループの可能性がある。そうすると隼人が天孫族だというのとも整合性が取れる。南下後混血して天孫族として扱うことになったのかと。
明らかに異質な骨の集団から海岸沿いの集団が弥生時代に移住してきたのは分かっている。もちろん弥生系の人骨に近い。
高天原は明らかに虚構感が強いらしくて、日本書紀と較べると、高天原は神話として別個の物がくっついたような構造になってるそうだ。私もこれは同意見で、高天原はおそらく日本の様々な神話と統合するための説明装置として後から別個に創られたもので、モデルはあっても基本人工的な部分が強いと思ってる。
ようは、高天原の原型モデルがあっても、後からあとから適当に神様を追加するのに便利な世界観に仕上げてある。そしてこれらを統合して、最後に天皇の祖先神が頂点であるやるのが最大の目的だと思う。ただし、根底の部分で様々な地域民族のごった煮を統一するのが第一の目的で、それを使って天皇の権威付けをしてるところにこの作者の天才性を感じる。
完全な虚構じゃないと思うが、構造自体が後から簡単に神様を追加できるので、その点は虚構色が強くなってしまう。これはすごく上手いと思う。ギリシャ神話が多分一番近い。だがあの神話は基本征服民族に対する非征服民族の押し付けの部分が強くて、ギリシャ神話の研究を見ると大半が支配された神が邪神やモンスターに成り果ててるのが多い。
それに対して古事記は別々の集団を1つにまとめる融合の意味合いが強い。もちろん蝦夷熊襲など征服の色が強い民族融合もある。だが、それはどこも共通で、日本はその色が弱い。融合の意味合いが強い。これを作った作者はやっぱり上手いと思う。
ただこのモデルがあるんじゃないか?とは言われていて、それが阿波風土記になる。国産みの最初が淡路島なのも意味があるとなってくる。ただそれでもそれはモデルであって基本古事記は地方融和と天皇の権威付けのための創作だと思う。忌部氏は元は奈良の忌部村から広がって、そのため村の名前だと思われる。
だがそれは氏族名になっただけで、そのルーツは瀬戸内海人だと言われている。阿波に後から広がったというより前から居たような気もしている。天孫族ではないが、天皇家と似たような神話をもつ可能性がある。以前から私は天皇家は海人だろうと見ている。それが稲作民と融合して後に金属加工集団と融合して神器を墓の副葬品として集める文化に染まったと見ている。
推測が多いが、初期の支配層は交易を重視した海人だろうと言われている。最新の文化を大陸からいち早く取り入れるとしたらこのグループであり、蓄財による権力の集中が起こりやすいから。母系は明らかに弥生系なのに何故か縄文系っぽいハプロだと推定される様々な状況証拠からこういった筋書きに落ち着いてくる。
権力者によるハプロの独占は考えとしてはかなり危険。それはジンギスカンで批判されてるが、そもそもC2系の最大グループの起源は5000、6000年前の新石器時代が起源だろうといわれている。ジンギスカンがそのグループであるのは否定し無いけど、その人物がジンギスカンだというのは時代がずれすぎてるって指摘されてる。
だが日本ではこれが通用するのは、明確に鎌倉時代関東でやたらと増える天皇家より歴史の浅いハプロによるものになる。人骨からじゃない。分岐年代の浅い1000年以内のハプロが関東を中心にやたらと多いからになる。これは見ればすぐ分かるが、変異が多すぎる。こんなハプロは近代でしかありえない。
ポイントは天皇家の歴史より分岐の変異の歴史が浅いんだ。ジンギスカンに批判があってもそれと同列に扱ってはならない。物事にはケースバイケースの事情が有り、1つの批判ですべて否定されるような単純な話じゃない。
日本には大きくD1b(2)系、D1b1系、D1b1a系の3つの系統がある。これらを見ていくと明らかにD1b1a以外は沖縄とアイヌに集中して多い。全く無いわけじゃないが、特にD1b1の近畿に集中して少ないのは気になる。これは近畿のような新しいハプロが集まる場所で維持するだけでも縄文D系は何かしらの理由が有ると見て良い。
これを天皇家に求めないってのが変だと感じる部分。そこで問題は物部氏になる。これは物部氏が中央で本家が衰退したからじゃないか?と思う点。河内の本拠地は支えるほどじゃなかったのと、別に全国平均で極端に少ないわけじゃない。後はD1b1がそもそも胡散臭いって点。これは仕方ない。忌部氏と物部氏のハプロはやっぱ胡散臭い。部民氏族の存在が否定できない。
後は何故東と西の端で多いD系がで、中央でも多い系統があるのか?それは多分端から移住したある人物が、中央で権力者になった可能性がとても高い。物部氏は確かに胡散臭いが、何かしらの謎のD系が日本の端から移住して権力者になった可能性がとても高い。そしてそれは当時の歴史から九州に限られる。
だから物部氏=D1b1系もありそうな話だと見ている。気になるのは忌部氏になる。忌部氏は天孫ではない。天皇と行動を共にした西方勢力で何故天孫じゃないグループが居るのか?それは逆に言えば出自が明らかすぎるからじゃないか?と見ている。藤原氏は分からないが、おそらくO1B2だと見てるのは、忌部氏は江南の文明人だった可能性が高い。
所謂徐福系になる。徐福自体じゃない、当時進んだ文化を伴って日本の支配者集団になっていた直接来た江南人が居ただろうと見てるから。安曇氏はこの中で難民系統じゃないか?と見ている。それなら忌部氏は藤原氏と似てるんじゃないか?と見てるから。九州北西に居た今は無き高天原のD系海人に文化を伝えたのが彼ら江南人で、彼らのトップになったのが元のD系の首長のような存在の天皇家じゃないか?と見ている。
通常ならここで忌部氏がトップになれば良い。でも多分そういうのじゃないのでは?と見ている。どうしても、直接集団は少数になる。上手く支配者層になった集団も居れば、現地のある程度みなの意見をまとめるような人と組んだ可能性もやはりある。そもそもこの徐福系がハプロの混乱を巻き起こしてると見てる。多分父系で綺麗に残らない。現地の集団と融合して1つのグループを作っていく。
私は同じように尾張氏も天孫族と言うのは、D系なんじゃないかな?と見てる。どうもO1B2を上手く分離するような歴史があるんじゃないか?と思えてくるから。
天皇家出雲系と考えるととても楽なんだけど。だって神武東征は明らかに虚構だから…。かなり後に出雲系の本拠地に入っていく九州系って無理あるんだ。そこで多くの人は九州統一後に東征に向かったとなる。それなら、宮崎はずれすぎてる。やはり北九州であるベキなんだ。
そして最大の問題、何故ニギハヤヒはあっさりと明け渡してしまったのか?出雲の国譲りよりももっと不自然になる。
記紀に何かが隠されてるとすると、それは3つ大きな点になる。出雲と阿波とニギハヤヒになると見てる。明らかに阿波神話の丸パクリっぽいのにそれが天皇家の神話だとする高天原の日本書紀と古事記のズレ。丸パクリだからこそ接木のように融合じゃなくて乗っけたような形になってしまってる。
ただ私はここで古事記は欠陥品だと思わない。むしろすごいと思っている。古事記のすごさは、全く質が違う。北方神話や南方神話を巧に高天原って一つの説明装置を創る事でかなり上手く融合してる点。元の阿波神話にこんな性質は無い。おそらく忌部氏も噴火後に移動した子孫なら、元の九州北西地方に原型のモデルがあって、そのせいで天皇家は阿波神話を丸パクリする事に抵抗が無かったのじゃないか?と見ている。
天皇家の目的は、強力なそれぞれの神話を1つの世界観で説明するための舞台装置が必要だったためになる。丸パクリは感じが悪いのと、後は、じゃ忌部氏と天皇家同族なのか?って疑いが出てしまう事だと思う。しかもここにニギハヤヒも絡んでくるややこしさ。やっぱ現在に伝わってるD1b1は氏族じゃなくて部民の方じゃないのか?と思ってしまう。
阿波の伝説によると物部氏って忌部氏と同族となってる。これも不味いんじゃないかな?とは見てる。
私は後世の物部氏が天孫族だと自称したのは、ひょっとしたら天皇家、尾張氏、物部氏がまとまって何かニギハヤヒに関する重大な秘密を隠したんじゃないか?と見てる。それが阿波神話に伝わってるから無視してるんじゃないか?と見てる。それが何か?は問いたく無い。そして後世の落ちぶれた物部氏はその秘密の共有を忘れてしまった可能性がある。
物部氏から感じるのは無邪気な天孫族と認めてくれよって自尊心ぐらいしか感じない。当時その書が作られたのは平安時代。家で古い書物など見つけてしまったのかもしれない。そこには重大な秘密が書かれていて、その秘密の意味を分からずに、なんだ物部氏ってやっぱ天孫族じゃんと無邪気に自尊心から書き残した可能性がある。
その偽書と疑われた本は特に天孫族であるって部分を重視して念入りに書いてるらしいから。書いた本人は事の重大さが分かってない可能性がある。文句があるなら当時の物部氏のトップが天皇家や尾張氏に言ってるんだ。書いた本人が分かってないようなもの後世の私が分かるはずも無い…。
ただ言えるのはハプロの新事実が分かったら本人すら分からない事を書ける可能性があるので書いてる。今回はハプロじゃなくて噴火と人骨だけど、それを統括してるのはハプロだって点かな。
後天の国だからラピュタの方が良かったかな…。