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東の果て

「えっ?全然違うよー。この建物は、町の役所だよ?理央には普通に見えないの?」


「ああ、あいにく俺にはアートにしか見えないな」


「そういえば、理央たちってなんであんな所にいたの?顔も見かけない顔だし。」


「あー、東の果てのちっちゃい島国だよー」


「東の果て?大陸の地図で言うと、この国より東には国なんかないはずだけど?」


「えっ?黄金の国、ジパングがない?!」



 俺は、山坂と2人で声を上げた。

 ユウナに詳しく話を聞いたところ、この国より東へ行くと凍った海(地球でいうことろの北極?)しかなく国もなければ人など住んでいないらしい。



 ユウナの父親は、探検家で何度もその海より先へ行こうとしているが未だ島を見つけてはいないらしい。

そんなやり取りをしているうちにユウナの家に着いたらしい。フツーの一軒家だ。

 とてもフツーだ。周りにある家たちは、変なのに…

家の玄関を開けたら、優しそうな男の人が奥から出てきた。


「おっ!ユウナのお友達か?!」


 と、とてもにこやかに笑いかけながら、聞いてきた。


「俺たち、ここの近くで迷子になった旅人でしてー」


などと真斗がとっさに嘘をつくが、時遅し。


「あ、それ俺の服だ」


 と、すぐに服を借りたのをバレてしまった。これ以上嘘をつくのはよくないと思い、俺は正直に話をすることを決めた。


 ユウナの父親に一通りの話をした。

 俺らがこの世界の人間でないことや、泊まるとこもないことを話した。

 最初は胡散臭い奴らだという目で見られていたが、帰り方が分からず家族とも会えないと話すと、真剣に話を聞いてくれた。

 やはり、家族の大切さは異世界でも変わらない。

そんなこんなで、俺らは今日、ユウナの家に泊まる事が決まった。


「いゃー、ユウナがお客様を連れてくるとはねぇー」


 と、ユウナの父が言った。お世話になりますと言おうした時、家の奥から誰かが来た。


「おかえりーってえ?!ユウナが男の子を!しかも、結局カッコイイ子を二人もを連れてきた!」



 そう叫ぶのは、黒髪ロングの女性。


「お母さん、そんなに理央達はカッコよくないってー」



 ユウナがその女性に放った言葉でわかった。

 そう、目の前にいる黒髪ロングの女性は、ユウナの母だった。ユウナさん、一言余計だったかなぁ~と俺らは思った。少なくとも俺は!!



「感動です!」


 と、真斗が言った。いや、お前なに言ってんだよ。

どうやら悪い人達ではないようだが…


「えっとー、俺、雲雀ヶ丘理央(ひばりがおか りお)っていいます。ユウナさんには、森で迷っているところを色々と助けてもらいました。」


「あら、今気づいたけどその服はお父さんのね~。理央君にあげるために探してたのねー。てっきり庭で焼き芋をしているのかと思ったわ。」


 ん? 俺はこの時思った。

この人にツッコミを入れたら負けだと…



★ ★ ★



 そんなこんなで、異世界体験1日目が終わろうとしていた。今、俺はユウナの家のめちゃくちゃ広いお風呂に入っている。



 ユウナは先に済ませたらしく、さっきパジャマっぽいのを着たユウナと廊下ですれ違った。 思い返すと色々あったなーっというのが定番だが、全然頭が追いついていないため思い返せない…

ボーッとしていると、急にお風呂の入り口の方からガラガラと音が聞こえてきた。


「ユウナ?…」


俺は思わず心の声を漏らしてしまった。


「あはは、すまんねぇ。ユウナはとっくにお風呂からでたよー。すれ違わなかったかない?」


と、マッチョなお父さま(泣)。


「べ、べべ、別に変な事を考えていたわけではないですよ!」


俺は必死で言い訳をした。


「君たちは、どこからきたのかな?」


「地球って星わかります?てか、ここは地球ですか?」


「いや、全然違うなー。もしかして、他の星からきたのかい?最近増えたね」


「はい、多分全然違う星です。…増えてるんですか?」


「ええ、大半は不時着で研究所おくりです。」


まずい、、下手したら動物園(この世界に存在するかは不明)送りや、研究所(2回目だから、察して…)送りになってしまう。

 

 しかし、つい先ほどに地球人宣言をしてしまったので、”やっぱ俺、この星の人ですわ!”とも言えない。



 えーい、もうきっぱり言うしかない、

 

「日本!日の本の国から来ました!」


 俺がそう言うと、ユウナのお父さんが怯えながら、口を開いた。


「日の本から来たならば、なぜ私達を攻撃しない?」


 と距離をとりながらこちらを見てきた。俺が唯一取れた反応はあんぐりと口を開けることだけだった。なぜ、地球人が、日の本の人がここの人々を攻撃するのか、なぜユウナの父が怯えているのか、俺には全く見当もつかなかった…


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