ロクな友達
みーちゃん先生もとい、ユウナの手を引いてやってきたのはどこにでもある住宅地…ではなく、この辺りでは高級住宅地である地域の中でもさらに良さげな大豪邸の前。
「ちょっと、リオ!お金でどうにかなるような話じゃないわよ?!しかも、こんな豪邸に住む友達なんて、ロクなお友だちではないわよ?!」
そこまで、悪く言われたら流石の俺でもキレるぞ?ここは一つからかってみるか。
俺はバレないように少しユウナから距離を置き、SNSでとある奴にメッセージを送った。そして、ユウナの隣について
「この家って誰の家か分かる?」
と、何気ない風に聞いてみた。そしたら、案の定
「リオのお父さんの知り合いだとか、リオの悪友でしょ?」
おい!お父さんの知り合いの方の家は、よしとして"悪友"とはなんだ?!"悪友"とは?!ユウナの中で俺ってどんな風になってるの?!
とりあえずは、ユウナを驚かす為に演技をしなくては、少し計画変更だ。
「後者であってるよ僕の小さい頃からの悪友の家だよ、お父さんがかなりのお金持ちでね」
ここぞとドヤ顔をする。俺の友達の親すげーだろ?というスッゴイ小物感を出した。割とうまく演技出来たかな?
「え!!本当に"悪友"の家族の家だったの?ただ単にふざけ半分で言っただけなんだけど…」
と、顔をかなり困惑させていた。俺は思わずにやけてしまった。顔を逸らしたおかげでにやけ顔を見られる事はなかった。しかし、ユウナは
「なんでずっとリオはそっぽ向いてるの」
と質問をずっとしてくる。だんだんユウナのお人形のような可愛い顔が近づいてくる。まじでその純粋な可愛いお目目で見ないでほしい。惚れてまうがな!?おまけに女の子特有の石鹸みたいないい匂いが凄いしてくる!このまま来るとホッペにチュッとか肌が触れ合ったりとかしちゃったりして…冷静に考えてみた。このままだと俺の理性がチュッチュする前に持たない。胸のドキドキが止まらない!ベタなラブコメとかで、なんだこのヒロインとか思ってだけど、言わせて下さい!
「この高鳴る心臓の音が隣にいる可愛い子に聞こえませんように!そして神さま!これは恋ですか?」
心でそんな事をしていると、気が付いた時にはユウナが離れていた。
「リオ ピンポン押さないの?」
俺は、シュンとしたままインターホンを鳴らした。
★ ★ ★
ピンポーン
「はーい、あ!リオかちょっと待ってろ」
インターホン越しに聞こえてくる声は図太い男の声。ちらりと様子を見るとユウナは少し怖がっている様子だ。それを見てしめしめと思っていると、ガチャリと男の家の玄関が開いた。
「ようリオ!元気してっか?!」
身長は180センチくらいはあるだろうか、ガッチリとした体格の男が家の中から出てきた。上手くやってくれているみたいだ。俺は短く
「もちろんだよ」
と答えた。そしてその男は俺の後ろに隠れている人物(可愛い可愛いユウナさん)に気がついた。そしたら、その男はこう言った。
「今時は幼馴染の父親にも彼女を紹介するのかい?リオくん?」
と、先程までとは打って変わり優しく穏やかな口調で、、口調で?あっ…しまった。
すごくすごく後ろからの視線が痛いしそっちに顔を向けられない。ユウナは気づいてしまったのだろう。(まあ、騙されたのは計算外だった)さっきからゴツい男だのと言っている人は何を隠そう、僕の幼馴染のうちの片方の父親つまりは、山坂の父親だ。元々、こんなユウナを騙す予定なんてなかったが、俺の冗談をユウナが信じたり勝手な想像をしていたから、つい楽しくなり、こういう悪ふざけが好きで尚且つゴツい山坂の父に手短に演技をするように頼んだのだ。
そしたら、山坂の父がノリノリで対応してくれたので良かったのだが、友達を軽くからかうから手伝ってと頼んだのが失敗だった。俺くらいの歳(山坂も含む)になって、女の子(めちゃくちゃ可愛い)と二人でいたらまぁ、その様に考えてしまうのかもしれない。さらに、我が家と山坂家と双葉家は昔から家族ぐるみの付き合いだったら、俺は山坂の父親にとって第二の息子[山坂は一人っ子]の様に考えているのかもしれない。俺は少なくとも彼らにはそのくらいの感情を抱いているし、そう思われていたら嬉しい。そんな山坂の父の優しい父性(?)により、今回は演技だとユウナにばれてしまった。




