第43話「一回戦 ヤるか、ヤられるか」
◆一回戦 先攻:隅田 後攻:横溝
「じゃあ隅田側のチョイスから開始します」
犬神の宣言に、たかしは内心ほくそ笑んでいた。
うまくいった。このゲーム、実は後攻の方が有利なのだ。
こっちは相手がカードを選んだ後、パターンや表情からその手を読めばいい。
幸い、勝負に制限時間はないので、後攻はじっくり考えることができる。
一般的には、五番勝負なら三勝すればいいと思いがちだ。
だが、たかしの作戦では、二勝すれば勝ちが見える計算になっている。
あくまでも今回の勝負の場合は、だが。
なので第一戦は肝心、いきなり勝負どころといっても過言ではない。
勝てればこの後の勝負がだいぶ楽になる。
「さあ、最初のカードが決まったわよ!」
張り切る三五七とは対照的に、隅田は冷静に控室に指示を出していた。
隅田が集めた女性のうちの一人が、スタンバイルームに入ったようだ。
「セット」
宣言と共に、隅田のカードが確定した。
その様子をたかしは、何一つ見逃さないよう見つめていた。
先攻が何を出すかによって、後攻は手を考えなければいけない。
そのためには相手の一挙手一投足を読まなければいけない。
この勝負は心理戦なのだ。
隅田はすまし顔のポーカーフェイスだが、いったい何を出してきたのか。
まさか、いきなり手持ち最強カードを出してきたか?
もしEカップを出してきたとしたら、こっちはAカップを出さなければ勝ち目はない。
だがもし、相手がそれを読んでEカップ以外を出していたら、
こっちのAカップはほぼ負け確定のカードとなってしまう。
唯一Eカップに勝てる切り札Aカップを、いきなり持っていかれてしまうのは痛い。
さあ、どうする……。攻めるべきか、守るべきか。
しばし考えた後、一人の女性をスタンバイルームに入れた。
「セット」
たかしの声に、犬神が両者のカーテンの中を確認した。もう入れ替えはできない。
「それじゃ……オープン」




