第42話「中間管理職 イヌガミ」
会場となる体育館。その中央にいた一人の人物。
それは審判として呼んだ犬神杏だった。彼女は不満そうにノーパソのキーを叩く。
「なぜ私がこんなことを……」
たかしは彼女を適当になだめる。
「全女子生徒のデータを持ってる奴って、お前くらいしか思い浮かばなくてさ。
イマジネについても知ってるし、一番公平なジャッジができると思ってな」
「それはいいとして……貴方、法家になんて格好させてるの!」
「これは彼の個人的な趣味だから」
「ち、違いますぅ!」
法家はミニスカ姿のまま涙目で否定する。
「ほら、このうるうるした目もいいだろう?」
「ちょ、法家に手を出してないでしょうね!?」
揉めているたかしたちの姿を見て、隅田は首を横に振った。
「やれやれ。どうして俺がこんな連中と、くだらない勝負をするはめになったのだろう。つくづく自分のお人好し振りが嫌になる。勝負などせずに逃げ出せばよかったのだが、変なところで責任感があるため、それはできない。自分でも嫌になるくらいのお人好しだ。昔からそうだ。相手の強引さに、いつもこういう風に巻き込まれてしまう。おかげでついたあだ名は――」
「それじゃ早く始めましょう」
犬神が手を挙げた。
「最後にルール確認。勝負は全五回。
まず、勝負に出したい生徒を、両者の陣地にある、カーテンで仕切られたスタンバイルームに入れる。
両者セットが終わったら、その後カーテンオープン。
基本カップ数の大きい方が勝ち、だけどAカップはEカップだけに勝てる。よろしい?」
たかしと隅田はほぼ同時に頷いた。
三五七が気づいたように言う。
「そういえば先攻後攻はどうするのよ?」
たかしは少し考える。
「んー、こっちが基本ルールを決めたから、そっち先攻でもいいよ」
「よーし、じゃあ私たちが先攻ね! クマ、行くわよ!」
三五七は隅田を引き連れて自陣に帰っていった。




