第41話「E(カップ)カード」
「やべぇ」
たかしは焦っていた。
AカップからDカップまで、一通り集まったのだが、肝心のEカップが足りない。
この勝負、勝敗数で引き分けた場合は、勝った試合の女の子たちの胸囲がポイントになる。
だから一番大きいEカップを抑えるのは特に重要課題なのだ。
めぼしい巨乳の女の子に尋ねるが、声をかける間もなく、ことごとく逃げられてしまった。
完全なる不審者扱い。
「普通そうだよね。あたしでも逃げるよ」とねとり。
「ギラつきすぎもダメなのか?」
こうなったら最後の手段、イマジネを使うしかないのか。
あきらめかけていると、廊下の向こうから一人の女子がやってきた。
「あれは……」
学園で一番の巨乳と名高い女子生徒、後藤さんではないか。
確かキヨのクラスメイトで、彼女に関する自慢話をよく聞かされていた。
彼女こそ、たかしがずっと探していた人物でもあった。
「後藤さん! 今までどこに?」
「校外に買い出しに行ってましたぁ……っていうか、誰ですかぁ?」
「俺、キヨの友達の横溝たかしって言います」
「キヨの?」
あまりピンと来てないようだが構わない。彼女を抑えれば勝つ確率が高くなるのだ。
この世界の救世主。ここで会えるとはまさに僥倖ッ!
「実はちょっとお願いがあるんだけど」
「イヤですぅ。なんかイヤらしい目で見てますぅ」
「勘がいいね」とねとり。
「なんもしない! なんもしないから! 話だけでも聞いて! 頼む!」
いきなり必死の土下座をかます。
彼女が話を聞いてくれなきゃ、選手を用意できなくて負けが確定してしまう。
すると土下座が効いたのか、彼女はおどおどした様子でこちらをうかがう。
「本当に何もしないんですかぁ?」
困った表情を見てピンと来た。この子、確実に押しに弱い。
「本当! 先っちょだけだから! 先っちょだけでいいから!」
「じゃあ、しょうがないです」
「よっしゃ!」
「けど、なんなんですかー。さっきも女の子集めてる人見かけましたよー?」
「集めてる人を見かけた?」
「ええ。やたら胸の大きい女の子を引き連れてましたぁ。色々話してたみたいでぇ」
おそらく隅田のスカウト現場だろう。向こうも巨乳軍団を抑えてきたのか。
ふと三五七のボディを思い出す。
「なあ、ねとり……」
「なーにー?」
「イマジネってのは、主人の妄想、願望が生み出したものなんだよな?
それはつまり、能力以外の部分にも、願望が反映されてるってわけだよな?」
「うん、多分そうだけど……」
ということはもしかして、アイツ……。
「ねえ後藤さん。その子たちが話してた内容、もう少し詳しくわからないかな?」
たかしはゲスな笑みを浮かべる。
策を思いついたのだ。勝利への布石となる策を。




