第28話「SASUKEェ……」
目の前に広がるのは、いくつものギミックがほどこされた
アスレチックコースだった。
二階から朱鷺が宣言する。
「第二の関門『ROAD TO NINJYA』ですわ!」
「わぁ、こういうのテレビで見たことあるー」
インリがウキウキで眺めている。
「これって仕事辞めて練習しないとクリアできないんでしょ?」
「そんなことないから」と一応たかしはツッコミを入れておく。
一方、朱鷺は自信満々の様子だった。
「ここはかなりの難関になってましてよ。
こんなのクリアできるのは、部の中でも網走くらいですから!」
「コツさえ掴めば難しくないよ!」とりょーちん。
犬神がカタカタとキーを打ち込む。
「横溝たかしの筋肉量では……成功確率0.1パーセントと出ています」
「ジャボーンといっちゃえー」「さぁー、いっちゃえー」と美知、佐知。
残念ながらたかしは、何もしなくても運動神経抜群の人間などではない。
「自宅に特訓施設とかもないし……」
考えに考え、仕方なく出した答えは。
「……あきらめよう」
「いいの!?」とねとり。
「ただあきらめるんじゃない。別の方法を考えると言ってる」
しばしその場で立ち尽くした。
気になるのが、先に行った法家のことだ。
ひ弱で、一見すると女の子にも見えなくもないあいつが、
素直にここを超えていったとは思えない。となると……。
たかしは一旦コースから外れて、周りを探索し始めた。
「ちょ、何探してるんですの! 早く挑戦しなさい!」
途端に朱鷺が慌てだした。人は、触れられたくないものに過剰反応する。
つまりこの方法は正解のようだ。何より本人が言っていたではないか。
『クリアできるのは、部の中でも網走くらい』
つまり、法家にクリアは無理ということ。
ってことはどこかに抜け道があるはず。
「あ、あった」
土をかぶせるように、地下への入口が隠されていた。
メンテ用の通路なのか、途中脱落者用の迂回ルートなのか、
どちらにしろここを通って先に進めそうだ。
見つけた途端、上から非難の声が飛ぶ。
「へたれ」「意気地なし」
「うっせ! 捕まえれば勝ちなんだよ! そもそもそっちだって先に使ってるだろうに!」
「卑怯者ぉー」「帰れー(帰りたい)」とインリとパコ。
「おまえらは応援しろよ」
ブーイングの嵐の中、地下通路を進み、上にある扉を開ける。
「うわぁ……」
ねとりが思わず感嘆の声を漏らす。
目の前に広がるのはシンプルな広場。
床も壁も真っ白に染まっていて、どこか非現実的な空間が演出されていた。




