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【転生】【異世界】【最強】【ハーレム】なんかクソくらえだ!  作者: 泥水啜
あそ部っ! ☆うちの体育館が突然ダンジョンに!?☆
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第25話「ぼ、僕は普通の男の子ですぅ!」

 男はキョロキョロ周りを確認しながら、校舎の奥の奥へと向かう。

 日差しに照らされたホコリが舞うような、幻想的な雰囲気。

 進むにつれ、人の気配は完全になくなってきた。


「学校にこんな静かな場所あるんだね。学園七不思議とかに出てきそう」


 興味深げなねとりに、インリがそっと腕にしがみつく。


「ひにゅー、なんかコワいよぅ」


 一方、男はそのまま一番端にある、家庭科準備室に入っていった。

 こんな辺境の教室に何の用があるというのだろう。

 静寂の中、耳をすますと、バタバタとした音と、男女のハァハァという息遣いがする。


 パコがおもむろにケータイをいじりだした。


「そういえば、この辺は便利だって獅子王が言ってた」


「便利って?」


「いや、ほら……なんていうか……(異性と会うのにちょうどいいとか)」


 口を濁すパコに、たかしはニヤニヤと質問してしまう。


「パコってさ、そういう時どうしてたの? 一緒に混ざってたとか?

 声だけ聞いて、一人で楽しんでたとか?」


「なっ! バカ!(死ねばいいのに!)」


 パコは顔を真っ赤にしてケータイを投げつけてきた。


「痛い! 向こうにバレるバレる!」


「誰だ!?」


 と、騒ぎを聞きつけたのか、おもむろにドアが開いた。

 男はこちらを見てハッとした表情をする。


「キミは……」


「俺のこと知ってるんですか?」


「し、知らないですよ! 皆さんが、ぞろぞろと来たから驚いただけで」


「皆さん?」


 言った後で男はしまったという顔をした。


 たかしの周りには、ねとりたちしかいない。

 それが見えるということは……こいつ、やはりイマジネ使いか。


「あんた、八木沼を誘ったそうだな?

 俺のことも知ってるらしいし、いったい何が目的で」


 話を聞きだそうとしたところで、教室の中から別の人たちが出てきた。


「アキラ、いったい何事ですの?」


 やたら高飛車な態度のカール髪の娘。

 こんな話し方するやつが現実にいたのか。


「うんやー、入部希望?」「入るの? 入るの?」

 ピンク髪の双子が、こっちをジロジロ見てくる。


「よっしゃー。やりぃ! 後輩が増えるぅ!」

 男っぽいショートカットの女の子が飛び跳ねていた。


 その奥では眼鏡をかけた女が、カタカタとノートパソコンをいじる。

「横溝たかし。身長一八五センチ、体重七〇キロ。クラスは1のA。

 交友関係は狭い。最近、不穏な動きが多いため、生徒会からも目を付けられているようですね」


 気が付くと、いつの間にか五人くらいの女子に囲まれていた。

 なんだ、この奇特な集団は。


「失礼、紹介が遅れました。ワタクシが部長の朱鷺乙女ですの!」


 カール髪の朱鷺を筆頭に、連中は勝手に自己紹介を始めてくれた。


「間宵佐知!」「美知だよー!」と双子姉妹。


「ボクは網走玲、りょーちんって呼んでください」


 元気娘に続いて、眼鏡女がパソコンを叩きながら一言。


「犬神杏」


 最後に男がポリポリと頬を掻く。


「見習い部員の法家明です」


「遊びに優しく、ルールに厳しく。我らそろって――」


 朱鷺の掛け声とともに、五人は戦隊的な決めポーズをとった。


「あそ部!」


 法家が恥ずかしそうに言う。


「ねえ部長、いい加減このポーズやめません?」


「何を言いますのアキラ! 結束力を高めるのには必要なのですのよ!」


「とほほ」


 盛り上がる連中をよそに、たかしたちは若干引いていた。

 部ってことは、とりあえず部活なのか? 素直に質問をぶつける。


「とりあえず、何する部なんだ?」


「その名のとおり」「遊ぶんだよー」

 佐知、美知の双子姉妹は息のあった回答を見せる。


「それって部活か?」


「で、で、入部希望者なの?」と網走、いや、りょーちん。


 すると、ずっとこっちを見ていた朱鷺がキッパリ告げる。


「却下ですわ!」


「何が!?」


「この部は特別な繋がりを持っていないと入れない決まり!

 ただの暑苦しい殿方など許せませんわ」


「おいおい、意味深だな。特別な繋がりってなんだよ?」


「そ、それは……」


 たかしの質問に、朱鷺がもじもじしながら答える。


「実はワタクシ……異世界では、魔王をしていたのですわ」


「は?」


「間宵佐知、美知。網走玲、犬神杏は、その時のワタクシの部下。

 そこへ勇者として、魔王城にやってきたのですが、アキラだったんですわ。

 その後、ひょんなことから、こちらの世界にやってくることになったのですが……

 と、とにかく、この部は特別な才能がなければ、入れないのです!」


「魔王……じゃなかった、こっちでは部長、そんなこと言わないでくださいよ」


 法家が朱鷺をなだめている。


「僕もそろそろ部の見習いを卒業したいんですから。

 そもそも他のみんなはともかく、僕にだって特別な才能はないじゃないですか」


「貴方は……その、ワタクシの初めての……」


「初めての?」


「……と、とにかく!

 ここは、貴方とワタクシの二人で立ち上げた部活なのですから!

 四の五の言うんじゃありません!」


 佐知、美知が口を挟む。


「ぷー、始まったよ。トキっちのもじもじモード」

「アッキーは、トキっちの特にお気に入りだもんねえ」


「へっ? どういうことですか?」


 法家の肩をりょーちんがパンパンと叩く。


「いいんだよ。アッキーには特別な才能があるんだから」


「ぼ、僕は普通の男子ですぅ!」


 ……どうもこの連中は調子が狂う。

 だがあきらめてはいけない。


「とにかく法家さんだっけ? 話があるんだ。

 あんたが入っている、主人公同盟について」


「そ、それは……」


 法家はもごもごしている。そこにまたしても朱鷺が割り込んできた。


「ちょっとお待ちになさって!

 うちの部員に、どうしても聞きたいことがあるというなら、ひとつ勝負をしましょう」


「なんかおかしなことになってきたね」とねとり。


「ねえー、そろそろ飽きたー」「帰りたい(帰りたい)」

 インリとパコの不満は耳に入らず、朱鷺は一人で盛り上がる。


「お互いのプライドをかけた、真剣遊戯ですわ!」

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