表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【転生】【異世界】【最強】【ハーレム】なんかクソくらえだ!  作者: 泥水啜
あLoveる編 ~ニセ恋の駆け引き~
PR
21/82

第19話「青い稲妻が僕を攻める」

 その後も八木沼は相変わらず、女の乳首や尻を触りながら、この世の不幸を嘆いていた。


 一方、たかしはそんな八木沼の様子をじっとうかがい、

スキあらば「能力を解除してくれ」と土下座で頼み込む日々を送っていた。


 目的は完全に、鬼姫に頭を撫でてもらうことではなく、

 八木沼にイマジネを解除してもらうことになっている。こうなったらもはや意地だ。


 その日も、河川敷のグラウンドで、いつも通り八木沼にお断りを入れられたところだった。

 これだけ丁重にお願いしても、力を解いてくれないのか。

 かといって向こうからは何もしてこない。

 さすがに仏の心を持ったたかしも、いい加減疲れていた。

 立ち去ろうとする八木沼に、つい一言こぼしてしまう。


「おまえも大変だよな。そこのガキんちょだけでなく、

 俺にまで付きまとわれてるんだから」


「ちょっと、インリ、ガキんちょじゃないもん!」


 意外にもインリが食いついてきた。本人はぺったんこの身体を気にしていたのか。

 面白そうなので、もう少しいじってみる。


「いるんだよなあ、こういうませたガキが。

 抱ける可能性が広がるかもって、貧乳好きって言っちゃう連中がいるから、

 こんな貧相な身体の子供が勘違いしちゃうんだよ」


「ひどい……」インリがぷるぷる震えだす。


 と、八木沼がインリの前に立ちふさがった。


「オレのことはいい。けど、インリを侮辱するのは許せない」


 さすがは騎士。その顔は怒りで満ちている。たかしはこの時を待ってた。


「許せないならどうすんだよ。なんの手出しもできないくせによ」


 言いながら、まるっきり噛ませ犬のセリフだなと思った。

 だがこれでいい。

 こっちからの攻撃が無効なら、向こうが攻撃してくるよう仕向けるだけだ。

 上手く相手の攻撃を利用できれば勝てるかもしれない。

 ワクワクしてながら攻撃を待っていたが、八木沼はなかなかこっちに手を出さない。


 と、八木沼はグラウンドに向かって歩くと、落ちていた軟式ボールを拾った。


 それをいきなり投げつけてくるが、力が入りすぎたのか、

 ボールはたかしのはるか頭上を越えていく。


「おいおい、何して……」


 視線を戻すと、八木沼の後ろで、インリが指をパチンと鳴らすのが見えた。

 と次の瞬間。

 後頭部にいきなり殴られたような衝撃。


「いってぇ!」


 振り返ると、軟式ボールがポンポン跳ねている。

 別の誰かが投げつけたのかと思うが、周りに人の姿はない。

 いったい何があった?


「手は出したぞ」


「べー、っだ☆」


 それだけ言って、八木沼はインリと一緒に帰っていった。


 軟式ボールとはいえ、不意の一撃だったので、頭がヒリヒリする。

 だがどういうことだ?

 あれで『手を出した』と言ってくるということは、イマジネによる攻撃なのか。


「見えたぞよっ!」ねとりがピッっと人差し指を立てる。「さっきパチンって音がしたよね?」


「ああ、インリが指を鳴らしたんだ」


「あたしね、投げ捨てられたボールの方を見てたんだけど、

 音がした瞬間ね、ボールに赤い火花が走ったの。

 そしたら急にボールが動きだして……」


 たかしの頭に当たったというわけか。


 そういえば最初、八木沼が女子生徒と接触していたときも、

 パチンという音が鳴った気がする。

 あれはインリが指を鳴らしていた音だったのか。

 確かにあの時も、女子生徒に赤い火花が走っていたような。


 だとしたら、その効果は何だ? 対象を思い通りに操るのか? それがインリの能力?


 だがそれとは別に気になることがあった。

 それは、パコの矢を弾くときに現れる、青い稲妻。


 そう、どちらかというと、その能力の方がメインだと思っていた。

 バリアというか、こっちの接触を無効化する時に、それが現れるのだ。

 赤い火花と青い稲妻。この二つに何の意味があるというのか。


「その他に不審な動きは見なかったか?」


 たかしが尋ねると、パコがすっと手を挙げた。


「ウィンク」


「ウィンク?」


「あの子が指を鳴らす時、右目だけつむっていた」


 さすがにそこまで気づかなかった。

 だが、インリのその行動にはなんらかの意味があるはず。


 必死に彼女の顔を思い浮かべる。確かインリはオッドアイだ。

 左目が赤で、右目が青。右目が閉じていたということは、開いているのは左目の赤い方だけ。


「ん? 待てよ」たかしの頭の中で声が響く。


『赤い火花に、赤い瞳。青い稲妻に、青い瞳。引き寄せられる女の子に、弾かれる攻撃』


 そこまで考えてハッと気づく。


「もしかして……切り替えているのか?」


「切り替え?」


 ぽかんとするねとりに、たかしは自信満々で宣言した。


「待たせたな、やっとわかったぞ」


「じゃあ」


「奴との戦いは、次で最後だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ