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「光」の破滅者 1
「……うそ、だろ?」
オレたちの目の前の光景は到底受け入れ難いものだった。
「平和 湧磨」が壁にめり込んで、意識を失っている。
負けるとは到底思えない奴が事実上敗北している。あたりには壊れたヨーヨーが落ちている。
そして飛ばされてきた方向を見れば、明らかこの世のものと思えない輝きを持つ『金色の剣』を持っている。
「の、ノブキ……」
と、不安そうに綺紀はオレの袖を掴む。
「……もしダメでもな」
オレはそんな綺紀の手を掴み、
「オレが守る、それは絶対だ」
と告げた。
––––その言葉は、綺紀にも、そして自分にも向けた戒めだ。
煌びやか剣を持つ金髪は、あの湧磨を倒したにもかかわらず、その目は憎しみに満ちていた。
そして男は少しずつ、周りを無視して湧磨に近づく。
誰も動かない。そいつの威圧的なオーラは、この場にいた誰もが凍りつくほどだった。
だが、動かた奴もいた。
その金髪の目の前に、ルシーが立っていた。