黒歴史の継承者 3
……物心ついた頃から一人だった。
少女はただスラムに捨てられ、ただ盗み、殺し、その腕を買う大人に利用されるだけされた後殺した。
ただ生きる中で、ある時『力』を発現する。だが同時に多くの情報も流れ込んで苦しみ、今度は人格を変え、しかしやる事は変わらなかった。
その『力』は関連性なく継承者される。その『力』はそういう形で生きていた。ある一時期に復活し、その人物像すら殺す力。
その力は単純だったものの強力だった。
ある時力と感情が矛盾を起こした。殺すことに嫌気が差した私。殺せと言う『力』。
そんな時、彼が現れ、引き入れられた。彼は少女の力を理解し、その力を扱えるようにさせた。
その頃から、同い年だった彼が大きな野望を持っていると告げられた。
「僕たちみたいな子供を救って回る偽善の集団を作る!」
そう言った彼は有志を募り、本当に組織を作り上げた。
当初はただのガキの集団。だけどあらゆる地域で捨てられた子供、戦争に使われる子供を拾い続けて回った。
資金は賞金首となる悪い奴らを殺して手にしていく。それしか稼ぐ手段がなく、それで大手の闇の組織を作り上げた。
だから彼は最初に『偽善』と掲げた。この行いが『善』に変わることが決してないと知っていたから。
しかし大きくなりすぎて、元々の方針から曲がる奴は今、目の前の男みたいに現れ出した。
今彼がいないのなら、彼に初めにスカウトされた私が正さないといけなかった。怠惰すぎたのだと、今更ながらに後悔する。
そのための『力』は、ここにあるのだから––––