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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第二章 幼女会長と暗殺者に思案したもの
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ブラックハウス 1

『……』


 なかなかにカオスな競技だったと思う。騎馬戦も、借り物も、その他の競技も。

 しかし、しかしだ。それでもまだ良かったかもしれないと思う。なんだかんだルール等は多少でもしっかりと見えていたのだから。


 だが、と俺は目の前の光景に苦笑いを見せる。


「……こんな建物あったか?」


 それは黒塗りの建物で、かなりの広さで、ただそれだけ。言うなればブラックボックスならぬ『ブラックハウス』だ。

 おかしいと思ったんだ。なんか覚えのない看板があり、その道は木々が生い茂って、抜けてみたらこの建物……。

 俺はおもむろにスマホを出し、一人の少女に繋いだ。



『あ、ゆう兄?』

 電話の先はかなり賑わっていて、微かだが吹奏楽の演奏が聞こえた。

「おい、これは種目が?」

『うん、その建物は私が急遽手配したの! …で、そこに着いたのが見えたから文化部の披露会をしていたんだー。ちゃんと事前に手配してたんだよ?』

「……で、これは何があるんだ?」

『えー、教えたらつまらないよ! ゆう兄なら凄くしてくれると信じているよ!』

 と声が遠くなり、多分通話を終了しようとしたのだろう。

「ちょ、おいま」

『あ、言い忘れてた!』

 止めようとする俺に被せ、ミサは通話越しからも分かってしまう笑顔で、

『ちなみにここまでは飛空カメラで撮影してたけど、出るまではしばらく映さないから!』

 そして今度こそ、通話は切れた。



「……どうするんだユウマ?」

 ノブキは、いや周りは既にこの状況に何か言いませず俺の言葉を待っていた。

 多分嵌められたな。現在先に入ったであろう麻央と島釜ペア、そして優華と舞夜ペアを含め、今この場にいるので全員であり、ハナから常人に勝たせる競技じゃなかったんだと実感した。

「ミサは来年もそうしないように後で説教だ」

 前を向くしかない。ここまで来たんだ、後戻りしても意味がないだろう。それに……。

「……ゲームなら高難易度クエスト、だよな? やらないってのはゲーマーとしては恥だな!」

「だとよお前ら! 競争ではあるが全員で突破を目指しつつ競おうじゃねーか!!」

「ほんと何言ってるんだか」

 更識は言葉とは裏腹に皆と同じ笑みを見せ、俺たちは全員でその建物に入った。

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