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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第二章 幼女会長と暗殺者に思案したもの
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借り物…だよな? 5

「南無三」

「…マジで殺されかけた」

信木は十走目の終わりまで廊下を駆けていたらしいが、結局のところ頭から血をダラっと流して帰ってきた。文坂は麻央と優華に宥められているが、睨んでいる。

「てかマジでなんで持ってたんだ?」

「いや、もしまた狙撃された時、庇った時にオレも死なないために仕込んだんだわ」

「…バカだ」

バカだ、マジで。確かに辞書は重いだろうけど、よりにもよってチョイスが『エロ本』とは……神聖のバカだ。

とはいえ、結果的にはまた優勢に近付いたしいいんだが、バカだなほんと。

「おうおう、そのバカに出来てお前に出来ないことはないだろ悪友!」

ニッと笑った信木に苦笑し、俺は立ち上がった。


「やあ、次は君かい?」

どうやら戻っていなかった凛堂が目の前に立つ。

「ええ。お手柔らかに」

既に十走目は惨敗。いや惨敗ってなんだよ。

「ふふふ、じゃあ君にはさらに難しくしないとね?」

「いやいや、一般人にそれはないっすよ先輩?」

「ふーん…でも、期待しているよ?」

何を、とは聞くまでもないだろう。俺は彼女の出題するものをまつ。


別に本気になる気はない。無理難題だからこそ俺はむしろ答えずリタイアを考える。だって、その方が安全だし。


「好きな異性」


……ん?

「………」

「好きな」

「いや聞こえてました」

俺は親指を額に当てて考える。あれ? いきなり普通のきたぞ?

「……えーと、これの裏は?」

「ないなー」

「………」

おいまて、マジで待て。

俺の額をトントンと叩きつつ、周りを見る。

麻央と優華がなんか怖いし。

一応助け舟をとギンキ達を見ようとしたが、傍のカナコもなんか目が怖いし。

「ぷっ!」

「……笑っているようだが、お前はどうすんだ?」

と横にいる愛花に視線を向けるが、

「さーねー」

とかわされる。

俺は唸ったが、誰も助けてくれそうにない。ハジメも智も、笑ってみてる信木も。信木は後で処す。

「………」

「さーさー、どうするー?」

「そーそー、どーするー?」

凛堂と愛花のダブルでの挑発はかなりイラっときたが、ひとまず深呼吸して考える。この問いの、回避手段を。

そもそも定義として「好きな異性」とは、恋愛を意味しているのだろうか? ただ単に異性の『性格的に』好きだとか、『外見的に』好きだとか、そう言うものだったりしないのか?

そう考えて、考察し、あらゆる可能性を考え抜き、『魔力探知』を使う。

「……」

「あれ? どこいくの平和ヒラナゴくーん?」

ただ歩き、そしてグラウンドの中央にしゃがみ、叩く。

「……いるんだろ?」

叩いた先、丸い縁が現れ、それはパカっと開いた。そして、


「ジャーン!! 流石ユウにい!!––––っへ?」


と飛び出た女の子の首根っこを掴んで掲げた。

「俺が好きなのはこの癒し系だ!!」



……後になって後悔するのはわかってたさ。いくら思考がバーストしてても、ロリ を掲げるんじゃなかったことを。

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