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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第二章 幼女会長と暗殺者に思案したもの
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借り物…だよな? 4

「あいつぜってー道連れにする……」

「何ぼやいてんのよノブキ」

と、オレの背中を綺紀が叩く。

「って! お前なー」

「はいはい、どうせまた何か企んでんでしょーけど、今度は負けないからね!」

と突きつけられた人差し指に、オレはため息をこぼし、

「……ま、負けねーのはオレもだ」

ニッと笑ってやると、綺紀もニッと笑った。

「さて、お題はなんだろうな?」

オレと綺紀は凛堂を見る。彼女はまた嫌に笑顔で嫌な予感しかないが、まあなんとかなると思ってたりする。

だって大体正解者いないし、ここで落としてもいいだろ?

凛堂は一呼吸し、出題する。


『じゃあ君たちは……そろそろ連れてこれる人にするねー』


やはりわざとか、と思ったのはオレだけではないだろう。

彼女はウンウンと悩み、そして出た言葉は、

『……よし、自分が思うアレな本を持ってきて!』

だった。

「…おい、どうしようか?」

「……え、それって…」

しかし各々なかなか動こうとしない。女子は赤くし、男子は少し狼狽する。

綺紀は、そもそも問題の意図を理解していないのかすごく悩んで蹲るため、オレは点数稼ぎに綺紀の手を引いてゴールテープを通った。

「え、あれ?」

「…ほらよ!」

オレは服の内側から一冊の本を取り出して綺紀に渡し、オレも腹に忍ばせた一冊を取る。

「…『古典』の教科書? と言うかなんで本を忍ばせてるの?」

「いやいや、いついかなる時に対しての対策さ!」

と歯をむき、ようやく、初めてグラウンドまで降りてきた凛堂に渡した。

「……ほうほう、そっちもかい?」

「ええ!」

「…よしわかった! 二人とも合格!」

よし、とガッツポーズする中、未だ分からないと言いたげな表情の綺紀に、凛堂は「開いてみな?」と促され開く。

「いやー、なかなかの勇気だね一年生!」

「ははは、それほどでもー!」

物が物だけに周りからの称賛はないが、まあこれでクラスに貢献できたしいい––––


「ふん!!」


「のあっと!」

瞬間、殺意を感じ避ける。

綺紀が、真っ赤になって涙目で、あのフライパンを振り下ろしていたのだ。

「お、おいどうした! 感謝されても憎まれるいわれは」

「あんたを殺してわたしも死ぬ!!」

「いやわけわか––––また振り回すな! やめろ! 来るなーーー!!」

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